ホノルルのバケレンに大激震!Bill 41概要解説!- 10月25日追記

10月25日:「1.最新情報」更新しました
10月25日:「2.3.進捗」を更新しました
10月25日:「3.3.有効日」を更新しました
10月25日:「4 TVUの登録:10月25日追記」を更新しました


昨年からホノルルの不動産・バケレン業界の大きな反発を受けながら審議が進められてきたBill41が、ハワイ時間4月26日、市長の署名によってついに条例(Ordinance 22-7)となりました。本条例は、ホノルルで不動産を貸し出す日本人オーナーにも大きな影響を与えるものですので、条例の概要と現在の状況をご紹介します。

最新情報

宿泊最低日数に関する変更について暫定的な差止命令

Bill41/Ordinance22-7公布直後、条例の「アパートメントエリアの最低宿泊日数を30日から90日に変更する」という点について、HILSTRA(バケーションレンタル会社が中心となった団体)が差し止め請求訴訟を提訴し、これまでヒアリングが行われてきました。10月13日、上記の争点について裁判所よりCity and County of Honoluluに予備的差止命令が発令されました。これにより、当初施行日として設定されていた2022年10月23日以降も、当面の間、最低宿泊日数30日のバケーションレンタルを継続できることとなりました。

この命令によって「アパートメントエリアの最低宿泊日数を30日から90日に変更する」という条例が改正されたわけではなく、裁判所より新たな指示が出されるまでの暫定的な差し止めではありますが、Bill41/Ordinance22-7に関する訴訟終了までの期間(おそらく数年間)は現状を維持することができる見込みです。

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ー判決等の詳細はこちらをご確認ください。ー

TVU登録受付開始

Bill41Ordinance22-7では、ワイキキリゾートエリア内で30日未満の賃貸を行う物件は、ホテルのレンタルプログラムに加入しているかNUC(Non-conforming certificate)と呼ばれる許可証を所有していない限り、TVU(Transient Vacation Unit:30日未満の短期を行う賃貸物件)としてホノルル市に登録が必要となると定められています。施行日の2022年10月23日が近づく中、これまで一向に詳細が公表されず、関係者からは強い不満の声が上がっていましたが、2022年10月24日ついに登録の詳細が発表され、登録が開始されました。

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ー登録の流れや必要書類等の詳細はこちらをご確認ください。ー

基礎知識:オアフ島での不動産賃貸

Bill41/Ordinance 22-7はオアフ島の短期賃貸に関する条例ですので、まずは簡単にオアフ島の短期賃貸についてご説明します。

賃貸の種類

短期賃貸とは90日未満の不動産の賃貸を指します。短期賃貸にはホテル、バケーションレンタル、B&B(Bed & Breakfast)の3種類があります。ホテルは、ホテルコンドミニアムのユニットオーナーがホテルのレンタルプログラムを通して、1日単位でお部屋の貸し出しを行うものです。リッツ・ワイキキやトランプ・タワーなどがここに該当します。

バケーションレンタルをする物件は「Transient Vacation Unit(以降TVU)」と呼ばれ、家具付きのコンドミニアムや戸建て、タウンハウスなどをレンタル会社通したり、自身で集客して賃貸をします。貸し出し可能な最低日数については規制があり、エリアや物件によって30日が最低日数である場合と、30日未満の貸し出しが可能な場合があります。

B&B(Bed & Breakfast)は日本在住のオーナー様にはほとんど関係のないものですが、戸建の所有者が30日以下の期間、その一部を賃貸することを指します。オーナーまたは貸し出す人が、同じ不動産内に居住している必要があります。

エリア毎の条件

オアフ島の全ての地域はエリア分けされており、それぞれのエリアに不動産賃貸に関する規則があります。例えば、1日単位のお部屋の貸し出しが認められているのは「RESORT MIXED USE PRECINCT(リゾートエリア)」と呼ばれるエリアのみです。これまでの条例でこのエリアに指定されていたのはワイキキの一部、コオリナ、クイリマ(タートルベイ・リゾート)、カハラ、マカハ、エワ、ライエです。ご参考までに、現在日本の方に人気のWard Villageも賃貸が可能ですが、短期賃貸は認められておらず、最低貸し出し日数は180日です。

