ハワイ不動産売却ガイドNo.2 <br>売却価格の決め方

現在の売買動向から「最適な売却価格」を検討

ハワイ不動産の売却にあたって決めなければならないのは、大きく下記の4つの内容です。

現地エージェント選定
②売却価格
仲介手数料率
媒介契約期間

今回は、②売却価格について見ていきます。第1回で、エージェント選定の重要性について触れましたが、次に決めるのは「いくらでマーケットに出すのか?」ということです。


米国では「Multiple Listing Service(MLS)」によって、ほぼ全ての物件情報が公開されています。

では、実際にどのような情報が公開されているのかを見てみましょう。
サンプルとして、アラモアナビーチに面した高級物件「Hokua」の2018年5月9日時点の売買状況を見てみましょう。

[図表]Hokua 売買状況(2018年5月9日時点)

青い欄に記載されているのが、上記日時において「販売中」のステータスの物件一覧になります。販売中のデータだけをとっても、以下のような情報をいとも簡単に得ることができます。

●販売物件数
●部屋の間取り
●部屋の面積(Square Feet)
●Square Feet単価(※日本で言うところの坪単価のような指標)
●当初売出し価格
●現在の売出し価格
●マーケットに出した日付
●マーケットに出してからの経過日数

ここに掲載されている物件は、ご自身の物件を売却する時には「競合物件」になるわけで、競合がどのような価格帯でマーケットに出しているのかを把握することができるのです。逆に言えば、ここから読み取れる市場価格から大きく外れていると、いくら頑張っても良い結果には結びつきません。


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同タイプの部屋が出ていれば、上下階の関係性でおおよその価格が想定できます。また別タイプであっても、全体のSquare Feet単価等から割り戻して、概算の売却価格帯が把握できます。

黄色い欄に記載されているのは、「In Escrow Not Showing」と「In Escrow Showing」というステータスです。こちらは、販売物件の中から、実際に買い手がついて「所有権移転登記までの手続中物件」になります。つまり「決済中」ということですね。

この決済中の物件は、最も「今」のマーケット事情を反映したものになります。契約成立から引渡しまでの限られた時期(※約30日~60日程度)における掲載となるため、物件数は少なくなています。しかし、現在「Hokua」の購入を検討している買い手がどのタイプの部屋を選んだのか、またその際のマーケットプライスがいくらなのか、という点は売却価格を設定するにあたり、非常に重要なデータとなります。

最後に赤い欄に掲載されているのは、「過去180日以内に実際に売買契約が成約し、引渡しが完了した物件」の一覧になります(180日というのは一例で、365日にも1,000日にも設定は可能です)。

こちらも上記の決済中物件と同様に、実際に買い手がついた成約事例となるので、価格設定の際に参照すべき最重要データになります。登記手続中の物件一覧よりも、日数を指定することで、ある程度まとまった売買事例を入手することができます。そのため、ご自身の部屋タイプと同タイプのものがいくらで取引されたかどうかも見つけやすく、売却価格を設定する際には、より具体的なプライスを検討することが可能です。

ここに掲載したデータは、価格設定をするにあたっての基本的なデータになり、これで「Hokua」全体の売買動向を把握することができます。

なお、「Hokua」であれば、比較検討物件として「Waiea」や「Park Lane」などもご覧になる方が多くなるため、それら比較物件に関しても同様のデータを参照し、さまざまな角度からの最適な売出し価格を設定する必要があります。

これらのマーケット情報は価格設定にあたり基本的な情報で、実際に売却に出される場合は、より当該物件にフォーカスした細かい分析を行うことになります。

MLSのデータを自身で検索することも可能!?

ここに掲載したのは一例ですが、基本的にハワイ不動産の売買情報というのはガラス張りになっています。そのため、どの部屋がいくらで売りに出ているのか、また成約価格はいくらか、マーケットには何日間でていたのか、ということが明確に分かります。このデータはエージェントであれば誰でも入手可能なものですが、昨今はテクノロジーの進化により、不動産会社のWeb上にもMLSのデータをそのまま転載・検索できるようになっているものも多いので、ご自身で検索することも可能です。

日本とは違い、ハワイ不動産では不動産業者・売り主・買い主間の情報格差が非常に少ないため、価格設定には一定の客観性が担保されます。売り主としては自分の部屋だけ極端に高く売ることはできない代わりに、適正なマーケットプライスで売却することができます。また買い主も同様に、自分が買う物件が高値で掴まされているのではないか、という心配はなくなり、安心して購入できる環境が整っているのです。

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