日本の運転免許でハワイの免許も取れる??
2018年12月20日から、日本の運転免許を持っていれば、ハワイ州の運転免許申請の際に筆記試験と実技試験が免除されるということになりました。筆記と実技が免除ということは、実質申請すればハワイ州の免許が取れてしまうということでしょうか?
ハワイではレンタカーは日本の免許証で借りることが可能ですが、日本の免許証は生年月日や有効期限も元号で記載されてますし、もちろん全部日本語です。そのため、レンタカーを借りることはできても、実際に身分証明書としては役にな立たないことがほとんどです。しかしそのためにパスポートを常に持ち歩くというのも少々面倒ですよね。
実際にお酒を購入しようとしても、日本人は若く見られることが多いため、身分証明書の提示を求められることがあります。ハワイの免許証が取得できれば、長くハワイにステイする場合には何かと便利なのです。
そのため、ハワイ不動産の購入者にはハワイ州の運転免許証を取得したいとご希望される方も少なくありません。昔は比較的簡単に取得できたのですが、いつからからどんどん厳しくなってしまい、最終的にはビザの有効期間しか持てない=観光ビザの場合は最大でも3ヶ月という、とても現実的ではない状態が続いていました。そこへ来て今回の変更です。果たして、ハワイ不動産オーナーにとっては朗報なのでしょうか?
2種類あるハワイ州の自動車運転免許証
今回の変更について、在ホノルル日本総領事館の担当者からお話を伺いました。
まず、取得できる運転免許証には2種類あります。一つはリアルIDとして通用するもの。そしてもう一つはリアルIDとしては通用せず、運転目的のみに使用される運転免許証です。
リアルIDとは、アメリカ連邦基準に沿ったIDで、具体的には飛行機に乗る際に認められるもので、ハワイ州以外どこの州でも通用するIDとなります。逆にリアルIDとして通用しないものは、ハワイ州ではIDとして通用するものの、ハワイ州以外では通用しません。
それぞれ取得に必要な条件は以下のように異なります。(領事館ホームページ参照)
A.連邦基準の身分証(いわゆるリアルID)として認められる運転免許証
・2005年のリアルID法に適合している,compliant driver’s licenseで,米国内線の航空機に搭乗する際等の身分証として利用することが可能です。
・有効期限:入国スタンプやI-94フォーム等に示される米国滞在許可期限となります。
【必要書類】
1 日本の自動車運転免許証
2 自動車運転免許証抜粋証明(総領事館が発行する英文の証明(有料))
3 ハワイ州が定める自動車免許取得申請に必要な以下の書類
((1)から(4)までの書類が全て揃っていることが必要です。)
(1)パスポート
(2)米国に合法に滞在していることを証明する書類(I-94フォームやグリーン・カード等)
(3)米国社会保障番号カード
(4)ハワイ州在住者である証明書類2種
B.連邦基準の身分証(いわゆるリアルID)として認められず,運転目的のみに使用される運転免許証
・2005年のリアルID法不適合(non-compliant)のlimited purpose driver’s licenseで,米国内線の航空機に搭乗する際等の身分証としての利用は認められません。また、米本土での運転が可能かどうかは,州ごとに確認していただく必要があります。
・有効期限:
25~71歳:8年
24歳以下:4年
72歳以上:2年
【必要書類】
1 日本の自動車運転免許証
2 自動車運転免許証抜粋証明(総領事館が発行する英文の証明(有料))
3 ハワイ州が定める自動車免許取得申請に必要な以下の書類
(1)パスポート
(2)ハワイ州在住者である証明書類2種
Aは基本これまでと変わらず、グリーンカードや就労ビザ等合法的にアメリカに居住している証明が必要で、その有効期間は免許取得が可能となります。日本ベースのハワイ不動産オーナーにはハードルが高すぎますね。
Bは必要書類を揃えられれば、最大8年間の免許証が発行されるはず、とのことです。これはハワイ不動産オーナーにとっても十分取得可能な方法です。必要な書類を見ていきましょう。
ハワイ州の免許取得に必要な種類を揃える
運転経歴に係る証明書
1の運転免許証は問題ないとして、2の証明はどのように取得するのでしょうか。これはまず、日本全国にある自動車安全運転センターに申請して「運転経歴に係る証明書」を取得する必要があります。証明書申込用紙は、警察署、交番、駐在所、または自動車安全運転センターに置いてあるようです。また、免許を取得した都道府県に関わらず、最寄りのセンターへ申請可能とのことです。
2019年6月1日から、運転経歴証明書は日本語と英語両方必要になりました。日本語だけですと、領事館で自動車運転免許証抜粋証明を取得できませんのでご注意ください。
英文の証明書をご希望の場合は、申込書の通信欄に「英文希望」と記入の上、お名前のスペルも記載してください。英文はサービスで発行となり、これで日本語と英語の証明書2通を入手することができます。