特例:Non-Conforming Use Certificate

上記の通りエリアによって貸し出しの日数に規制がありますが、「Non-Conforming Use Certificate(NUC)」と呼ばれる証明書を持つユニットは、そのエリアの規制に縛られることなく、1日単位のレンタルが可能です。1990年まで申請によってこの証明書を取得することができましたが、1990年9月を最後に新しい証明書は発行されていません。

ホノルル・カウンティでは有効なNUCを所有するユニットの一覧を公表しています。現時点では約800のユニットに有効な証明書が出されているようです。

積年の課題

観光が主な産業であるハワイでは、観光客相手の短期賃貸が盛んです。賃貸を副業としたり、老後の収入源にする人も多数います。一方で違法なレンタルも多く、長年問題となっています。居住用エリアでの違法な短期賃貸について、観光客による騒音、ゴミ問題、路上駐車などに不満を抱く現地の人々は多く、取り締まりの強化を希望する声があります。また、都心部でも多くの物件が短期レンタルに出されることで、地元住民が賃貸できる物件が減り、住宅事情を悪化させているとの指摘もあります。

この状況を改善するため、違法な短期賃貸を取り締まるための条例Bill89/Ordinance19-18が制定されました。しかしながら、取り締まりを実施するための資金と人材が不足しており、条例が機能しているとは言い難く、現在も違法な短期賃貸は数多く運営され続けています。

Bill41/Ordinance22-7とは?

目的

前置きが長くなりましたが、上記を踏まえてBill41/Ordinance 22-7についてご説明します。Bill41/Ordinance 22-7はオアフ島での短期賃貸について新たな規制を課す条例です。法案の提出者は、条例の目的を以下のように説明しています。

(1)違法な短期賃貸を取り締まることで、ハワイの人々の生活を圧迫する不動産の高騰と供給不足を改善する。
(2)短期賃貸の利用者による騒音、路上駐車、ゴミ問題等を解決することで、地元住民の生活環境を守る。
(3)機能していないBill89/Ordinance19-18を補足する条例を制定する。

主な変更点

これらの目的を達成するために、Bill41では短期賃貸の内、TVUとB&Bについて厳しい規制が導入されました。
(1)リゾートエリア以外の地域では、原則として短期賃貸は不可(NUCを持つユニットのみ可能)
(2)リゾートエリア内で短期賃貸を行う全てのユニットは、ホノルル市への登録と毎年の更新が必要
(3)これまで賃貸の最低日数が30日間だったエリアでは最低日数を90日間に引き上げ

(1)と(2)は、ホテルのレンタルプログラムを通した賃貸には適用されません。上記の内容を簡単に表にまとめると以下の通りです。

変更前 変更後
リゾートエリア内の30日以下の賃貸 手続きの必要なし 登録と毎年の更新が必要
アパートメントエリアでの賃貸 最低30日 最低90日
ゴールドコーストでの賃貸 最低30日 最低90日

有効日:10月25日追記

Bill41はハワイ時間2022年4月26日にホノルル市長が署名し、条例となりました。施行日は署名の180日後ですので、2022年10月23日です。

しかしながら冒頭の「最新情報」に記載した通り、「アパートメントエリアの最低宿泊日数を30日から90日に変更する」という点については暫定的な差止命令が発令されましたので、裁判所から次の命令が発令されるまでは現状のまま、30日間での集客・賃貸を継続することができます。今後もしHILSTRAが差止請求訴訟に敗訴した場合、これまで最低日数30日で賃貸をしていたユニットは(1)賃貸を停止する、(2)90日以上の賃貸へ移行する、(3)リゾートエリア内であればTVU登録、のいずれかの対応が必要となります。

「30日間未満の賃貸を行う物件(NUC所有物件・ホテルユニット以外)はTVU登録が必要」という点については、当初施行日を過ぎての登録開始となり、現在有効日が不明確な状態です。ホノルル市長が2022年10月22日の会見で10月24日に登録を開始する旨を発表した際には、記者から猶予期間の有無について質問され、状況を見て判断すると回答しています。承認が下りるまでの期間、短期レンタルの継続が可能であるか、担当局(Department of Planning and Permitting:DPP)は言明していません。建築許可など、DPPは審査・承認プロセスの遅さに定評があり、また今回は一斉に多くの申請が出されることが確実ですので、TVU登録には非常に時間がかかるのではと懸念されています。現在30日未満の賃貸をしていらっしゃる方は早急なお手続をお勧めします。

