2024年9月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:戸建は前月比微減、コンドは微増

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年9月〜2024年9月)
戸建 コンドミニアム
9月の成約価格中央値 $1,112,722 $517,500
前月比 $1,122,000(0.8%減) $500,000(3.5%増)
前年比 $1,050,000(6.0%増) $532,500(2.8%減)

2024年9月期の成約価格中央値は、戸建て・コンドミニアムともに横ばいの状態です。
戸建ては前月比では微減となりましたが、前年同月比では6.0%の増加となります。
購入者の大半がローカルの実需である戸建てマーケットは非常に強く、実需ももちろんあるものの、投資や別荘などのニーズも大きいコンドミニアムマーケットは弱含み、という状態です。

取引件数:戸建・コンドともに減少傾向

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2021年9月〜2024年9月)
戸建 コンドミニアム
9月の取引件数 217件 366件
前月比 253件(14.2%減) 401件(8.7%増)
前年比 232件(6.5%減) 376件(2.7%減)

2024年9月期の取引件数は、前月比・前年同月比どちらで比べても減少、という結果になりました。
年初来の累計取引件数では、昨年及び一昨年の同時期の累計と比較すると、その差が歴然となります。空前の不動産マーケットの活況さが表れている2022年に比べると、戸建てが約25%、コンドに関しては35%以上も減少しているのですね。

表1:オアフ島不動産-取引件数(’22-’24年1-9月累計比較)

FRBの金利政策が功を奏したものと思われますが、価格そのものは全くと言っていいほど下落せず、取引件数に影響を与えた形です。今度金利が下がっていくことにより、どのように動くかが注目です。

市場の物件数:戸建・コンドともに横ばい、増加傾向は継続

グラフ3:オアフ島不動産-市場在庫数(2021年9月〜2024年9月)
戸建 コンドミニアム
9月末日の在庫物件数 755件 1,887件
前月比 760件(0.7%減) 1,879件(0.4%増)
前年比 592件(27.5%増) 1,194件(58.0%増)

2024年9月期の市場物件数は、戸建て・コンドミニアムともに前月比では横ばいとなりました。

グラフ4:オアフ島不動産-新規物件数(2021年9月〜2024年9月)

新規にマーケットに出てくる物件数が2022年と同程度まで増加しているにも関わらず、上記に記載の通り取引件数が戸建ては25%、コンドは35%少ない状態なので、必然的に在庫物件数が増加する、という図式になります。

買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建は堅調、コンドは増加傾向

グラフ5:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2021年9月〜2024年9月)
戸建 コンドミニアム
9月の買い手が
つくまでの日数中央値
19日間 31日間
前月比 14日間(35.7%増) 28日間(10.7%増)
前年比 20日間(5.0%減) 21日間(47.6%増)

2024年9月期のDOMは、戸建ては前月比では増加したものの、21日間ということで1ヶ月を大幅に切っている状態を維持しております。コンドミニアムは31日ということで、節目の1ヶ月を超えてきました。

今後の利下げによって、今まで我慢していたBuyerが動き出す可能性は十分にあるので、今後の動きを注視する必要がありそうです。

一言まとめ!

2024年9月期の不動産データでは、数字的に大きな変化は見受けられず、ここ数ヶ月の流れを汲んで動いていることが確認できました。

2024年9月に、4年6ヶ月ぶりとなる利下げ、かつ、一気に0.5%の利下げを行ったことで大きく反応した住宅ローン金利ですが、直近の雇用データやCPI等の経済データが想像以上に強いことが判明した結果、大幅利下げを折り込みすぎていたマーケットが反発しており、住宅ローンも同様に反応しております。
一時6.08%という、6%を切る直前まで下げたものの、10/10時点では6.32%まで戻してきました。

グラフ6:米国住宅固定ローン金利(2024年10月10日時点5年推移)

あとは1ヶ月後に迫った米大統領戦を控え、ここから1-2ヶ月の動きは世界経済マーケットへの影響も大きなものになるため、注目を集める展開になるのではないかと思います。

また、為替も注目です。
2024年10月12日現在、1ドル=149円付近となっております。
元々は「米国が大幅利下げを継続する」+「日銀が利上げを継続する」という思惑で円高に振れてきておりましたが、上記の通り米国側の強い経済指標と、自民党新総裁になった石破氏の「利上げをする環境にない」発言を受け、ドル高・円安基調に戻ってきた形ですね。

グラフ7:米ドル/日本円為替(2024年10月12日時点)

賛否両論あるとは思いますが、個人的に今後大きく円高に振れていく未来がイメージできず、当面140円前後がベースになっていくのではないか、という気がしております。

ただし、いずれにしても米大統領戦の結果次第では色々な前提が崩れる可能性も十分にあるので、先1―2ヶ月の動きには注目したい、ということですね。

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜5、表1、表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ6はFreddie Macより引用。
※グラフ7はTrading Viewより引用。