全ての指標が上向き！

ハワイの不動産市場は2021年3月、前月に引き続き非常に順調な月となりました。以下の表1・2は、先月のオアフ島の不動産市場について主な指標をまとめたものです。戸建て、コンドミニアムの両方において、成約件数、成約価格中央値、成約価格総額が前年同月を上回っていることが分かります。

上の表で比較対象となっている2020年3月は、まだハワイ不動産市場にパンデミックの影響が及ぶ前ですので、「比較対象が低いために2021年3月がよく見える」という事がご理解いただけると思います。

成約件数 – 大きく増加

好調を示す具体的な数字として、戸建て・コンドミニアム両方の取引件数がそれぞれ昨年同月比19.1%、52.7%の増加となりました。下の表は2019年4月からの取引件数の推移を表した表です。特にコンドミニアムは、過去2年間の各月と比較しても圧倒的な件数です。

成約価格中央値 – 過去最高を記録

2021年3月の数字で特に注目を集めたのは、戸建ての成約価格中央値です。戸建ての成約価格中央値は3ヶ月連続で最高額を更新し、3月の$950,000は現時点で過去最高の数字となっています。昨年同月の$810,000と比較して17.3%の上昇、先月の$917,500を3.5%上回りました。

下の表4は2019年4月からの成約価格中央値の推移を示しており、緑が戸建て、黄色がコンドミニアムです。戸建ては昨年半ばから緩やかに上昇を続けていることが見て取れます。需要が高く競争が激しいために、適正な価格で市場に出された物件は早々に買い手がつくということです。

供給を上回る需要

昨年から続く傾向ではありますが、依然として戸建て・コンドミニアムともに需要が供給を上回っている状態です。これは市場に出てから成約までの期間の短縮、売主提示価格に対する成約価格から読み取ることができます。

下の表5は物件が市場に出てから買主が決まるまでの日数をまとめたものです。戸建ては9日間、コンドミニアムは14日間と、これまでと比較して買い手がつくまでの日数が短くなっていることが分かります。需要が高く競争が激しいために、適正な価格で市場に出された物件は早々に買い手がつくということです。

また、2020年3月と比較して、売主の提示価格よりも高く成約した戸建てとコンドミニアムは、2020年3月と比較して約3倍となりました。2021年第1四半期、売主の提示価格よりも高く成約した戸建ては全体の50％を占めました。ご参考までに、昨年同時期は約19%でした。コンドミニアムは2021年第1四半期、売主の提示価格よりも高く成約したのは全体の29%、昨年同時期は10%でした。このことからも、現在のハワイ不動産マーケットは売り手市場であることが分かります。

この状況を見て、良い価格で売れることを期待した売主が物件を市場に出す動きがあるようです。2021年3月に新しく市場へ出された物件は戸建てが439件（昨年同月は390件）、コンドミニアムが981件（昨年同月は581件）と、いずれも昨年同時期を大きく上回っています。

ただ、それでも需要の高さには追いついていません。昨年よりも多くの物件が市場に追加されたにも関わらず、購入可能な物件数（まだ買主が決まらない物件数）は下の表6の通り、戸建てが752件（昨年同月は1227件）、コンドミニアムが1881件（昨年同月は2274件）であり、昨年同時期を下回っています。