コンドミニアムガイド:<br>トランプタワーワイキキ

開業から9年、人気・実力を兼ね備えたホテルコンドの代名詞

トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ(以下、トランプタワーワイキキ )は2009年に完成したホテルコンド(コンドミニアム+ホテル)です。25年ぶりにワイキキに新しく登場するプロジェクトとして大きく注目され、2006年に販売された際には1日で全462室が完売したということで大きな注目を集めました。

住所:  223 Saratoga Rd., Honolulu, 96815
 タイプ:  ホテルコンド(ホテルレジデンス、コンドテル)
 築年:  2009年
 総戸数:  462戸
 階数:  38階建
 間取り:  スタジオ、1ベッド、1ベッド+DEN、2ベッド、2ベッド+DEN、3ベッド
 ペット:  可(犬のみ)
最低賃貸日数:  1日
 デベロッパー:  アイロンゲート アズレップ(IRONGATE AZREP BW LLC)
 管理会社:  ハワイアナ・マネジメント
アメニティー: インフィニティプール、ジム、ジャグジー、スパ、会議室、ライブラリー、レストラン、ルームサービス・クリーニングサービス等のホテルサービス(有料)

ビーチにも買い物にも便利な立地

多くのショップ、レストランが立ち並ぶワイキキ・ビーチ・ウォークにあるトランプタワーワイキキ 。買い物に行くのにも困らず、そして数多くのレストランのおかげで毎日の食事もバリエーション豊か。ビーチからは徒歩1分かかるかどうかという場所にあり、ハワイ・ワイキキの良さを十二分に味わえる場所にあることで、竣工から9年経った今でも高い人気を保っています。


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中でも、トランプタワーワイキキの周辺で日本の方に人気なのが、到着日に軽く食事のできるお蕎麦屋さんのShingen(心玄)、その隣にあり、銀座でもおなじみとんかつ銀座梅林、そしてステーキレストランで評判が高く、実は夕方にはハッピーアワーでお得に楽しめるルースズ・クリス・ステーキハウス、ビール好きにはたまらないヤードハウス、イタリアンではウニのパスタが美味しいタオルミーナシチリアンキュイジーヌ、和食のランチ定食、また夜は一品料理も美味しいKAIWAなどなど、一例を挙げただけでも多くのレストランがあります。レストランばかり挙げてしまいましたが、世界的に有名なパナマ帽の専門店で、日本のテレビ番組でも紹介されたことのある、トゥルーフォー・ハットメーカーも入っています。もちろん、スターバックスやワイキキではおなじみのABCストアもあります。これらすべてが、徒歩数分の距離にあるのが、トランプタワーワイキキなのです。

ホテルコンドのトランプタワー

物件としての価値

立地は良いけれど、物件としての価値はどうなのか?トランプタワーワイキキのユニットは、ホテルとして短期貸出可能だけれど、長期滞在にも適応する、双方の「良いとこ取り」な造りになっています。そして、トランプタワーワイキキのユニットに備え付けのキッチン家電や家具に、チープさは見受けられません。ホテルと思って部屋に入ると皆さんが驚かれるのは、コンドミニアム並みの設備や、その広々としたキッチン、お風呂の影響が大きいでしょう。以下、ホテルコンドであるトランプタワーワイキキのお部屋やアメニティに関して見ていきます。

広々したキッチン

間取りはスタジオから3ベッドルームまで。38階建ての23階以下、24階以上で用意されるユニットの間取りが変わります。23階まではスタジオ・1ベッドルームを中心に2ベッドルームまで、天井高は約2.44m、24階以上には2ベッドルームを中心に、1ベッドルームから3ベッドルームまであります。天井高は下のフロアより高くなり、約2.62m。また、35階以上は「トランプフロア」といってさらに高級感のある家具が用意され、天井高は更に高い約2.77mとなります。

全てのユニットに共通しているのが、広々としたバスルーム。深さ約60センチのバスタブは、日本の方にも十分にご満足いただけるもので、ゆったりとしたバスタブに浸かることができます。また、1ベッドルーム以上のユニットでは全て、バスタブとは別にしっかりと洗い場があります(スタジオタイプのユニットでも、別になっているところも有)。ハワイでも近年、やっとそういったタイプのバスルームが増えてきましたが、まだまだ珍しいスタイルで、これは開発業者が日本の方を意識して造られたものでした。

日本人好みのバスタブ

次に注目したいのが、キッチン。1ベッドルーム以上のすべてのユニットにはフルキッチンが、スタジオのユニットでもキッチンまたはキッチネットが完備されています。フルキッチンには、オーブン、ワインセラー、食洗機まで備え付けられていて、キッチン家電は高級メーカーであるWolf、Sub-Zero、Bosch製。上で述べた通り、ホテルという一面を持ち合わせながら、別荘として長期滞在できる設備が整っています。もちろん、スタジオのユニット含めすべてのユニットに食器、調理器具が備えられています。


