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成約価格中央値:戸建が強い、コンドは微減
戸建 | コンドミニアム | |
7月の成約価格中央値 | $1,140,000 | $509,000 |
前月比 | $1,120,000(1.8%増) | $530,000(4.0%減) |
前年比 | $1,090,000(4.6%増) | $500,000(1.8%増) |
2024年7月期の成約価格中央値は、戸建て・コンドミニアムともに前年同月比では上昇しました。コンドミニアムに関しては前月比で見ると減少はしていますが依然として高価格帯キープという結果です。
売却希望価格(Listing Price)を上回る取引も、戸建てが29%・コンドミニアムが15%と小幅ながら増加し、不動産価格自体の底堅さは維持されております。
取引件数:戸建・コンドともに増加
戸建 | コンドミニアム | |
7月の取引件数 | 269件 | 389件 |
前月比 | 258件(4.3%増) | 355件(9.6%増) |
前年比 | 224件(20.1%増) | 422件(7.8%減) |
2024年7月期の取引件数は、戸建・コンドともに前月比は増加となりました。
特に戸建てマーケットでは前年同月比では20%以上の増加となり、価格高騰・高金利をものともしない購買意欲の高さが伺えます。
一方コンドミニアムは前月比では増加したものの前年比では下落しており、今後の動向に注意が必要です。
市場の物件数:戸建も増加、コンドは急増継続
戸建 | コンドミニアム | |
7月末日の在庫物件数 | 722件 | 1,867件 |
前月比 | 653件(10.6%増) | 1,729件(8.0%増) |
前年比 | 591件(22.2%増) | 1,154件(61.8%増) |
2024年7月期の市場物件数ですが、戸建て・コンドミニアムともに増加となりました。
コンドミニアムの増加ペースが著しいところがありまして、前年度から60%以上も増加している形です。取引件数の推移と市場物件数の増加ペースが比例していないため、市場物件数だけが大きく増加してしまう形となります。
新規販売開始物件数についても増加傾向が続いており、当面市場物件数は増加の流れが継続しそうですね。
買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建は安定、コンドは増加傾向
戸建 | コンドミニアム | |
7月の買い手が つくまでの日数中央値 |
15日間 | 30日間 |
前月比 | 15日間(変化なし) | 26日間(15.4%増) |
前年比 | 16日間(6.3%減) | 16日間(87.5%増) |
2024年7月期のDOMは、戸建ては現状維持となりましたが、コンドミニアムでは増加傾向が継続しております。
上記の通りマーケットの物件数の増加が顕著であるにもかかわらず取引件数自体は増えていない状態となっており、必然的に供給が上回る形となるため、コンドミニアムの方は一つの節目と言えるDOM 30日を超えてくる可能性が高いかと思われます。
一言まとめ!
2024年7月期の不動産データでは、大きな変化は見られませんでしたが、コンドミニアム在庫物件数の増加など、今後の状況を注視していく必要があるポイントなども見て取れました。
米国の利下げ観測が優勢となる中で、現時点の購入には慎重になるBuyerも増えているという背景もあります。あと半年1年待てばより良い条件でのローンを利用しての購入が可能になる可能性が高いという考えですね。
実際に住宅ローン金利は利下げを見込んで下落が見られ、2年ぶりに6.5%を割り込んできました。
これが実際の利下げが実施された場合には6.0%を下回ってくることになるため、購入者としては米大統領選挙を含め現在の不確実な情勢を見極めてから動く、という傾向にあります。
一方で、不動産価格の高騰化・その維持については、ハワイに限った話ではなく、全米で同様の状態が発生しています。
カリフォルニア州シリコンバレー地域の住宅価格中央値は2024年4-6月期の住宅価格中央値がなんと史上初の200万ドルを超えたということです。
全米の中でハワイ州ホノルル地域の住宅価格中央値は第4位の水準になりますが、米国本土の価格上昇スピードは目を見張るものがあり、これがインフレ抑制の足枷になっていることは否めません。このままの状態で利下げに踏み切った場合、不動産マーケットにとっては当然プラスに働くことになるのですが、その場合には不動産価格が今以上に高騰する可能性もあり、難しい舵取りを迫られそうです。
為替は8月に大きく動いています。
8月上旬の日銀による0.25%までの政策金利引き上げと米国の景気後退懸念が影響し、マーケットが大荒れとなりました。
$=161円の水準から、わずか1ヶ月で一時20円程もドル安円高に振れた形です。ただし、前回のマーケットへのインパクトの強さを見てしまった以上、日銀も追加利上げへのハードルはかなり高くなったと思われますし、あり得ない規模の国債を保有してしまっている日銀が、現実的にどこまで利上げを容認できるのかは非常に興味深い点ではあります。
Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。
※グラフ1〜5と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ6はFreddie Macより引用。
※グラフ7はTrading Viewより引用。