TVUの登録:10月25日追記

リゾートエリア内で短期賃貸を行うユニットは全て、ホノルル市が提示する条件を満たし、TVUとして申請、承認される必要があります。条件は一定額以上の保険加入や各種書類の提出などで、準備にはまとまった時間が必要となりそうです。登録料は$1,000、毎年の更新料は$500です。条例によると、施行日以降は承認時に与えられる承認番号を掲載しないと集客を行うことができません。また、所有者が変更される度に新たに登録が必要です。

尚、ホテルのレンタルプログラムを通してレンタルをする場合、登録の必要はありません。イリカイ・ホテルやパシフィック・モナークなど、リゾートエリアにはホテルユニットとTVUが混在する物件がありますが、これらの物件ではTVUのみ登録が必要となります。

登録の流れ

1. ウェブ上の申請ページにて必要な情報を入力します。

2. 書類をアップロードし、規則を確認します。ここまで登録した内容が正しいことを確認し、支払い方法を選択します。必要書類の詳細は次の項目をご確認ください。

3. 登録料$1,000を支払って登録します。登録料の支払いはカードまたは小切手から選択可能ですが、登録までの所用時間と手数料が異なります。
<カード>約48時間(2営業日)で条件付き承認・3%の手数料が発生するため、合計$1,030の支払い。
<小切手>約3-5週間で条件付き承認・手数料なし。

2. 手続完了画面が表示された直後、登録したメールアドレスに手続完了メールが届きます。DPPによって支払いと提出物、登録内容の確認後、条件付き承認が与えられます。条件付き承認はEメールにて登録番号ともに通知されます。広告を出す際は必ずこの登録番号が必要です。登録番号を受領次第、最終承認を待たずに物件の広告・予約募集を開始することができます

3. 書面にて最終承認の証明書が発行されます。

登録時に必要なもの

費用

登録料$1,000(カードまたは小切手)

情報

1. Tax Map Key Number(ご不明な場合はこちらから検索可能です。)
2. 物件の寝室数
3. 収容可能な最大人数(Bill41/Ordinance22-7で定められた人数を超えないようご注意ください。)
4. 集客プラットフォームとそのURL
5. 賃貸の種類(B&BかTVUか)
6. 所有者の氏名・電話番号・Eメールアドレス・住所
7. 所有権の種類
8. 賃貸に関する運営管理者の氏名・Eメールアドレス・住所

書類/電子データ

1. 提出する書類が全て正しく、規則に則って賃貸を運営するという宣誓書
2. 登録日の30日以内に取得したTitle Report(登記謄本。物件の所有者全員が記載されており、登録日に30日以内に発行されたものであればどのような形式でも構いません。)
3. 登録する物件が、管理組合等によって30日未満の賃貸が許可されていることを示す書面
4. B&Bのみ:固定資産税の住宅控除を証明するもの
5. 有効なハワイ州GET(General Excise Tax:売上税)ライセンス
6. 有効なハワイ州とホノルル市のTAT(Transient Accommodation Tax:短期宿泊施設税)ライセンス
7. 限度額$1,000,000の企業総合賠償責任保険を証明するもの
8. 以下の資料をまとめたファイル
   a. 物件の位置、各寝室の最大収容人数、非常口の位置が分かるフロア図面/間取り図。
   b. 使用可能な駐車場の位置と区画番号。
   c. ゴミの収集の日時と処理方法に関する情報
   d. 22時〜翌7時までは静かに過ごす旨を定めたハウスルール
   e. 24時間対応可能なオーナー又は運営者の緊急時連絡先・緊急電話番号としての911・ハワイ州緊急マネージメントのウェブサイト情報のリスト

影響を受けるエリア

リゾートエリア、アパートメントエリアと聞いてピンとこない方は、下の地図をご参照ください。ピンクがワイキキのリゾートエリア、薄い橙色がアパートメントエリアです。ピンクのエリア内であれば、市に登録をすることで短期賃貸を継続可能、薄い橙色のエリア内の場合、施行日以降は90日以上の賃貸のみとなります。

一点ご留意いただきたいのは、冒頭の基礎知識でご紹介した「Non-Conforming Use Certificate(NUC)」です。この承認はBill41施行後も有効です。NUCを持つ物件のほとんどはアパートメントエリアに存在しますが、NUCがあれば施行日以降も引き続き30日未満の賃貸が可能です。


City and County of Honoluluウェブサイトより引用

ワイキキのリゾートエリア以外で、1日単位の短期賃貸が可能なエリアは以下の3つです。画像はクリックで拡大します。

こちらのマップにて物件住所を入力することで、物件が30日未満の賃貸が可能なエリアに位置するのか確認することができます。マップ上の黄色のエリアであれば、30日未満の賃貸が可能です。

