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成約価格中央値:コンドが2ヶ月連続で過去最高価格
戸建 | コンドミニアム | |
6月の成約価格中央値 | $1,100,000 | $534,000 |
前月比 | $1,153,500(4.6%減) | $516,500(3.4%増) |
前年比 | $979,000(12.4%増) | $460,000(16.1%増) |
2022年5月に引き続き、コンドミニアムの成約価格中央値が2ヶ月連続で過去最高を更新しました。前月より3.4%上昇、昨年同月より16.1%の上昇です。一方で、戸建は昨年と比較すると10%以上上昇しているものの、前月から4.6%の下落となりました。
取引件数:戸建・コンドミニアムともに減少
戸建 | コンドミニアム | |
6月の取引件数 | 357件 | 626件 |
前月比 | 344件(3.8%増) | 688件(9.0%減) |
前年比 | 451件(20.8%減) | 730件(14.2%減) |
昨年同月と比較して、成約件数は戸建・コンドミニアムともに減少となりました。戸建が昨年比20.8%の減少、コンドミニアムは14.2%の減少です。これでもまだまだ高い水準ですが、これまでオーバーヒートしていた市場が少し落ち着きを取り戻しつつあるように感じられます。
毎月の統計では、現在エスクローに入っている物件数も公表されています。「エスクローに入っている」とは、売主が買主の申し込みを受け、エスクロー(取引時に中立な立場で仲介をする第三者機関)にて取引中であることを表します。通常エスクローでアカウントを開き(取引開始)、閉じる(取引完了)まで2-3ヶ月を要します。つまり、「現在エスクローに入っている物件数」=「2-3ヶ月後の取引件数」ということです。
上の図3は、2019年6月から2022年6月までの月毎の成約件数とエスクローに入っている物件数の比較です。濃いラインが成約件数、薄いラインが取引中の物件数を表しています。濃い線が薄い線を約2ヶ月遅れで追っていることがお分かりいただけると思います。全ての物件が2-3ヶ月で取引完了するわけではありませんので、正確にラインが相似するわけではありませんが、大まかな傾向は同じです。
取引中の物件数(薄い線)は、戸建・コンドともに直近では3月をピークに3ヶ月連続で下降しており、これを反映して、この後2ヶ月は成約件数も減少する見込みです。
市場の物件数:戸建・コンドともに増加
戸建 | コンドミニアム | |
6月末日の在庫物件数 | 527件 | 998件 |
前月比 | 471件(11.9%増) | 939件(6.3%増) |
前年比 | 377件(39.8%増) | 1,025件(2.6%減) |
2022年5月と比較して、6月は戸建・コンドミニアムともに市場の物件数が増加しました。コンドミニアムは昨年同月と比較すると減少ですが、約1年間非常な低供給が続いていることを考えると、少しでも増加傾向にあることは喜ばしいことです。
買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに高止まり
戸建 | コンドミニアム | |
6月の買い手がつくまで の日数中央値 |
10日間 | 11日間 |
前月比 | 10日間(変化なし) | 10日間(10.0%増) |
前年比 | 8日間(25.0%増) | 11日間(変化なし) |
戸建を市場に出してから買い手がつくまでの日数中央値は3ヶ月連続で10日間、コンドミニアムは1日増えて11日となりました。依然として驚異的な早さではありますが、少なくとも前月比・昨年比ともに短縮はしていません。
一言まとめ!
5月は戸建市場が一足先に小康状態の兆しを見せていましたが、6月はコンドミニアムもそれに倣う形となりました。価格は上昇を続けているものの、取引件数は減少、市場在庫が増加、買い手がつくまでの日数も1日延長されました。
ここで気になるのは今後価格がどのように動くかですが、この点においては見方が分かれるようです。市場在庫が増加しているため、普通に考えれば価格は下落していくはずで、そう予想するエージェントが多数います。一方で戸建は3/4が、コンドは3/5が販売価格を上回る価格で成約している現状は需要の高さを表しているとし、年内はむしろ価格が上がるとの分析もあります。ただ、1点両者に共通するのは、急激な価格下落はないということです。一部では不動産バブルの崩壊を恐れる声がありますが、ハワイ不動産の特殊性から、関係者は声を揃えて否定しています。
取引件数については、5月の市場動向まとめにて「住宅金利の上昇により、今後不動産取引数は減少するとの見方が多勢」とお伝えしましたが、その読み通り6月は減少し、上の取引件数の章でも触れた通り、少なくとも今後数ヶ月は減少が続きそうです。これは価格高騰と住宅ローン金利の上昇が影響した結果ですので、エージェントによっては「売却を考えている場合は、市場がこれ以上落ち着く前にとにかく早く動くべき」と助言しているようです。
海外バイヤーが市場に戻りつつあり、買い控えの動きが出始めたローカルバイヤーの減少を補うのでは、と期待を持つエージェントもいるようですが、海外バイヤーの筆頭である日本人は現在円安の影響で完全に売りに動いていますので、これは残念ながら望み薄と言えそうです。
沈静化の兆しがあるとは言え、完全に異例だった市場が少し落ち着いてきたというだけで、ハワイ不動産は依然として売り手市場です。ご所有のハワイ不動産について売却をご検討の方は、是非Crossoverまでご相談ください。
売却をご検討中の方にお読みいただきたい「ハワイ不動産売却のススメ!」シリーズ
Vol.1 今は空前のハワイ不動産売却のチャンス!?
動画
上記の内容を動画にしました。文字より音声派の方はこちらをどうぞ。
※図1〜5と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。