ハワイの賃貸市場の今を知ろう

手堅い不動産投資をする上で、必要不可欠な知識の一つに「賃貸マーケット」についてがあります。
ハワイで不動産投資を考える場合も同じ。不動産価格が下がりにくことは定説ですが、果たして賃貸に関してはどうでしょうか?賃貸収入を得るという純粋な不動産投資に加えて、近年は減価償却を使った節税目的としてのハワイ不動産も劇的に増加しています。賃貸マーケットをきちんと把握することは、当然物件選びに必須な情報となるのです。ということで今回は、ハワイの賃貸マーケットについて見ていきたいと思います。

ハワイにおける物件供給と人口増加

賃貸マーケットを見る上で、最重要の指標と言っていいのが物件供給量と人口の関係です。ハワイの人口が増えればそれだけ賃貸のニーズが高まり、物件の供給量が多くなればそれだけ実際に物件を見つけることができる人が増えるわけです。つまり、需要と供給の関係です。

2017年7月現在の統計でハワイ州の人口は約142万人。そのうち約99万人がホノルル市郡*に住んでいます。

ハワイ州全体の人口推移

ホノルルカウンティーの人口推移

データ出典:The State of Hawaii Data Book 2017

*ハワイ諸島のホノルルの都市化区域(ハワイ州最大の都市で州都)を含むオアフ島全体、ニイハウ島、北西ハワイ諸島のミッドウェー島を除く諸島を含んでいる。

2000年代に入ってから、ハワイ州の人口増加は年間約1%、ホノルル市郡は若干穏やかで0.7%程度のペースで人口が増加してきました。しかしグラフからも見て取れるように、ハワイ州の人口は2017年に微量ではありながら減少しています。1959年以来、前年より減少したのはこれが3度目。ホノルル市郡を見れば、2015年をピークに減少傾向に転じているのです。

最新の人口調査をまとめるとこうなります。

1)毎日平均49人が誕生
2)毎日平均34人が死亡
3)外国から移住してくる人数は平均18人/日、国外へ移住する人数より多い
4)州外へ出て行く人数は平均37人/日、州外から引っ越してくる人数より多い

結果として、毎日約3人ずつ人口が減少している計算になるというのです。

ハワイの失業率は全米で一番低く、経済も好調なのになぜ人々はハワイから脱出しているのでしょうか。このトレンドの原因を探るためにも、物件供給の数を見て見ましょう。


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二極化が進む住宅供給

ハワイの物件供給量

データ出典:Honolulu Board of Realtors

これは、価格帯別でマーケットに出ている戸建物件数の月別推移です。毎月の上下はありますが、65万ドル以上の物件は増加傾向にあり、それ以下の物件は総じてとても少ない状態が続いていると言えます。同じような傾向がコンドミニアムにもありますが、ここから、住宅供給が完全に二極化していることがわかります。

2018年9月の戸建の中間価格は$812,500で、2ヶ月連続で過去最高値を更新しており、依然上がり続けています。しかし同時に、低価格帯の住宅の供給は非常に限られているのが現状なのです。土地や労働コストが高いハワイでは、多くの開発は中間または高価格帯でないと採算が取れないため、そもそも低価格帯の新規開発が難しいという問題もあります。結果として、低価格帯の住宅供給は限られ、需要が逼迫して物件価格自体が押し上げられているという構図になっているのです。

通常、このように住宅価格が上昇し続けると、人々は家を購入するのはなく賃貸という選択肢を探すことになります。実際、2016年の人口調査でハワイの持ち家率は57.2%で、アメリカ平均よりも5.9%低く、アメリカ全州のうち3番目に低い値となっていました。つまり、それだけ潜在的な賃貸需要があるのです。

賃料の高さは全米トップクラス

需要と供給のバランスを見る限り、ハワイの賃料が「高い」ということを想像するのは難しくはありません。では、どれくらい高いのでしょうか?

アメリカの不動産ポータルサイト大手のzillowの統計データによると、2018年7月において、ホノルル市郡の1ベッドルーム賃料の中間価格は$1,695、2ベッドは$2,100、そして3ベッドは2,700となっています。

1ベッド $1,695
2ベッド $2,100
3ベッド $2,700

zillowでは、物件タイプによる誤差などをなくし、地域ごとの実質賃料(中間値)を独自に算出しているZRIという数値があります。以下のグラフは最新の2018年7月のZRIを州別のランキングにしたものになります。ワシントンDCを除けばカリフォルニア州に次いで全米で2番目に賃料が高い州に位置付けられているのです。ニューヨーク州やボストンのあるマサチューセッツ州を差し置いて2位です。しかも、月別に過去の数値を見ていくとカルフォルニアを抜いて1位だった月も珍しくありません。この太平洋の真ん中にあるハワイが、全米でトップクラスの賃料とは、改めて驚くべき数値だと思いませんか ?

