2024年12月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:戸建は前月比下落も、コンドは新記録更新!

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年12月〜2024年12月)

戸建コンドミニアム
12月の成約価格中央値$1,054,500$540,000
前月比$1,115,000(5.4%減)$530,000(1.9%増)
前年比$996,500(5.8%増)$510,000(5.9%増)

2024年12月期の成約価格中央値は、前月比では戸建てが若干の減少となりましたが、コンドミニアムは史上最高値となる$540,000-に到達しました!
前年比では戸建て・コンドミニアムともに、それぞれ5.8%-5.9%の上昇となり、2024年の締めくくりとしては最高の形となりました。

2024年度はインフレ抑制のための政策金利の上昇が、不動産マーケットには影を落とすのではないかと思われておりましたが、結果として米国経済の底堅さを再確認する年度となり、不動産の資産性の高さを改めて感じる結果となりました。

取引件数:戸建は上昇、コンドは前月比若干減少

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2021年12月〜2024年12月)

戸建コンドミニアム
12月の取引件数228件323件
前月比203件(12.3%増)341件(5.3%減)
前年比182件(25.3%増)272件(18.8%増)

2024年12月期の取引件数は、戸建ては上昇、コンドミニアムは前月比で若干の減少となりましたが、ともに前年同月比では大きく上昇して締めくくりました。

2024年度を通して見ていくと、一時米国側の金融政策の見直しの状況を見極める動きや、米国大統領選挙の行方を見守る中で、不動産取引にも「様子見」の流れがあり、取引件数が大きく落ち込む時期がありました。特にコンドミニアムでは減少傾向が顕著だったのですが、最終的に米国景気が予想以上に強いこと、またトランプ大統領が再選する、という結果を受け、不確定要素が少しずつクリアになってきたことにより、様子見だったSeller/Buyerが動き出したため、後半で盛り返す、という結果となりました。

市場の物件数:戸建・コンドともに減少

グラフ3:オアフ島不動産-市場在庫数(2021年12月〜2024年12月)

戸建コンドミニアム
12月末日の在庫物件数675件1,928件
前月比749件(9.9%減)2,049件(5.9%減)
前年比600件(12.5%増)1,234件(56.2%増)

2024年12月期の市場物件数ですが、しばらく継続していたコンドミニアムの在庫増加が久しぶりに減少に転じ、2,000件の大台を再び割り込むところまで戻してきました。とは言うものの、前月比で減少となるのは1年前の2023年12月期以来ということになるため、2024年度のコンドミニアム在庫数は1年間に渡ってずっと増加してきたこととなります。

また、毎年12月期には売却開始する物件数が減るため、減少しやすいという傾向があるため、全体的な流れが変わったというよりも、例年の流れをそのまま汲んだだけの可能性も高いため、これで判断することはできません。
ただ、2024年度全体を振り返ると、価格の上昇を嫌気するBuyerと、自分の物件の値付けに自信を持つSellerとの間での攻防戦が繰り広げられた形となり、最終後半にはSeller側優位に動いた感がありますね。

買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建は安定・コンドは上昇

グラフ4:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2021年12月〜2024年12月)

戸建コンドミニアム
12月の買い手が つくまでの日数中央値20日間36日間
前月比24日間(16.7%減)32日間(12.5%増)
前年比18日間(11.1%増)26日間(38.5%増)

2024年12月期のDOMは、戸建ては安定して20日間というところで落ち着いておりますが、コンドミニアムは上昇となり、36日となりました。
上記に記載の通り、コンドミニアムに関しては高価格設定しているSeller側が比較的その値付けに自信を持っていることにより、満足のいく価格でないと売却をしない、という判断をしている可能性もあります。

2025年度にかけて注意すべき点としては、コンドミニアムに関しては、物件の維持コスト(建物管理費や保険料)が大幅に上昇していることが懸念点として顕在化しております。
特に直近のLAの山火事による損害で、保険料がまた大幅に増加することが懸念されるため、いわゆる物件価格だけではなく、その後の維持コストも含めて検討するBuyerが増加すると考えられます。

一言まとめ!

2024年12月期の不動産データが出てきたことで、2024年度全体の流れを改めて確認することができましたが、やはり米国経済は強く、不動産マーケットも底堅いことがわかりました。

もちろん自然災害や政治的なリスクなど、すべて楽観的に考えることはできずに注意しなければなならない点も多くありますが、全体の総括としては上記の通りの印象になります。

住宅ローン金利は2025/1/9時点で6.93%となっており、米国の利上げが進まないことを想定して7%を超える可能性が高まっています。

グラフ5:Freddie Mac米国住宅固定ローン金利(2025年1月9日時点)

また、2024年当初は141円前後で始まった為替も、1年を通して再び160円にチャレンジしそうなところまできており、1年で15円程度円安が進んだこととなります。
景気が底堅く利上げできないアメリカと、本来利上げしなければいけないにも関わらず膨大な借金のせいで利上げができない日本との間では、このような動きになることはある意味必然となってきているようですね。

2025年度の動きも要注目ではありますが、当面はトランプ大統領の経済施策が影響を与えることが考えられますので、しっかりと見ていく必要がありそうです。

グラフ6:Trading View 米ドル・日本円為替チャート(2025年1月12日時点)

コロナ以降、大きく変化してきた世界経済も、紆余曲折を経て比較的安定して見極めることができる環境になってきたかと思います。
新たな生活様式もすでに定着しつつありますし、世界の中で日本はどのように位置付けられ、今後国として、個人としてどのように立ち振舞うべきかということを考える段階にきていると感じます。

それは個人の資産についての考え方にも影響すると思いますので、2025年度は視野を広げて情報収集し、将来を見据えつつ、自分に合った投資を検討するのも良いかもしれませんね。

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜4、表1、表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ5はFreddie Macより引用。
※グラフ6はTrading Viewより引用。