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成約価格中央値:コンドミニアムが史上最高価格を記録!
戸建 | コンドミニアム | |
3月の成約価格中央値 | $1,083,750 | $536,000 |
前月比 | $987,500(9.8%増) | $480,000(11.7%増) |
前年比 | $1,150,000(5.8%減) | $515,500(4.0%増) |
小さな上下を繰り返しながら緩やかに下がっていくかと思われたオアフ島不動産の成約価格中央値ですが、2023年3月は思いがけない変調が見られました。今年に入って2ヶ月連続で$1Mを下回っていた戸建てが持ち直し、3月の成約価格中央値は$1,083,750となりました。更にコンドミニアムは2022年6月に記録した過去最高値$534,000を上回り、$536,000で史上最高価格を記録しました。
上のグラフ2は、3月中に申し込みが受領された物件を価格帯別に表示したものです。薄い黄色が昨年3月の件数、濃い黄色が今年3月の数字ですが、$999,999以下の価格帯は軒並み昨年よりも減っていることが分かります。一方$1,000,000以上の物件は昨年と同様または増加していますので、これ等の物件の売買手続きが完了する今後1〜2ヶ月は、成約価格中央値は昨年と比較して高い価格を維持することが予想されます。
取引件数:戸建・コンドともに順調に増加
戸建 | コンドミニアム | |
3月の取引件数 | 236件 | 444件 |
前月比 | 173件(36.4%増) | 325件(36.6%増) |
前年比 | 321件(26.5減) | 672件(33.9%減) |
2023年3月の取引件数は、前月と比較して、戸建てもコンドミニアムも約36%の大幅な増加となりました。昨年初夏から減少傾向にあった成約件数が今年2月に増加に転じ、2月は戸建て・コンドミニアムともに前月比約15%の増加でしたので、増加ペースが加速していることが分かります。
上のグラフ4からお分かりいただけるように、手続き中物件数も戸建て・コンドミニアムともに増加しています。ただ、増加幅は戸建てが前月比1.8%増、コンドミニアムが1.6%増と微増にとどまりましたので、このままの勢いで成約件数が増えていくかは不確かですが、取引件数自体は4月も引き続きも増加する見込みです。「年末年始に件数が落ち込み、夏場にピークを迎えるというパンデミック以前のサイクルが戻ってきている」という見方に説得力が増してきました。
市場の物件数:戸建・コンドともに減少傾向
戸建 | コンドミニアム | |
3月末日の在庫物件数 | 541件 | 1,152件 |
前月比 | 547件(1.1%減) | 1,177件(2.1%減) |
前年比 | 360件(50.3%増) | 919件(25.4%増) |
2022年の1年をかけて緩やかに増加を続けていた市場の物件数ですが、昨年末から減少に転じています。3月もその流れは変わることなく、前月比1〜2%の減少となりました。新しく市場に出される物件の数は戸建てが25.8%、コンドミニアムが14.5%増加していますが、取引件数が増えたことで、結果的に市場に残る物件数が少なくなっているようです。
昨年市場の物件数が増加傾向にあった時期は、新しく市場に出される物件数は減り続けていたにも関わらず、成約件数がそれを下回るために市場に残る物件数が増加するという状況でした。現在は風向きが変わり、一時は減退しつつあった需要が復活してきたことが分かります。
買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに短縮
戸建 | コンドミニアム | |
3月の買い手が つくまでの日数中央値 |
36日間 | 24日間 |
前月比 | 47日間(23.4%減) | 28日間(14.3%減) |
前年比 | 9日間(300.0%増) | 9日間(166.7%増) |
物件を市場に出してから買い手がつくまでの日数中央値は、戸建て・コンドミニアムともに大きく短縮されました。戸建てが前月比23.4%の短縮で36日間、コンドミニアムが14.3%の短縮で24日間です。この点にも、需要の高まりが現れていると言えるでしょう。昨年同時期と比較するとまだ戸建ては約3倍、コンドミニアムは約1.6倍の日数ですが、取引件数や市場の物件数などを考慮すると、再びスピード感のあるマーケットに戻っていく可能性があります。
一言まとめ!
2023年3月はホノルル不動産にとって変化の月となりました。戸建ての成約価格中央値は$1M超えに戻り、コンドミニアムが史上最高を記録したことをはじめ、成約件数、市場の物件数、買い手がつくまでの日数、全ての指標が需要の増加を示しています。また、ホノルル不動産協会によると、以下の表の通り販売価格以上で成約した物件数も増加しています。
戸建 | コンドミニアム | |
2023年2月 | 19%(2022年2月:55%) | 15%(2022年2月:27%) |
2023年3月 | 35%(2022年3月:74%) | 41%(2022年3月:65%) |
金利は比較的高くとどまっており、経済不安も解消されず、不動産価格も上昇している中、なぜ今マーケットが好調に転じているのか不思議に思う方も多いのではないでしょうか。これはコロナによる特需が収まったため、季節に合わせた従来の動きが可視化された結果と見ることができます。
元々アメリカ不動産は、移動の季節である春から夏にかけて取引が活発になります。金利や価格が好ましい状況ではなくとも、必要に迫られて不動産を購入する人たちがいることは想像に難くありません。この需要により取引件数が上昇していると考えられます。
成約価格の上昇についてはまず、インフレや不動産評価額の上昇に合わせて販売価格がこれまで上がり続けていたという前提があります。その上で限られた物件を巡って買い手が競って購入に動いたため、上の表の通り販売価格以上での成約率が上がり、成約価格の上昇につながったと考えられます。
さらに、パンデミック中にも多く見られた動きですが、戸建ての高騰により、戸建ての購入を検討していた層がコンドミニアムの購入に流れ、高価格帯のコンドミニアムの取引が活発になりました。3月も同様の動きが見られ、結果としてコンドミニアムの成約価格中央値が史上最高を記録したようです。
複数年にわたって様々な統計で「住居が最も高い州」第1位に輝いているハワイですが、2023年もその地位は揺るぐことはなさそうです。不動産価格が上昇した売り手市場である一方、日本の方々にとっては、為替が円高に振れてきた2023年は購入をご検討いただくにも良いタイミングです。Crossoverではご購入・ご売却のタイミングについても、個別のケースにあわせてコンサルティングいたします。ハワイ不動産に関するご相談はなんでもお気軽にご連絡ください。
※グラフ1〜7と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。
※図1はWorld Population Reviewからの引用です。