2022年5月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

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成約価格中央値:戸建・コンドともに再び過去最高価格

図1:オアフ島不動産成約価格中央値(1987年〜2022年)
戸建 コンドミニアム
5月の成約価格中央値 $1,153,500 $516,500
前月比 $1,105,000(4.4%増) $510,000(1.3%増)
前年比 $978,000(17.9%増) $457,750(12.8%増)

2022年3月以来1ヶ月振りに、成約価格中央値が過去最高を更新しました。戸建は前年同月から約18%の増加、コンドミニアムが約13%の増加であり、どちらも大幅な伸びとなりました。今年に入って30年固定の住宅金利が約3%から5%台へ上昇し、価格に影響するのではないかとの見方もありましたが、現時点ではまだインフレの影響がそれを上回っているようです。ただ、多くのエコノミストがアメリカ全体の不動産価格がもう直下がるだろうと予測しており、ハワイ不動産は大幅に下がることはなくとも、数ヶ月毎に過去最高を更新するような過熱状態は徐々に落ち着いていくと考えられます。

取引件数:戸建は減少・コンドミニアムは増加

図4:オアフ島不動産取引件数(2019年5月〜2022年5月)
戸建 コンドミニアム
5月の取引件数 344件 688件
前月比 365件(5.8%減) 672件(2.4%増)
前年比 405件(15.1%減) 598件(15.1%増)

取引件数の傾向は昨月と同様です。価格の高騰により、戸建購入を検討していた人がコンドミニアムに流れ、昨年と比較して戸建の取引件数は大きく減少しています。戸建取引は4月から成約件数が減少し、住宅金利の上昇の影響が感じられるようになりましたが、5月はその傾向がさらに顕著となりました。2022年4月の戸建取引件数は前年比2.7%減、5月は前月比15.1%減ですので、戸建のマーケットはこのまま緩やかに落ち着きを取り戻してゆくのではないかと思われます。


2022年4月のハワイ不動産マーケットまとめはこちら!


一方、コンドミニアムは昨年5月と比較して15.1%取引数が増加し、変わらず好調でした。ただ、以下のTitle Guaranty Hawaiiの資料によると、2022年5月にコンドミニアムの取引件数が増加したのはハワイ州内でホノルルカウンティ(オアフ島)だけであり、ホノルルが州内でも特殊なポジションにあることが分かります。


表1:2022年5月カウンティ別コンドミニアム取引件数

市場の物件数:戸建が増加傾向

図5:オアフ島不動産市場在庫数(2019年5月〜2022年5月)
戸建 コンドミニアム
5月末日の在庫物件数 471件 939件
前月比 395件(19.2%増) 917件(2.4%増)
前年比 337件(39.8%増) 983件(4.5%減)

引き続き戸建・コンドミニアムともにリスティング物件数が少なく、高需要/低供給の状態ですが、戸建は少しずつ在庫数が復活してきているようです。今年1月から新しく市場に出される戸建の数は増加に転じており、これに加えて取引数が減少してきたため、購入可能な物件数がより多くなっています。

コンドミニアムの在庫数は先月と比較すると微増ではあるものの、新しく市場に出される物件数は増えておらず、かつ取引件数も増加しているため、昨年比では4.5%の減少となりました。パンデミック以前の通常サイクルでは、5月は最も新規リスティングが多い時期とされていました。ここ数年は異例尽くしで今年がどうなるかは不透明ですが、多いとされる5月でこの数字ですので、ここから年内にコンドミニアム市場在庫物件数が大きく増える可能性は低そうです。

買い手がつくまでの日数中央値:コンドミニアムが短縮

図6:オアフ島不動産成約までの日数中央値(2019年5月〜2022年5月)
戸建 コンドミニアム
5月の買い手がつくまで
の日数中央値
10日間 10日間
前月比 10日間(変化なし) 12日間(16.7%減)
前年比 8日間(25.0%増) 12日間(16.7%減)

戸建を市場に出してから買い手がつくまでの日数中央値は昨月と変わらず10日間、コンドミニアムは2日間短くなり、同じく10日間となりました。これまでの最短記録は戸建が8日間、コンドミニアムが9日間ですので、どちらの市場も非常に速いスピードで動いていることが分かります。

現在CrossoverではEwa Beachのタウンハウスをお預かり/販売中ですが、リスティング開始後すぐに内見の申し込みがいくつも入り、数日中にオファーが来るような状態です。タウンハウスは上の統計ではコンドミニアムに分類されますので、こういったケースが中央値を下げているのかもしれません。日本人バイヤーが好むようなホテルコンドミニアムなどはもう少し余裕を持って検討することが可能です。

一言まとめ!

2022年5月の不動産市場は、戸建とコンドミニアムで大きく結果が分かれました。戸建は価格が上昇したものの取引件数は減少、在庫物件数は増加したことで、狂騒状態から正常化へ一歩踏み出したようです。一方でコンドミニアムは価格が上昇、取引件数は増加、在庫物件数も減少(昨年比)した結果、買い手がつくまでの日数が10日間と更に短縮され、マーケットの過熱状態が継続されました。

住宅金利の上昇により、今後不動産取引数は減少するとの見方が多勢ですが、更なる上昇を見込んだ滑り込みの購入者が一定数いるとの意見もあります。また、米国の6月は日本の4月にあたり、年間で最も移動が多い時期ですので、不動産業界が忙しいシーズンです。おそらくコンドミニアムはしばらく今の状態が続き、ハイシーズンである夏を過ぎてから取引件数が徐々に減少すると思われますが、価格が大きく下がることはなさそうです。

戸建市場は少しずつ購入者に優しい環境になりつつありますが、コンドミニアムはまだ完全に売り手市場と言えます。ご所有のハワイ不動産について売却をご検討の方は、是非Crossoverまでご相談ください。


売却をご検討中の方にお読みいただきたい「ハワイ不動産売却のススメ!」シリーズ
Vol.1 今は空前のハワイ不動産売却のチャンス!?


※図1〜4と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。