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残念なのが、1ベッドルーム以上のユニットにしか洗濯機・乾燥機がないこと。スタジオには洗濯機・乾燥機はありません。

ビューは、公園側(エヴァ側)とビーチウォーク側(ダイヤモンドヘッド側)の2つ。公園側は広くひらけたオーシャンビュー、またそこに沈むサンセットを楽しめます。ビーチウォーク側も、シティビューのユニットもありますが、多くのユニットからオーシャンビューを楽しむことができ、上層階からはダイヤモンドヘッド+オーシャンビューが見られるユニットもあります。

公園側は遮るものがないオーシャンビュー

アメニティは、フロントデスクと同じ6Fにあるインフィニティプール、そしてジャグジーがありますが、お世辞にも大きいとは言えません。その上の階にはザ・スパ・アット・トランプがあり、同じ建物内でスパに行けるというのは、ホテルならではと言えます。

また、トランプタワーにはレストランが3件も入っています。陰陽カフェは朝食バイキングから利用可能。ワイオル・オーシャン・キュイジーヌではランチからディナーまで楽しむことができ、お寿司などの和のメニューも充実。金曜日の夜にヒルトンハワイアンビレッジで上がる花火はこちらから真正面に見ることができます。また、1階にはBLTステーキがあり、アメリカンサイズの赤身のステーキはインパクト大。そして隠れて人気なのが付け合わせで出てくるふわふわのパン、そしてデザートのマウイパイナップルサンデー。ステーキだけでなく、最後まで楽しませてくれるレストランです。

人気の陰陽カフェ

加えて、会議室、ライブラリー、24時間利用可能なフィットネスジムと一通りの設備が揃えられています。

販売当初の記録的セールスと、その後の険しい道のり

1. 販売時の記録設立、そしてリーマンショック

2006年の11月10日(ハワイでは11月9日)に、史上初めて2箇所で同時に行われたトランプタワーワイキキの販売は、なんと1日で完売。また7億ドルという過去最高の単日の居住物件販売総額を打ち立てました。これにより、「トランプ」という名前が日本でも聞かれるようになり、販売会は大成功に終わりました。

しかしその後、相次ぐキャンセルに見舞われます。2008年のリーマンショックです。ここで、一つ目の正念場をトランプタワーワイキキは迎えました。その後、販売を担当するS&Pデスティネーション・プロパティーズ社や、その他正規代理店のプロモーション活動によりなんとか販売ユニット数を増やして行きました。初回の販売時には世界的記録を打ち立てたともてはやされたトランプタワーも、世界的な経済ショックには太刀打ちできず、辛い時期をなんとか乗り越え、2009年11月のオープンへと歩みを進めていきます。

2. 2009年11月オープン、登記まで

2009年11月16日、ついにオープンを迎えたものの内部の準備が整わず、約3ヶ月後の2010年の2月1日においても、まだ462室中361室が空室のまま使えない状態となっていました*。つまり、11月のオープン時には、たった101名のオーナーのみが登記を完了でき、その他の部屋のオーナーは、この問題が解決するのを待って、2010年春に順次登記を済ませて行くという事態でした。
*Andrew Gomes, “New Trump hotel still mostly empty”
http://the.honoluluadvertiser.com/article/2010/Feb/25/bz/hawaii2250319.html

3. ホテルとしての厳しいスタート

上記のように、101室のみが登記できた2009年、その中でもホテルレンタルプログラムを選んでいたユニットは約80室のみでした。つまりは、ホテルコンドとして大々的な宣伝をしていたにも関わらず、オープンから何ヶ月もの間、本来の規模よりはるかに縮小した形でホテル運営を始めることとなったのでした。また、このホテルオペレーションが落ち着くまでにも時間がかかりました。例えば、ホテル運営をするTrump Hotel Collectionのレベルに見合ったハウスキーピングが行えておらず、ハイエンドのお客様からはクレームになることも多々あったとのこと。一つ一つ改善し、現在のレベルまで持ってくるのには、相当の苦労と努力が必要だったようです。

4. 訴訟

トランプタワーワイキキは、オープン時にもう一つ大きな問題に直面しました。オーナー達から訴えられたのです。その内容は、「トランプ」という名前を使っているのに、実際には開発業社はアイロンゲート社であったことに対してでした。これは、契約の時に契約書に明記されておりましたが、「トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ」という正式名称を見て、開発業者はトランプ(トランプ・オーガニゼーションズ)であると思うのは自然なことでしょう。逆に言えば、「トランプ」という名前が、高級コンドミニアムというジャンルではそれだけ有名であり、そこが手がけるプロジェクトだからこそ購入に踏み切った人が多かったということです。9年経った現在、トランプタワーワイキキはホテルとして5つ星をとるまでのプロジェクトとなったので安心感を持つことができますが、当初は混乱を招きました。また、この運営側としてトランプがプロジェクトに関わり、開発業者は別にいる、というスタイルは、ワイキキだけでなく、メキシコ・トロント・フロリダ等のプロジェクトでも同じ*で、そして同じようにオーナー達から訴えられていました。最後はやはり契約書に明記されていることから、開発業者&トランプ側が勝利し、オーナー側は敗訴となりました。
*Drew Griffin, “Buying a Trump? Better read the fine print”
https://edition.cnn.com/2016/02/22/politics/trump-properties-investigation/index.html

