2023年8月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:戸建て・コンドともに前月より微増

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年〜2023年)
戸建 コンドミニアム
8月の成約価格中央値 $1,110,000 $515,000
前月比 $1,090,000(1.8%増) $500,000(3.0%増)
前年比 $1,125,500(1.4%減) $498,500(3.3%増)

2023年8月期のオアフ島の戸建て価格中央値は前年同月比1.4%減だったのに対して、コンドミニアムは3.3%増となりました。前月比ではともに微増となっております。

2023年度初頭からの8ヶ月間を通しで見た時には、戸建てが$1,050,000で5.7%減、コンドミニアムが$502,000で1.6%減となっております。2023年度の上半期は金利上昇の影響を受けて一時的に不動産マーケットが沈静化した時期があったため、その影響があったと考えられますが、直近数ヶ月でまた上向いてきている様子が伺え、米国経済の底堅さ、インフレ沈静化の難しさを表しているデータとなっております。

取引件数:戸建は取引件数増加、コンドは横ばい

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2020年8月〜2023年8月)
戸建 コンドミニアム
8月の取引件数 252件 422件
前月比 224件(12.4%増) 422件(変化なし)
前年比 314件(19.7%減) 508件(16.9%減)

2023年8月期の取引件数は戸建てが前月比で増加しました。コンドミニアムについては同数となっております。
2023年度の戸建てマーケットの内訳を見ていくと、$900,000〜$1,199,999-の価格帯の物件取引数が大きく減少しており、前年比39.2%減となっているのに対し、$600,000〜$899,999-の価格帯の物件については取引件数が増加傾向にあり、13.1%増となっております。

非常に興味深いのは、ハワイ不動産協会のレポートでは、この「$600,000〜$899,999-の価格帯の物件」は「Affordable(お手頃な)」という表現になっていることです。日本円で考えると約9,000万円〜1億3,000万円の価格に相当するのですが、それがハワイではお手頃物件、という表現になるということを理解しておくことが重要かと思います。

コンドミニアムの取引では、$900,000-以上の高価格帯の物件取引件数は昨年度と同等となっており、減速する気配はありません。

市場の物件数:戸建・コンドともに横ばい

グラフ5:オアフ島不動産-市場在庫数(2020年8月〜2023年8月)
戸建 コンドミニアム
8月末日の在庫物件数 598件 1,146件
前月比 591件(1.2%増) 1,154件(0.7%減)
前年比 596件(0.3%増) 1,073件(6.8%増)

2023年8月期は戸建て・コンドミニアムともにほぼ横ばいの結果となりました。

エリアを分けて詳細に見ていくと、Kaneohe地区ならびにLeeward地区の在庫数は大きく上昇しており、それぞれ52.9%と16.7%の増加となっております。
裏を返すと、それでも物件数自体に大きな変化がないということは、その他の地域の在庫数が減少しているということになり、そこでうまくバランスしているように思われ、価格水準の維持につながっているのではないかと考えられます。

買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに調整期間入り

グラフ6:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2020年8月〜2023年8月)
戸建 コンドミニアム
8月の買い手が
つくまでの日数中央値
18日間 18日間
前月比 16日間(12.5%増) 16日間(12.5%増)
前年比 13日間(38.5%増) 13日間(38.5%増)

2023年8月期の物件が市場に出されてから買い手がつくまでの日数は戸建て・コンドミニアムともに18日間となりました。
2023年2月期以降、Days On Marketの日数が順調に減少してまいりましたが、8月期には7月期から若干ですが日数が延び、一旦の調整に入った形になります。

とは言え、ここから大きく延びていくような環境にはなっておらず、15〜20日前後で当面推移していくのではないかと考えられますので、その状態が継続するということは価格も現状を維持して推移することになると思われます。

一言まとめ!

2023年8月期には米国住宅ローン金利が大きく上昇し、30年固定ローン金利は7%を上回る水準となっております。
先月同様、米国のインフレ率自体はやや落ち着きを見せてきてはいるものの、沈静化したとは言い難く、FF金利上昇の打ち止めがなかなか見通せない状況です。

本来、ここまで金利が上昇してくれば、不動産マーケットへの影響は避けられないはずなのですが、現在の米国経済、そして実際のハワイ不動産マーケットデータを見る限り、そのリスクはかなり限定的になっているように見受けられます。
ソフトランディングを目指すFRBとしては、現状についてそれほど悪くない印象を持っていると思いますが、本当にソフトランディングができるのであれば不動産マーケットにとっても大きくプラスに働くこととなりそうですね。

グラフ7:米国住宅固定ローン金利(2023年9月7日時点)

一方でドル円の為替相場は8月期に再度円安傾向に舵を切ったことが窺えます。
2022年10月以来の150円台突入も現実的に考えられる水準で推移しておりますが、昨年との違いは市場全体がこの為替水準を受け入れ始めているような空気感が出てきている、と感じます。

昨年はやや急激で変動幅も大きく市場心理が追いついていなかったこと、また、投機的な動きもあり警戒が強かったと思うのですが、今は市場の合意の元にこの水準で推移しているように思われます。今後近い将来円高に振れるような要因も見当たりませんし、当面はこの水準で移行していくのではないかと思います。

この状況を踏まえ、日本人投資家の方の中には、現在の為替水準を受け入れ、新たに購入に踏み切る方も徐々に増えてきているということも事実としてございますので、資産形成の一環として、改めてハワイ不動産について考えてみるというのも良いのではないでしょうか。

グラフ8:米ドル/日本円為替レート(2023年9月13日時点)

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜6と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。