2023年5月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:戸建て・コンドともに前月より上昇

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年〜2023年)
戸建 コンドミニアム
5月の成約価格中央値 $1,109,000 $505,000
前月比 $999,995(10.9%増 $500,000(1.0%増
前年比 $1,153,500(3.9%減) $516,500(2.2%減)

2023年5月、オアフ島の戸建て・コンドミニアムはともに前月を上回る成約価格中央値を記録しました。特に戸建ては1つのラインとなる$1Mを再び上回り、$1,109,000となりました。一方で昨年同月と比較すると、戸建て・コンドミニアムともに数%ながら下回る価格となっています。

ただ、比較対象となっている2022年5月は戸建てが史上最高の成約価格中央値($1,153,500)を記録した月でもあり、「下回る」とは言っても・・・という状況です。下のグラフ2は直近3年にフォーカスした成約価格中央値の推移です。戸建てもコンドミニアムも大きな価格変動はなく、高止まりの状態であることが分かります。

グラフ2:オアフ島不動産-成約価格中央値(2020年5月〜2023年5月)

取引件数:戸建・コンドともに増加傾向

グラフ3:オアフ島不動産-取引件数(2020年5月〜2023年5月)
戸建 コンドミニアム
5月の取引件数 262件 438件
前月比 208件(26.0%増 420件(4.3%増
前年比 344件(23.8減) 688件(36.3%減)

今年に入って増加傾向にあった取引件数が4月に落ち込み、「今年から(夏に取引件数が上昇する)通常のサイクルに戻る」という期待が裏切られたかと思われましたが、5月は持ち直したようです。戸建ては前月比26.0%、コンドミニアムは4.3%の増加となりました。

ただ、以下のグラフ4から分かるように、5月末日にエスクローに入っている物件数(買い手がついて契約手続き中の物件数)は戸建てが減少、コンドミニアムが増加していますので、来月以降はそれぞれ明暗が分かれそうです。

グラフ4:オアフ島不動産-手続き中件数(2020年5月〜2023年5月)

市場の物件数:戸建・コンドともに低供給

グラフ5:オアフ島不動産-市場在庫数(2020年5月〜2023年5月)
戸建 コンドミニアム
5月末日の在庫物件数 543件 1,118件
前月比 535件(1.5%増) 1,144件(2.3%減)
前年比 471件(15.3%増) 939件(19.1%増)

過去約半年、市場の物件数は非常に緩やかな減少傾向です。以下のグラフの通り新しく市場に出される物件数は増加傾向ですが、今年に入って成約件数が増えたことにより、市場に残る物件数が減少しています。物件価格は昨年と比較して低目ですが、市場の物件数が少ないことで、依然として売り手市場が保たれています。

市場の物件数を成約物件数で割って得られる数字が6を下回れば売り手市場、上回れば買い手市場とされています。2023年5月の数字で計算すると約2.6となりますので、数字上でもまだ完全に売り手市場といえます。

グラフ6:オアフ島不動産-販売開始物件数(2020年5月〜2023年5月)

買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに約20日

グラフ7:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2020年5月〜2023年5月)
戸建 コンドミニアム
5月の買い手が
つくまでの日数中央値
21日間 20日間
前月比 24日間(12.5%減 20日間(変化なし
前年比 10日間(110.0%増) 10日間(100.0%増)

2023年5月、物件が市場に出されてから買い手がつくまでの日数は戸建てが21日間、コンドミニアムが20日間となりました。昨年同月はどちらも10日間でしたので、買い手がつくまでに約2倍の日数を要していることになります。ただ、成約物件の半数が20日以内に契約手続きに入ると考えると、決してゆとりのあるマーケットではありません。

一時期は大幅に日数が伸びましたが、ここ2-3ヶ月はまた日数が短くなってきており、この夏どのように動いていくのか注目が集まっています。

一言まとめ!

2023年5月のハワイ不動産市場は全般おいてこれまでの傾向を引き継ぎ、大きな変化は見られませんでした。価格も取引件数も前月より上昇/増加し、市場は夏に向けて盛り上がっていく兆候を示しています。

一時は成約価格が販売価格を下回る割合が増えていましたが、現在は成約価格が上回る割合が上昇しています。5月は戸建て・コンドミニアムともに成約物件の約45%が、販売価格もしくはそれを上回る価格で成約に至りました。Crossoverでお預かりしているリスティング物件(売り物件)も順調にご成約が続いており、売り手市場を体感する初夏となっています。

日本ではコロナに関する規制がようやく緩和され、この夏は現地での内見、ひいてはご購入の増加があるかと期待されていましたが、円安が再び大きなネックとなりそうです。6月末日の午前、約7ヶ月半ぶりに1ドル145円台を記録し、日本人バイヤーには先行き不安な夏の幕開けとなりました。ワイキキでは既に日本人旅行者が少しずつ増えていますが、不動産関係者は夏本番となる7月・8月の為替の行方に注目しています。

売り手市場と円安が重なり、日本人投資家の多くは売却を検討していらっしゃるかと思いますが、金利と価格の上昇により、買主の判断基準が以前よりも厳しくなっていると指摘する不動産エージェントもいます。予算の上限ギリギリの物件を検討しているバイヤーにとって、少しの不備でも購入を断念する材料になりうるということです。

これに関しては当然物件の良し悪しがまず肝要ですが、事前の用意やネガティブな点の伝え方、価格や条件の交渉で交渉決裂を免れることもあります。その際に重要なのはやはり不動産エージェントの経験値です。Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜7と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。