ハワイ不動産売却ガイドNo.3<br>媒介契約書を解説

英語の契約書のポイントをおさえましょう!

売却を進めるにあたり、エージェントを決め、価格を決めたらいよいよ媒介契約を結びます。
英語では「リスティング・アグリーメント」と呼ばれる書類です。
今回はこの媒介契約書について見ていきましょう。
契約書のポイントを知ることは、不利な状況にならないための第一歩ですから。


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媒介契約書は毎回同じものを使います。
「Honolulu Association of REALTORS(ホノルル不動産協会)」で、標準の雛形を用意しているのでどのエージェントに依頼をしても基本的にこのフォーマットを使用して契約を締結するのです。

下記が、ハワイでほぼ全てのエージェントが利用している契約書フォーマットです。契約の際に必要となる、基本的なポイントを確認していきましょう。

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必ず確認をしたいポイントがこちら!!

Section Aは、重要な合意事項を記載する欄が多くなっています。

①A-1:AGENCY – 代理人

ここでエージェントの立場を明確にします。

買い主エージェントは買い主の利益のために、売り主エージェントは売り主の利益の最大化を義務づけられます。

ハワイでは、日本でいうところの「両手仲介(Dual Agency)」のケースはまれです。
ただし、両手仲介は理論的にも実務的にももちろんあり得ます。
売り主として両手仲介を認める場合は、あらかじめ「両手仲介を認める」というところにチェックを入れておきます。
実際に両手仲介になる場合には、別途の書類で両手仲介である旨を売り主と買い主に開示し、双方からの同意を得る必要があります。

②A-3:EXCLUSIVE RIGHT TO SELL – 専属専任契約

専属専任媒介になる旨の条項です。
専属専任契約を締結することによって、仲介業者は当物件の販売を専属で行うことになり、全ての購入検討者は仲介業者を通さなければなりません。

③A-4:LISTING PERIOD – 媒介契約期間

媒介契約期間を決める条項になります。
物件にもよりますが、一般的には1年契約をするケースが多いようです。

④A-6:LISTING PRICE – 売却希望価格

決めた売却希望価格を記載します。

⑤A-7:CONPENSATION TO BROKERAGR FIRM – 仲介会社への報酬

決めた仲介手数料率を記載します。

なお、報酬支払の要件としていくつか注意書きもあります。
純粋に売買契約が成立した際には、下記のケースでも報酬の支払いが発生するので事前に理解しておく必要があります。

●仲介業者が売り主の売却希望条件を満たす買い主を見つけてきたにも関わらず、売り主が拒否した場合

●売り主が合意できる売却条件を提示する、仲介業者が見つけた買い主との売買契約書を締結後に売り主の債務不履行が発生した場合

●③A-4で合意した契約期間内にも関わらず売り主が一方的に契約を破棄した場合

上記のように、契約期間内に売り主側から一方的な契約破棄をすると、報酬の支払いが発生します。

売り主の単独の裁量で「やっぱり売るのやめた」ということができないようになっているので、しっかりと検討の上、契約をしましょう。

⑥A-8:PROTECTION PERIOD – 保護期間

売却活動を行うにあたり、③A-4で合意した媒介契約期間内に買い主が決まらないこともあり得ます。

特に、契約期間の後半で案内をしたりすると、買い主が検討中に媒介契約期間が終了してしまう可能性も十分にあり得ます。その場合、仲介業者はその購入検討者の名前をリスト化して開示し、一定期間内であれば引き続き仲介手数料を受領する権利を定めた条項になります。

その一定期間を何日間にするか、ということは交渉ごとになりますが、一般的には60~90日前後で設定することが多いかと思います。

⑦A-9:CONPENSATION TO COOPERATING BROKERAGR FIRM – 買い主側仲介業者への報酬

ハワイでは売り主が仲介手数料を負担します。そしてその仲介手数料から、買い主側仲介業者への仲介手数料の支払が行なわれます。

その買い主側へ支払うパーセンテージをここに明記します。一般的に6.0%の仲介手数料であれば3.0%を、5.0%であれば2.5%を買い主側エージェントに支払うこととなります。なお、この報酬パーセンテージはMLS上に掲載されるので、買い主側エージェントは仲介をするにあたりこの点を重要視しています。

ここでご紹介しているのは一般的な手数料の流れです。

Crossoverでは、売主の負担を最小限にしながら、買主エージェントへ最大限アピールできるよう以下のようなコミッションになっています。

コミッションの流れ

ここまでが案件毎に条件を合意していく必要がある点になります。

ここから先は、不動産の売却に際して、Honolulu Association of REALTORSが示している基本的な行動指針となるので割愛しますが、仲介業者も売り主も、売却に向けて双方の協力が必要になります。その際の考え方の土台を提供している内容になっています。

さあ、いよいよこれで自身の物件をマーケットに出すための準備が整いました。あとはMLSに登録して、買い手を付けることになります。

次回からは買い手からのオファーを受ける、とはどういうことか、その際の交渉事について見ていきたいと思います。

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