ハワイの高い賃料

データ出典:https://www.zillow.com/research/

しかしこちらも、これからどうなっていくかというが重要。こちらは参考として、同じくzillowのデータをもとに、2ベッドの賃料の中間価格の推移をグラフにしたものです。

データ出典:https://www.zillow.com/research/

家賃に関しては、いくつかのポータルサイトがそれぞれ統計を発表していますが、何も共通して言えるのは2015年前半をピークに、その後は現在まで横ばいか又は緩やかに減少傾向にあると言えそうです。

大きなインパクトを与えるミリタリーの存在

ここまで見てくると、賃貸ニーズは高そうであること、賃料は高く設定できそうであることなどから、オーナー目線で考えると非常に良い環境のように見て取れます。そして加えて、もうひとつハワイの賃貸需要、さらには経済を支えている大きな要素に、ミリタリーの存在を忘れてはなりません。

ミリタリーがハワイ経済に与えるインパクトは、最新のハワイ州のデータによると、10万以上の雇用創出と約87億ドルもの所得に貢献しており、それらはGDPにおいて約10%を占めています。当然、不動産においても影響も大きく、ハワイには約450,000世帯ありますが、そのうち約194,000世帯が賃貸です。そのうち、10,000~20,000世帯がミリタリーによる賃貸と言われています。つまり、全賃貸物件のうち10%程度はミリタリーがテナントということになります。

ミリタリーには、Basic Allowance for Housing(BAH=住宅手当て)があり、扶養家族の有無やランクによって約$1,500~約$4,000と決められております。オーナーからすれば、このBAHがあるため賃料の滞納不安が少なく、ミリタリー関係者はとても良いテナントとして人気でもあるのです。

 

ハワイにおけるミリタリー人口推移

ミリタリー人員の推移を見ていくと、過去80年代、90年代と緩やかに減少傾向が続き、2009年以降増員が続いています。これはオバマ大統領によるアジア重視政策のため、地政学的に重要なハワイへの増員が続いてきたようです。見方によっては、ミリタリー人員の増減は政治的意思によって常に変更となる、という不確定性をはらんでいる事実は認識していた方が良いかもしれません。

見え隠れするアンバランスさ

もう1つ、興味深い統計があります。

実はハワイでは、2017年1月現在、10,000人に51人がホームレス*と言われています。これはワシントンDCを除く50の州の中でなんと最悪の数字です。経済も順調、失業率も低いのに、同時にホームレスになる人々は増え続けているのです。州外へ出ていく人数が増えてきていると冒頭で記載しましたが、これらの大きな要因は「物価の高さ」にあると指摘されています。住宅価格の高さはすでに触れましたが、加えて電気代も全米1高く、全米平均の倍以上高いようです。ハワイは大陸から離れた島ですので、どうしても輸送コストがかさみ、食品、建材、その他生活必需品全般に高くなってしまうのです。

*The 2017 Annual Homeless Assessment Report (AHAR) to Congress

では、賃金もそれ相当に高いのでしょうか?下のグラフは民間セクターの年平均賃料を表したものになります。全米1高い物価に対し、賃金は全米の平均以下で、州別では下から数えた方が早いという状況です。平均賃金は約45,000ドル。月にして3,750ドルです。

ハワイの賃金は全米の平均以下

これに対して、家賃の平均は2ベッドで2,100ドル。半分以上が家賃で消える計算になります。ローカルに向けた賃貸運営は、どうしてもこのような事実も考えながら検討しなくてはなりません。

一方で、観光客は順調に増え続けています。ハワイを訪問する観光客数は過去7年連続で過去最高を更新し続けています。訪問者数としてはアメリカ本土からが圧倒的に多く、国外からは日本からの観光客が長年一位の座を守っています。ハワイには、ホテルコンドミニアムやバケーションレンタルなどの運用方法があるので、観光客も賃貸テナントとして考えられるのです。もちろん、ローカルへの賃貸と違い、火山や台風などにより影響を受けやすいというリスクもあります。ハワイで不動産投資を検討される場合、どのようなテナント向けの物件を購入するのかで大きく方向性が変わりますので、それぞれのメリット・デメリットをしっかり把握するのがとても大切なのです。

これから購入するには、どのような物件が良いのか?気になる方は是非お問い合わせください。

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