2022年4月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:過去最高だった先月を下回るも依然高水準

図1:オアフ島不動産成約価格中央値(1987年〜2022年)
戸建 コンドミニアム
4月の成約価格中央値 $1,105,000 $510,000
前月比 $1,150,000(3.9%減) $515,500(1.1%減)
前年比 $928,000(19.1%増) $450,000(13.3%増)

戸建・コンドミニアム共に過去最高を記録した先月からそれぞれ数%低下し、4月の成約価格中央値は戸建が$1,105,000、コンドミニアムが$510,000となりました。それでも昨年同月と比較すると戸建が約19%、コンドミニアムが約13%の上昇ですので、価格は変わらず高い水準にあることは明らかです。

昨年と比較して成約価格中央値が大きく上昇している要因は、高需要/低供給やインフレによる物件価格の上昇だけではないようです。下の図2・3は、昨年1〜4月と今年1〜4月の成約件数を価格帯別に比較したものです。左が戸建、右がコンドミニアムです。どちらも、中央よりも少し高めの価格帯が昨年と比較して大きく伸びていることがお分かりいただけますでしょうか。戸建は$1,000,000〜$1,499,999、コンドミニアムは$700,000〜$999,999が突出して増加しており、これが価格中央値を引き上げる大きな要因となっています。

取引件数:戸建は昨年と比較して減少傾向

図4:オアフ島不動産取引件数(2019年4月〜2022年4月)
戸建 コンドミニアム
4月の取引件数 365件 672件
前月比 321件(13.7%増) 672件(変化なし)
前年比 375件(2.7%減) 645件(4.2%増)

取引件数の傾向は昨月と同様です。価格の高騰により、戸建購入を検討していた人がコンドミニアムに流れ、昨年と比較して戸建の取引件数は減少しています。一方でコンドミニアムは変わらず好調です。

前の章(取引価格中央値)でご紹介した図2・3からは、昨年と今年の取引の傾向について、戸建とコンドミニアムの違いを読み取ることができます。戸建は$899,999以下の取引件数が軒並み減少、$900,000以上の全ての価格帯が増加し、はっきりと価格帯による明暗が別れました。今年の戸建の取引は、より高価格帯に集中しているということです。一方でコンドミニアムは全ての価格帯において昨年の取引件数を上回っており、市場でのコンドミニアム人気を窺い知ることができます。

市場の物件数:コンドミニアムが一層減少

図5:オアフ島不動産市場在庫数(2019年4月〜2022年4月)
戸建 コンドミニアム
4月末日の在庫物件数 395件 917件
前月比 360件(9.7%増) 919件(0.2%減)
前年比 381件(3.7%増) 1,133件(19.1%減)

2022年4月も引き続き、戸建・コンドミニアムともにリスティング物件数が少なく、高需要/低供給の状態です。特にコンドミニアムは昨年よりも取引件数が増えているにも関わらず、売却に出される件数は減少しており、より売り手市場の傾向が強まっています。ハワイ不動産の売却をご検討中の方は、ぜひこの機会にCrossoverまでご相談ください。

買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンド共に少し落ち着き

図6:オアフ島不動産成約までの日数中央値(2019年4月〜2022年4月)
戸建 コンドミニアム
4月の成約までの日数中央値 10日間 12日間
前月比 9日間(11.1%増) 9日間(33.3%増)
前年比 9日間(11.1%増) 13日間(7.7%減)

3月、買い手がつくまでの日数中央値は戸建・コンドミニアムともに前月から大幅に短縮されて9日間となり、このまま夏に向けて過熱していくのかと思われましたが、4月のマーケットは少し落ち着きを取り戻したようです。今年に入って米国の住宅ローン金利が上昇しており、これがハワイ不動産市場にもブレーキをかけているようです。30年固定金利は今年1月上旬は約3.1%でしたが、5月1週目には約5.3%まで上昇。これにより、低金利のうちにローンを利用して少し高めの物件を購入しようと考える層が即決を控えるようになったと考えられます。

一言まとめ!

戸建・コンドミニアムともに史上最高の取引価格中央値を叩き出した3月と比較して、4月は穏やかな月となりました。上述の通り、住宅ローンの金利上昇が影響したようです。米国では日本以上にインフレが進んでいますので、不動産価格はこのまま高い水準をキープすると予想され、今後は金利上昇の影響を受ける物件とそうでない物件で分かれていきそうです。高くても良い物件を購入したい、且つローンを組む必要のないバイヤーによる高価格帯物件の取引は引き続き活発に行われるでしょう。一方で、低価格帯の居住用物件は取引数が減少していくものと思われます。

また、4月に条例となったBill41の影響も今後出てくると予想されます。Bill41はホノルルの短期レンタルに関する規制を定めた条例で、物件によっては今後の取引にも影響が出る見込みです。エリアや物件、場合によっては1つのコンドミニアム内でもお部屋によって状況が異なりますので、今後ホノルル不動産の購入・売却をなさる方は慎重にご検討いただく必要がありそうです。Crossoverでは提携するレンタル会社より常に最新の情報を仕入れていますので、今後についてご不安のある方はぜひ一度ご相談ください。


Bill41の詳細は以下の記事をご覧ください。
ホノルルのバケレンに大激震!Bill 41について概要解説!


※図1〜4と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。