エリア別要点まとめ

上でご説明したワイキキ・リゾートエリアとアパートメントエリアについて、要点をまとめます。

Waikiki Resort Zone

コンドミニアムの例 Ilikai Marina
Marine Surf
Waikiki Shore
90日未満の賃貸 可能
・TVUとして登録が必要(初回登録費用:$1000・年間費用:$500)
・TVUとして情報の提供が必要
・保険:$1,000,000以上の保険加入が必要
・固定資産税:Resort Tax Class(Residentialより3-4倍高い)
・その他:煙探知機の設置・納税証明書の提出などが必要
90日以上の賃貸 可能
・90日を超えて賃貸契約を更新する場合、1月単位の更新
・90日以下の賃貸(TVU)へ切り替える場合、変更料が発生
・固定資産税:Residential tax class

Waikiki Apartment / Apartment Mixed-Use Zones

コンドミニアムの例 Fairway Villa
Waikiki Park Heights
Allure Waikiki
Island Colony
Monte Vista
Chateau Waikiki
Royal Kuhio
90日未満の賃貸 不可
※ただし、有効なNUCを持つユニットは可能
例外
以下の2物件はTVU登録をして短期賃貸が可能
Waikiki Banyan
Waikiki Sunset
90日以上の賃貸 可能
・90日を超えて賃貸を更新する場合、1月単位の更新
・固定資産税:Residential tax class

ワイキキのホテルコンドミニアム

ホテルコンドミニアムは、前述の通りホテルが提供するレンタルプログラム(賃貸契約)を通した賃貸に限り、現状のままTVU登録をせずに短期賃貸が可能です。ホテルの定義は、短期滞在者用の客室・ロビー・フロントデスクが同じ建物内にある、24時間スタッフが常駐している、宿泊者の記録を保存している、などが挙げられます。これ等を満たしていない場合はホテルに分類されず、今回の規制の対象となることがあります。

例えば、現在Waikiki Shoreにはホテル会社のOutriggerが管理するユニットと、その他のバケレン会社が管理するユニットがあります。Outriggerはホテル会社でもありますので、一見、Outriggerが管理するユニットはこのままホテル運営としてTVU登録が必要ないように思われますが、OutriggerはWaikiki Shore内にフロントデスクを持っていませんので、ホテルとは見なされないようです。Bill41の有効日以降にWaikiki Shoreのお部屋を短期賃貸する場合、TVUの登録が必要だと考えられています。

ホテルを通した賃貸のみ 現状のまま賃貸可能

Trump Tower Waikiki
Ritz-Carlton Waikiki
ホテル運営とバケレンが混在 ホテル運営のユニットは現状のまま賃貸可能
バケレンユニットはTVU登録が必要

Ilikai Hotel
Waikiki Beach Tower
Bamboo Waikiki

バケレン業界が提訴

本条例はホテル業界に大きく利する内容であり、法案が提出された当初からバケーションレンタル会社や、TVUのオーナーは激しく反発してきました。今回の条例成立を受け、ハワイのバケーションレンタル会社を中心に団体(Hawaii Legal Short Term Rental Alliance:HILSTRA)を結成し、2022年6月9日に提訴、7月10日に差し止め請求を行いました。

争点

訴訟を起こすにあたって、4月末時点で検討されている争点は以下の2点でした。しかしながら、5月に入って「最低日数30日間から90日間への変更」に争点を絞る方針に変更されました。実際に提訴した内容も、この点が主な争点となっています。

・最低日数30日間から90日間への変更は違法
オアフ島のゾーニング(エリア分け)とゾーン毎の規制内容はハワイ州によって決められたものですので、ホノルル・カウンティがそれに反する条例を作っても無効であるという指摘です。

・180日の猶予期間は違法
仮に最低日数30日間から90日間への変更が合憲であると認められた場合、変更前の条件でローンを組んだり投資をした人を考慮し、少なくとも5年間は移行期間を設ける必要があります。今回の条例に関する猶予期間が180日しかないのは違法であるという指摘です。

