これまでの施工例をいくつかご紹介いただけますか。

＜ESTILE　友田社長＞
1つ目はANAHAのお部屋です。これはハワイのイメージを全面に出したデザインですね。壁紙にもハワイをイメージした花や植物があり、お部屋に入った瞬間にハワイを感じられるようにしました。若干モダンも入って色を少し抑えつつ、ハワイらしいお部屋に仕上げました。籐を使った椅子もハワイの空気に馴染みやすいと思います。

こちらのお部屋は小物、リネン、テーブルウェアも全てESTILEでコーディネートしました。ご要望があればこのようにフルパッケージでセットすることも可能です。ホテルに行った感覚でご滞在いただけるというスタイルです。

＜ESTILE　友田社長＞
こちらはPark Laneのお部屋で、北欧とモダンを組み合わせたスタイルです。ダイニングテーブルは木を使い、椅子にはレザーも入れました。大理石を使ったテーブルや少し特殊なテキスタイルを使い、スタイリッシュなデザインでまとめまています。「ハワイには頻繁には行けないので、行った時はゆっくりできるように物を少なめにスッキリと」というお客様のご要望でした。細かなリクエストはなかったので、ESTILEのデザイン提案が大きく反映された施工例です。

ここで使ったクローゼットシステムはRimadesioというブランドで、この時の施工がハワイ初上陸となったクローゼットです。大きな物件でクローゼットも広かったので、Zenitという商品を入れました。小物も整理でき、スタイリッシュな収納が可能です。こちらの物件はお住まいになるのではなくご滞在用とのことでしたので、ハンガーでの収納で容量面も問題なく、お客様にも喜んでいただけました。色は落ち着いたブラウンとベージュがベースですが、窓の外のハワイらしい景色とうまく融合したと思います。

＜ESTILE　友田社長＞
こちらもPark Laneで、5人家族のお客様の物件です。お子さんがまだ小さいので、お子さんがリビングを動き回ったり家族のコミュニケーションが取りやすいよう、スペースを広く空けたいというご要望でした。

子供部屋には子供用デスクを2つ造作しました。リビングに設置した、収納も兼ねた壁面tvボードは高さ2mと横7mです。大きな家具ですが、白でスッキリとした印象ですね。ダイニングの照明はスペインの新作です。通常はレストランで使うようなものなんですが、敢えてダイニングに設置しました。これもハワイ初上陸で、日本でも当時はまだ取り扱いがありませんでした。施工が難しかったのですが、現地の職人さんと入念な打ち合わせをして、1mmの狂いなく設置することができました。

＜ESTILE　友田社長＞
どれもモダンという1つの枠ですけれども、テクスチャーや使う木などでハワイの地でどのように変わるのか、というところですね。

日本人はやはり木が落ち着きますので、私たちのデザインには必ず木を入れるんですが、そこにスチールや大理石を融合させることで、お客様のオリジナルのスタイルを創り上げるようにしています。

＜ESTILE　友田社長＞
日本の品質と比べてはいけないと思うんですが、やはり地震が多い日本とは技術や考え方が違うと感じることはありますね。

正直なところ、職人の経験値も多少違うと思います。とはいえ、やはり職人ですから、我々の方で考えていることをしっかりと図面化してコミュニケーションを取ることでその差異は解決できます。日本で培った技術や施工方法はこちらから伝えて、「こうした方がいいんじゃないか」と提案して一緒に作り上げるというのが大事だと考えています。

例えば先ほどご紹介したダイニングテーブルの上の照明なども、逆にアメリカの方がリスクヘッジの厳しいルールがありますから、一緒に施工方法を考えました。その結果、満足できる仕上がりになっています。

経験の差が技術面に現れて、日本のクオリティに及ばないと感じる点はありますが、それが仕上がりに影響しないよう、設計者と施工者が綿密に打ち合わせてコミュニケーションを取りながら良いものを一緒に作り上げていきます。これまでの経験で私たちにはそのノウハウがあります。また、施工会社の選定を慎重に行うことも大事ですね。

＜ESTILE　友田社長＞
日本のお客様がハワイにいけないということは、やはりビジネスとしては影響があります。

ただ、不動産は資産ですから、これをチャンスと考えてお部屋のリニューアルをして、資産価値を上げる方もらっしゃいます。しばらく行かないからちょうどいいということですね。コロナの期間を上手く使ってお部屋を新しく、綺麗にするというのは良いアイディアだと思います。

＜Crossover＞
アメリカ本土、特にカリフォルニアやサンフランシスコの富裕層がハワイに不動産を購入して、本土と比較してコロナが落ち着いているハワイでリモートワークをするという流れが見られます。今後日本人も同様に「ワーケーション」というスタイルを選択する方が増えてくるかと思いますが、お客様からそのようなご要望はありますか。

＜ESTILE　友田社長＞
それは最高の仕事の仕方ですね。笑

自分がハワイに行った際は当然仕事もしますので、実はこれまでの我々のデザインには大概、仕事ができるスペースが入っていました。例えば、収納家具と一体化したデスクや化粧台として使える製品などのご提案です。

ただ、これまではスタジオように仕事のための空間を作っていましたが、これからはリビングにもワークスペースが欲しいというリクエストが増えてくるかもしれませんね。

＜ESTILE　友田社長＞
そうですね。
ハワイ不動産の家具でお困りになって、日本で家具を一式買ってコンテナで持っていくという方もいらっしゃいましたね。でもそうすると日本とハワイで二重に消費税がかかってしまうんですよね。
あとはご自身で色々と買ってみたけど統一感がない、という話はよく聞きます。ハワイにももちろん家具屋さんはたくさんあるんですが、在庫切れや欲しい色がないなど、滞在期間中に理想通りに揃えることは難しいようです。

ハワイ不動産の家具は、「1年に1回の海外旅行だから良いホテルで過ごそう」ということと同じだと私は考えています。休暇のために訪れるハワイですから、納得できるものに囲まれて、ご自分に合った空間で過ごすのが一番快適なのではないかと思います。