コミッション6%は高いのか??

ハワイ不動産オーナーの方はご存知かと思いますが、ハワイの場合購入時に買主は仲介手数料(以下コミッション)は支払いません。

その代わり、売却時に売主が通常6%支払います。この方式、日本とは違いますよね?

日本の不動産売買時にかかるコミッションは通常6%ですが、売主、買主ともに物件価格の3%ずつを支払っています。実は、このように買主がコミッションを払うケースは、世界では珍しいのです。コミッションレートも国によって大きく差があります。

今回は、不動産透明度の高い上位10カ国を主に、世界のコミッション事情を見て行きましょう。

果たしてコミッション6%は妥当なのでしょうか?

「不動産透明度インデックス」とは?

定義として、次のように記されています。

「不動産透明度インデックスは、JLLとLaSalleが誇るグローバルネットワークを活用して収集した情報を分析、世界の不動産市場の透明度を数値化した独自調査レポートです。2年に1度発行しており、2016年で第9版となります。2016年版では、世界109の不動産市場を対象とし、定量的データとアンケート調査を含む139要素を用いて、スコアを算出しています。」

(JLLウェブサイトより引用)

不動産透明度インデックスを見ると、正確な最新不動産市場データが手に入り、さらにはその国の不動産業界に適切な規制適用、倫理基準、公正な取引プロセスが用意されているかどうかもわかります。

不動産透明度インデックスの上位10カ国*は、1位から順に英国・オーストラリア・カナダ・米国・フランス・ニュージーランド・オランダ・アイルランド・ドイツ・フィンランドとなっています。

ちなみに、日本はこの不動産透明度でいうと世界で第19位です。世界レベルでみると、まだ少し遅れているのですね。
*JLL発表「2016年版 グローバル不動産透明度インデックス」より。
http://www.joneslanglasalle.co.jp/japan/ja-jp/news/244/transparency-index-2016

10カ国それぞれのコミッションレート&負担者

それぞれのコミッションレートと、誰が負担するのかをまとめたのが下の表。

こちらのデータは、Surefieldというワシントン州シアトルにある不動産会社が2015年に調査を行なったものです。

世界の不動産仲介手数料

※ニュージーランドは別調査の結果。最初の$400,000に対して4%、それ以上に対して2%
ソース:https://www.stuff.co.nz/business/industries/93577224/NZs-real-estate-sales-model-needs-a-shakeup

なんと、5%以上のコミッションが発生しているのは10カ国のうちフランス、ドイツそして米国の3カ国のみです。そして、売主、買主の双方がコミッションを負担するのはドイツの1カ国のみです。これが世界の主流であり、日本やドイツのように双方が負担するのは珍しいのですね。

売主負担、5%以下のコミッションが主流

上の表を見て分かるように、世界的に見ると日本やドイツ、米国のコミッションレートは高く、多くの国は1%から3%となっています。

また、調査の結果、特に先進国では5%以下のコミッションが主流となっており、テクノロジーを使って効率的に仲介業を営むことができる場所では低いレートが一般的と述べられています。

ただし、米国のように高いレートを保っているところもあり、これは不動産業者が売買においてより大きな責任を負うことや、より幅広いサービスの提供を期待されていることも理由に上がっていますが、多くは業者同士が相互依存の関係にあり、売主側、買主側双方のエージェントが業務を行っていく為でもある、とまとめられています。

ただし、反対意見として、やはり経験・知識豊富なエージェントに自分の物件を売ったり、探したりして欲しい、という考えの顧客もおり、そう言った人々は従来からコミッションレートでエージェントを採用し、安いコミッションよりも、早くて確実な物件取引を望む傾向があるようです。

これは国民性も関与しているのか、チップ文化もあるアメリカですので、サービスへの対価はしっかりと払う、という意識が表れていると言っても良いと思われます。

2002年から2015年でどのように変わったか

2002年には、経済学者であるNatalya Delcoure氏とNorm Miller氏によって、31カ国のコミッションに関する調査が行われました。先の1oカ国に限ってみると、2002年から2015年でコミッションレートが増えた国はゼロで、ほとんどが同じか、もしくは減少しています。

具体的には、オーストラリアが2.5%から2%へ、アイルランドは1.5%〜3%だったのが1%〜2%へ、フィンランドでは3%〜5%でしたが、2%まで減少しました。

そして、米国でもこの動きは同じであり、6%〜7%のコミッションでしたが、最近では5%〜6%のパーセンテージとなっています。

テクノロジーが多くの問題を解決している

インターネットを使ったサービスが進み、不動産エージェントの作業が明らかに効率化されてきているのが大きな理由の1つのようです。

想像してみてください。

今でこそEメールで契約書が送られて、Docusignでサインをスイスイと入れてますが、一昔前はファックスでした。何十枚もファックスを送って、その場で電話して説明して、と。

スマートフォンが普及することで、さらなる進化が始まりました。それでも初代iPhoneが発表されたのは2007年。たった11年前です。今ではスマホ片手に買主は自分で多くの売り出し物件から、希望に近いものを探すことができるようにもなりました。特にアメリカはMLSがありますからね。これも、エージェントの仕事量軽減に大きく繋がっていると言えます。


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不動産透明度インデックスにおける上位10カ国の仲介コミッションレートを比較してきましたが、世界のトレンドとして5%以下のコミッションであること、また年々パーセンテージは下がってきていることは明確で、そしてコミッションを負担するのはほぼ売主であり、買主まで負担する国はかなり限られるということがわかりました。

今回取り上げた10カ国以外にも目を向けてみると、2015年の調査結果と2002年の調査結果を比較したところ、32カ国中18カ国がコミッションレートを下げ、その下げ幅は平均して32%だったということです。

日本やアメリカは慣習である高いコミッションレートを維持したまま2018年まできていますが、インターネット社会の今、特にアメリカでは他の英語圏の不動産業者の参入、またその低コミッションレートの導入により、今後、パーセンテージの見直しは必須と言えるでしょう。

ちなみにCrossoverのコミッションは4.5%です!

ご売却を検討されている方は是非!

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