2023年11月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:戸建て・コンドともに前月とほぼ横ばいが続く

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年〜2023年)
戸建 コンドミニアム
11月の成約価格中央値 $1,100,055 $516,179
前月比 $1,100,000(変化なし) $515,000(0.2%増)
前年比 $1,149,500(4.3%減) $480,000(7.5%増)

2023年11月期のオアフ島の戸建て・コンドミニアムの価格中央値は前月とほぼ同じ水準となりました。前年同月比で見ていくと戸建ては4.3%減となりましたが、コンドミニアムは7.5%増となっております。
売却希望価格以上での成約割合はともに大きく減少しており、戸建ては全体の21%(前年同月は31%)、コンドミニアムは19%で、前年と比べると約4分の一程度まで減少してきております。

戸建ては高価格帯の物件の動きが鈍ってきているのすが、コンドミニアムは大きな変化はなく、価格帯によらず満遍なく取引がなされている状況です。

取引件数:戸建・コンドともに大きく減少傾向

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2020年11月〜2023年11月)
戸建 コンドミニアム
11月の取引件数 180件 310件
前月比 213件(15.5%減) 399件(22.3%減)
前年比 192件(6.3%減) 340件(8.8%減)

2023年11月期の取引件数は、戸建て・コンドミニアムともに目に見えて減少してきていることがわかります。

年初来取引件数を2021年から2023年まで比較してみると下記のようになりますが、戸建てに関しては2021年のほぼ半分程度の取引件数となっていることがわかります。2年前は価格も全く違いますし、金利もまだ低かったので当然の結果ではありますが、やはり米国のインフレとその抑制策としての金利上昇が大きく影響を及ぼしていることは明らかですね。

戸建 コンドミニアム
2023年1月-11月 2,378件 4,301件
2022年1月-11月 3,272件 5,993件
2021年1月-11月 4,148件 6,610件

市場の物件数:戸建・コンドともに前月比増加

グラフ3:オアフ島不動産-市場在庫数(2020年11月〜2023年11月)
戸建 コンドミニアム
11月末日の在庫物件数 672件 1,337件
前月比 626件(7.3%増) 1,306件(2.4%増)
前年比 682件(1.5%減) 1,244件(7.5%増)

2023年11月期は戸建て・コンドミニアムともに微増という結果になりました。

ただし、2023年11月期に新規にマーケットに出てきた物件数は、戸建てもコンドミニアムも減少しています。その環境下で全体の在庫数が増加するということは、11月期より前にマーケットに出ていた物件の成約数が減少していることを意味します。
それは、上記の「取引件数の減少」と同義であり、さらに下記の「買い手がつくまでの日数」が延びていることに直結していることがお分かりいただけるかと思います。

グラフ4:オアフ島不動産-新規物件数(2020年11月〜2023年11月)

買い手がつくまでの日数中央値:戸建が大幅に上昇、コンドは微増

グラフ5:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2020年11月〜2023年11月)
戸建 コンドミニアム
11月の買い手が
つくまでの日数中央値
29日間 23日間
前月比 18日間(61.1%増) 21日間(9.5%増)
前年比 18日間(61.1%増) 18日間(27.8%増)

2023年11月期の物件が市場に出されてから買い手がつくまでの日数は、予想を大きく覆す形で増加しました。戸建てが61.1増ということで、一気に11日間も延びた形です。コンドミニアムも若干増加傾向にあります。

現在、米国の金利政策がピークを迎えている環境にあり、現状の取引を敬遠する動きが消費者心理に現れているものと思われます。2024年には利下げに動く見込みとなれば、そのタイミングを待ちたいという気持ちはわからなくはありませんね。

一言まとめ!

2023年11月期の不動産データからは、ハワイの不動産取引の減少傾向が明確になってきた感がありますね。

一方で、直近のFOMCの動向からは、2024年度に利下げに動くことをマーケットが織り込み始めており、住宅ローン金利も7%を切る水準まで下がってきております。

グラフ6:米国住宅固定ローン金利(2023年12月14日時点)

ただし、まだ米国の雇用は予想以上に強いですし、確実に来年度の利下げが確約されているわけではありませんので、引き続き注視していく必要がありそうです。

一方で2023年11月期後半にはドル円の為替も比較的大きく動きました。
米国の利下げと日銀のマイナス金利政策解除が相まっての動きのようですが、結果的にまだ日本は緩和継続を表明したことで、直近では再び円安で反応している状況です。

年末年始も各国の動向から目が離せないですね。

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜5と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ6はFreddie Macより引用。