証明書取得の費用は630円です。
2019年10月1日から670円に変更されました。日本語・英語両方でこの費用です。
申込用紙に必要事項を記入し、ゆうちょ銀行で費用を振り込んで郵送で申請するか、自動車安全センター窓口にて申請するかのどちらかになります。いずれの場合も即日発行はしてくれないようで、郵送の場合は申請から1〜2週間かかります。
詳しい申請方法はこちらをご覧ください。
注)運転経歴に係る証明書を申請する際、免許の自主返納と間違われる可能性があるようです。自主返納をする場合も同じ証明書を申請する方が多いようです。
自動車運転免許証抜粋証明
この「運転経歴に係る証明書」を取得できたら、今度は証明書をホノルルの日本領事館へ持って行き、「自動車運転免許証抜粋証明」というハワイ州の運転免許証を申請するために日本の有効な運転免許証を保有していることを英文で証明してくれる書類を取得します。
ここで必要な書類がこちらです。
【必要書類】
- 申請書
- 有効なパスポート(原本)
- 日本国の有効な自動車運転免許証(原本)
- 日本全国各地の自動車安全運転センターが発行する運転免許経歴証明書(原本)(発行日から3ヶ月以内のもの)
※原本の提出となり、返却されません。
- ハワイ州の住所が証明できるもの(私書箱表記不可)
費用は19ドルです。
申請してから5営業日後に、また領事館へ取りに行きます。
詳しい申請方法はこちら。
ハワイ州在住者である証明書類2種
ここが最後の関門です。既に自動車運転免許証抜粋証明取得の際に必要になっている書類ですが、詳しく見ていきましょう。
ハワイ州当局が定める書類のリストがこちらです。「List of Acceptable Documents for Proof of Principal Residence Address in Hawaii (Two Documents Required)」とあります。つまり、ハワイ州における主な住所の証明として使える書類(2通必要)となります。様々な書類がありますが、この中から用意しやすい書類としては以下の書類になります。
- 自動車のレジストレーションカード(車を所有している場合)
- 2ヶ月以内の光熱費の請求書
- 2ヶ月以内の銀行口座の明細書
- 現在の固定資産税評価書
- 固定資産税請求書または昨年度の固定資産税支払い済みレシート
- 6ヶ月以上の賃貸またはタイムシェア契約書
ハワイ不動産オーナーの場合は、光熱費と固定資産税の請求書などがあればOKということになります。
ここまで書類を揃えたら、いよいよハワイの最寄りの免許センターへ赴いて運転免許取得申請を行うことになります。
8年の免許申請で費用は40ドル。視力検査もあります。
気を付けるべきチェックポイント
領事館のホームページにもありますが、こららの書類を揃えて申請しても、100%ハワイ州の運転免許が取得できるという保証があるものではありません。まだ改正となって間もないため、いろいろなケースが発生しそうです。最終的にはは、ハワイの免許センターの判断になるようです。
また、実際にハワイの免許センターで申請をした方からお話を聞いたところ、こんな失敗談もあったようです。申請時に日本の免許を提出したところ、日本の免許はもう不要と勝手に見なされてしまい、パンチで穴をあけて返されたそうです。窓口の職員の方が、この新しいケースを知らない場合もあるらしく、このようなこともあり得るそうです。なので、提出する際には「Please do not punch my Japanese driver license(日本の免許に穴開けないで!)」と一言添えたほうがよさそうですね。
日本領事館で証明書申請の時などに、ソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)を持っていない場合は、その旨を証明する書類(Certification of Non-eligibility for Social Security number)をソーシャルセキュリティオフィスから取得する必要があるとアドバイスをされることもあるようです。しかしこの書類は、上記のタイプA(リアルID)の免許証を申請する際に必要になる書類で、タイプBの申請には不要です。
カマアイナレートでゴルフできるか?
さて、実際にこの免許証を取得しても、肝心なメリットを享受できないと意味はありません。そこで、実際に取得されたハワイ不動産オーナーの方にゴルフ場で使っていただきました。その結果、ワイケレゴルフ場では無事に、免許証を提示したらハワイローカル扱いとなり、カマアイナレートでプレーできたとのことでした。
ゴルフの他にも、あるといろいろと便利なハワイ州の運転免許。ハワイ不動産オーナーの皆様も、次回ご渡航の際にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?