2023年7月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

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成約価格中央値:戸建て・コンドともに高価格帯維持

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年〜2023年)
戸建 コンドミニアム
7月の成約価格中央値 $1,090,000 $500,000
前月比 $1,050,000(3.8%減) $510,000(2.0%減)
前年比 $1,107,944(1.6%減) $500,000(変化無し)

2023年7月期のオアフ島の戸建て・コンドミニアムはともに前年同月比で見るとほぼイコールの水準となっております。コンドミニアムに関しては前年度と完全一致という形になり、2022年から続いている金利上昇にも関わらず、不動産価格の底堅さが改めて浮き彫りになってきているように感じます。

取引件数:戸建は減少、コンドは減少傾向

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2020年7月〜2023年7月)
戸建 コンドミニアム
7月の取引件数 224件 422件
前月比 248件(9.8%減) 470件(10.2%減)
前年比 312件(28.2%減) 248件(9.7%減)

6月期にもお伝えしましたが、米国の住宅ローン金利が再度上昇に転じました。7月期も継続して上昇しております。
上記記載の通り、価格に関してはほぼ無風の状況でしたが、金利上昇を受け、戸建てならびにコンドミニアムの取引件数は減少傾向となりました。この借入コストの上昇は、価格そのものを抑え込むことはできていないながらも、確実に購入者の意思決定には影響を及ぼしていることがわかります。

ただし現在は、FRBによる利上げがあと何回あるのか、というところまできているため、住宅ローン金利についてもピーク付近にいることがマーケットにおいてある程度明確に認識されています。

近い将来この金利政策が天井を打つことがわかっていることもあり、その動きを見極めるために様子見をしている買い手が多いと思われますので、金利下落とともに再度取引が活発化するのではないかと考えられます。

市場の物件数:戸建・コンドともに僅かに減少

グラフ3:オアフ島不動産-市場在庫数(2020年7月〜2023年7月)
戸建 コンドミニアム
7月末日の在庫物件数 591件 1,154件
前月比 605件(2.3%減) 1,159件(0.4%減)
前年比 576件(2.6%増) 1,050件(9.9%増)

2023年7月期は戸建て・コンドミニアムともに前月比では若干の在庫物件数の減少が見られました。
借入コスト上昇の煽りを受け、取引件数自体が減少しているにも関わらず、市場の物件数も減少に転じるというのは違和感があるところですが、これは新たにマーケットに売り出される物件数が大きく減少していることに起因します。7月期の新規売出物件数は、前年同月比で見ると、戸建て・コンドミニアムともに30%近く減少しているのです。

この辺りが儒教と供給をうまくバランスしているように思われ、価格水準の維持につながっているのではないかと考えられます。

グラフ4:オアフ島不動産-販売開始物件数(2020年7月〜2023年7月)

買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに減少傾向継続

グラフ5:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2020年7月〜2023年7月)
戸建 コンドミニアム
7月の買い手が
つくまでの日数中央値
16日間 16日間
前月比 17日間(5.9%減) 18日間(11.1%減)
前年比 11日間(45.5%増) 12日間(33.3%増)

2023年7月期の物件が市場に出されてから買い手がつくまでの日数は戸建てが16日間、コンドミニアムが16日間となりました。2023年2月期以降、Days On Marketの日数は確実に減少の一途を辿っています。

「金利上昇による買い控え=需要減」と「新規販売物件数の減少=供給減」という背景の中で、価格が下がらずにDays On Marketの日数が徐々に減少していっているという現状は、まだ買手側が強いことを表しており、米国経済の力強さの表れとも考えられます。

一言まとめ!

2023年の下半期がスタートしましたが、ハワイ不動産価格については全く下落の兆候が見られません。

米国のインフレはやや落ち着きを見せてきてはいるものの、まだまだ沈静化したとは言い難く、特に雇用統計から見る労働市場の過熱感はいまだに収まる気配はありません。失業率も低く、平均時給も上昇しており、それがサービス価格の上昇につながっている現状は、FRBによるさらなる利上げの可能性も残しています。
その意味でも2023年8月期の米国CPIの発表は、非常に重要な指標となりそうですね。

不動産マーケットも全体の経済動向に非常に密接に関わってくるため、引き続き各種指標には十分注意して見守っていきたいところです。

ハワイは7月8月のピークシーズンを迎え、日本からの渡航者数もだいぶ増えてきたように思います。それに伴い、不動産も徐々に日本人の方々の取引も増えてくる可能性もありそうですね。

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜5と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。