進捗:10月25日追記

・最低日数に関する提訴
条例の施行日と有効日に関して、本来は施行日から180日間の猶予期間を経て有効日を迎えるはずが、規制を管轄する行政機関(Dpartment of Planning and Permitting)は当初、施行日から有効となる旨の案内をしていました。今回の提訴で指摘を受けてこれが撤回され、施行日の10月23日から猶予期間180日後の2023年4月22日が有効日と訂正されました。これにより、訴訟、差し止め請求の結果に関わらず、2023年4月22日までは現状のまま30日間の賃貸が可能です。

・最低日数変更に関する差し止め請求
アパートメントエリアにおける賃貸の最低日数が30日から90日へ変更される事について、9月8日に公判が行われ、10月13日に予備的差止命令が発令されました。判決が下るまでの期間は現状の通り、最低日数30日の賃貸の継続が認められると考えられます。訴訟を担当した裁判官は、短期賃貸の最低日数を90日間に引き上げることは既存の土地利用に関する州法(HRS § 46-4)に反すると指摘しています。

ホノルル市側の、短期賃貸は前述の州法によって保護される居住利用には当たらない(短期賃貸はホテル等と同様に、不動産投資などが関わる商業的な利用である)という主張に裁判官は、短期賃貸では占有者の入れ替わりが頻繁であることは確かだが、占有者の目的が居住であることは明らか。ホノルル市の弁護士の理論では、投機・投資目的で所有されている不動産の賃貸は期間にかかわらず全て商業利用ということになる、と反論しました。

ホノルル市は、30-89日間の賃貸は投機的なビジネスリスクであって、既得権とは言えないとしましたが、裁判官は30日間の賃貸は既存の法に則った使用であり、ゾーニング条例が廃止できない既得権と見なされるとしました。また、最低日数が変更されても発生する損害は物件所有者の経済的なダメージのみで、予備的差止命令を発令する理由にはならないとの主張については、経済的なダメージ以外にも短期賃貸を必要としている様々な状況の人へのダメージがあるという原告の主張が支持されました。

この他の詳細は判決文(英語)からご確認いただけます。

・妥協案の検討
7月に原告側弁護士と被告側弁護士によって、妥協案に関する協議が行われました。本条例で影響を受ける、30日間で賃貸をしているオーナーに新たにNUC(短期レンタルの証明書:本記事1.3)を発行する、などの案が出されましたが、これに関してはホノルル市長の判断が必要とのことで、現時点で確定したものはありません。

訴訟団体はバケーションレンタル業界に明るく実績のあるGreg Kugle氏を弁護士として雇用しており、そのKugle氏によると勝算は高いとのことです。実際にメインランドで同様の条例が訴訟によって無効となっており、勝訴の見込みは十分ありそうです。HILSTRAでは現在、訴訟費用の寄付を募っています。本条例によって影響を受けるExpediaやAirB&Bもこれに賛同し、訴訟費用を支援しています。以下より詳細の確認と寄付をすることができます。


Hawaii Legal Short Term Rental Alliance(HILSTRA):FACEBOOK
訴訟費用の寄付:お支払いページ


ハワイ不動産購入を検討中の方へ

ここまでお読みになった方は、投資物件としてのバケーションレンタルユニット購入はリスキーだと感じられたことでしょう。しかしながら、実は必ずしもそうとは言い切れません。

先述の通り、ハワイでは違法な短期賃貸ユニットが数多く運営されており、これまで大きな問題となっていました。今回の条例施行でこれらの違法な物件が市場を追放されれば、限られた数の短期賃貸ユニットに大きな需要が集中します。観光客はホテルとは違うバケーションレンタルユニットの良さを既に知っていますので、バケーションレンタルユニットの稼働率は非常に高くなることが予想されます。また、米国ではインフレが続いており、シーズン毎に5%ずつ宿泊料が上がっているような状況です。 ハワイの短期賃貸も今後順調に賃料が上がることは確実です。

Bill41の今後についてまだ不確定な要素がある現在、一番重要な点は物件選びです。上記でご紹介した通り、規制の例外となる物件や、同じ物件内でも適用される規制が異なる場合があります。折角ハワイ渡航も楽しめる状況となった今、ハワイ不動産購入を検討中の方はここで諦めず、是非私どもまでご相談ください。提携するレンタル会社から入る最新の情報を元に、それぞれの状況に最善な物件をご案内させていただきます。

現在バケーションレンタルユニットをご所有の方のためにも、Crossoverでは今後の状況を注視し、適宜情報をアップデートしていく予定です。本ウェブサイトやFacebookInstagramで情報を発信していきますので、是非ご確認ください。