ホテルとしてのトランプタワー

1. オアフ島で唯一の5つ星ホテル

様々な苦難を乗り越えてきたトランプタワーワイキキは、2015年から2017年までの3年間、継続して「Forbes Travel Guide Five-Star Hotel on the island of Oahu」に選ばれました。オアフ島で初めて、かつ唯一の5つ星ホテルとなったのです。また、そのホテルサービスは各部屋のオーナーも同じように享受できます。立地もよく、物件価値も高い上に、このようにサービスも一流と認められていること。これらすべての理由があって、今尚トランプタワーワイキキは活発に取引されているのです。

2. 到着時の演出

到着時には車寄せで、バレースタッフだけでなく、グリーターといってお出迎えをしてくれるスタッフが必ずいて、レイを持って明るい笑顔で迎えてくれます。オーナーだけでなく、もちろんホテル宿泊者にも同じようにお迎えにあがります。通常のコンドミニアムでは味わえない、ホテルコンドならではの演出と言えます。


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3. ビーチに近いということ

先ほどお伝えしたように、ビーチに近いこともトランプタワーワイキキの特徴。エントランスを出て左手にまっすぐ進みます。コンシェルジュデスクでは、タオル、お水、日焼け止め、果物が入っていているビーチバッグを無料で借りることができます。そして、実はあまり知られていないのですが、まっすぐビーチに向かって進み砂浜に到着したところには、ビーチパラソルとチェアのレンタルデスクがあります。サーフボードラックがタワー1階にあり、オーナーは自分のボードを無料で預けておくことができます(ラック数には限りがあります)。ハワイに来てすぐ、自分のボードを持って歩いてサーフィンに行けるのも、ビーチのそばに物件を所有する特典ですね。

4. アタシェイサービス

トランプタワーには通常のコンシェルジュとは違う、アタシェイサービスというサービスがあります。コンシェルジュももちろん常駐していて、レストランの予約やレンタカーや、地図の用意など様々な手配をしてくれます。アタシェイはさらに進化して、その人に特化したサービスをしてくれるところ。例えば、到着前に希望の食材をユニットの冷蔵庫にいれておいて、といった要望にも応えてくれます。中には、プロポーズをするので部屋を素敵に飾ってほしい、というご要望もあるとか。コンシェルジュのいるコンドミニアムも増えましたが、これはトランプタワーならではの特別なサービスではないでしょうか。

5. ホテルとして貸せること

ホテルコンドは、コンドミニアムとホテルを合わせた造語。賃貸期間30日以下のショートレンタルを行うには、一定の規定を満たしておく必要がありますが、トランプタワーワイキキはリゾートホテル地区に指定される区画にあり、さらに現在稼働中のホテルの1室であるということで条件を満たすので、1日から貸すことができます。高級物件を所有しながら、使っていない時にはホテルユニットへと変えて収入を得てしまう、そんなこともできるのがホテルコンドの最大の魅力と言えるでしょう。しかし単にホテルコンドならどこでも良いかというとそうではなく、ホテルとしての人気がこの収入に直結してくる部分でもあります。その点、ホテルとしてのクオリティ、グレードなどそれを十二分に備えているのでトランプタワーが人気を保っている秘密なのでしょう。


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比較物件

リッツ・カールトン・ワイキキ、パークレーン・アラモアナ、ワイエアなど

おすすめユニット

オススメは公園側のユニット。中でもよく売買されるのがスタジオと1ベッド+DEN。過去1年間の公園側スタジオの売買履歴を見ると、3件あり、どれも販売開始から1週間で売れてしまっています。なかなかマーケットに出てこないので、特に、23階に近い高層階のユニットが売りに出た時には、注目してよいでしょう。こちら側から見えるビューはどのユニットからも素晴らしいものがありますが、低層階は公園の緑とのコントラストを、高層階になると白い砂浜までを望むことができます。
また、海側、山側両端のユニットもおすすめ。23階まででは03号室と19号室、24階以上であれば01号室と09号室です。2ベッドから3ベッドのこれらのユニットは大きな窓が特徴の角部屋で、リビングのどこにいても明るく、景色を楽しむことができます。

38階ペントハウスからダイヤモンドヘッドを望む

ダイヤモンドヘッドビューが欲しい、という方には、ビーチウォーク側の高層階が良いでしょう。特に33階以上はシェラトンホテルを高さで超えてきますので、より開けたビューを楽しむことができます。特に、10号室の3ベッドルームは、この高さになるとオーシャンビューとダイヤモンドヘッドビューを存分に楽しめます。

8階から23階までのフロアプラン

24階から37階までのフロアプラン