2024年1月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:戸建て・コンドともに前月とほぼ横ばいが続く

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年〜2024年)
戸建 コンドミニアム
1月の成約価格中央値 $1,021,016 $502,500
前月比 $996,500(2.5%増) $510,000(1.5%減)
前年比 $970,000(5.3%増) $495,000(1.5%増)

2024年に入りましたが、不動産価格自体は大きく変更なく、高価格の水準を維持し続けております。2024年1月期のオアフ島の戸建てマーケットは大台の100万ドル台に乗せ、コンドミニアムも50万ドルの大台を維持しております。

不動産価格の上昇傾向は一旦頭打ちの様相を呈しておりますが、2021年中盤以降、価格の下落自体は生じておらず、約2年半もの期間、この水準を維持・継続している形です。

取引件数:戸建・コンドともに微増

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2021年1月〜2024年1月)
戸建 コンドミニアム
1月の取引件数 184件 292件
前月比 182件(1.1%増) 272件(7.4%増)
前年比 150件(22.7%増) 275件(6.2%増)

2024年1月期の取引件数は、戸建て・コンドミニアムともに2023年12月の水準を維持する形となりました。全体の取引ボリュームとしては依然として少ない状態が続いております。
ただし、全体のボリュームは少ない状態ではあるものの、戸建てマーケットにおいては、130万ドルを超える価格帯の物件の成約件数が前年同月比で倍以上となるなど、高価格帯の物件の取引が活発化したことが伺えます。

グラフ3:オアフ島不動産-戸建価格別取引件数(2023年1月 vs. 2024年1月)

現状の米国住宅ローン金利を鑑みると、取引件数に関しては、直近で大きく上昇していくことは考えにくい状況です。この環境下で売買が成立するのは物件自体の競争力が高いものになっていくと考えられます。

市場の物件数:戸建・コンドともに前月比増加

グラフ4:オアフ島不動産-市場在庫数(2021年1月〜2024年1月)
戸建 コンドミニアム
1月末日の在庫物件数 607件 1,348件
前月比 600件(1.2%増) 1,234件(9.2%増)
前年比 551件(10.2%増) 1,196件(12.7%増)

2024年1月期の市場物件数は戸建て・コンドミニアムともに微増となりました。
新規にマーケットに出てきた物件数は前月と比較すると大きく伸びていますが、例年12月は大きく落ち込むため、その反動によるものです。

グラフ5:オアフ島不動産-販売開始物件数(2021年1月〜2024年1月)

上記取引件数のところでお伝えしたとおり、成約件数が伸びていない環境下において、マーケットに残る物件数は必然的に増加傾向になると考えられます。

2021年からの動きを見ていると、「Inventory数が大きく伸びてきている」=「供給過多になるのでは?」という感覚にもなるのですが、パンデミック前の2020年1月期のInventory数と比較すると現状でも25%以上少ない状況となりますので、長期的な視点で見た場合にはまだまだInventoryは少ない環境であると言えます。

買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建が大幅に上昇、コンドは微増

グラフ6:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2021年1月〜2024年1月)
戸建 コンドミニアム
1月の買い手が
つくまでの日数中央値
29日間 29日間
前月比 18日間(61.1%増) 26日間(11.5%増)
前年比 24日間(20.8%増) 24日間(20.8%増)

2024年1月期のDOMは、戸建て・コンドミニアムともに29日となりました。
住宅ローン金利が3%前後だった2021年と比較すると3倍程度の日数を要する形になってきましたが、それでも1か月以内にはEscrowに入る状態となっております。

一言まとめ!

いよいよ2024年に入りました。
1月期の不動産データには、ハワイ不動産マーケットの直近の特徴が非常によく現れています。

2024年度の不動産動向を考える上で、やはり注視すべき点はFRBの金融政策です。2023年度後半にマーケットの共通認識となりつつあった「2024年度早期の利上げ」について直近のCPIや雇用統計を見る限り、あまり現実的では無くなってきたことが背景にあります。

グラフ7:米国住宅固定ローン金利(2024年2月22日時点)

2023年末に利上げを織り込んで下落傾向にあった住宅ローン金利ですが、早期利下げ観測の後退に伴い再度7%を伺う状態です。

為替についても同様の環境で、「米国の利下げ」と「日銀の利上げ」を期待して一時140円を伺う攻防が年末年始にありましたが、現時点ではその期待は現実には起こらないことが市場の共通認識となりつつあり、再び円安ドル高に振れている形です。

グラフ9:米ドル/日本円為替(2024年2月27日時点)

150円の蓋を維持できるのか、それとも突破するのか、非常に重要な水準にきていることがわかります。ただ、よほどのサプライズがない限り、直近で130円、120円という円高に向かう要素は見当たりませんので、150円前後でしばらく推移しそうですね。

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜6と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ7はFreddie Macより引用。
※グラフ8はTrading Viewより引用。