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成約価格中央値:戸建は下降・コンドミニアムは上昇
戸建 | コンドミニアム | |
12月の成約価格中央値 | $1,049,500 | $502,500 |
前月比 | $1,149,500(8.7%減) | $480,000(4.7%増) |
前年比 | $1,050,000(0.05%減) | $485,000(3.6%増) |
2022年12月、戸建の成約価格中央値は前月比・前年比ともに下落、コンドミニアムは前月比・前年比ともに上昇しました。11月は逆に「戸建ては前年比・前月比ともに9.5%の上昇、コンドミニアムは前年比・前月比ともに4〜8%の下落」でしたので、12月はそれぞれ逆の動きとなりました。
直近3年間の成約価格中央値にフォーカスした下のグラフ2からも分かるように、戸建・コンドミニアムどちらも価格に大きな動きはありません。先月、今月のように上下に小さな変動を繰り返し、全体的には非常に緩やかに上昇傾向となっています。
取引件数:戸建・コンドともに約半年振りに増加
戸建 | コンドミニアム | |
12月の取引件数 | 202件 | 360件 |
前月比 | 192件(5.2%増) | 340件(5.9%増) |
前年比 | 378件(46.6%減) | 593件(39.3%減) |
約半年間下がり続け、月を追うごとに下がり幅が大きくなっていた成約件数ですが、12月は一転、戸建・コンドミニアムともに上昇に転じました。毎年12月から年明けは成約件数が下がるのが常ですので、珍しい流れです。11・12月は今年に入って長らく続いていた米国住宅ローン金利の上昇が止まり、一時期は7%を超えた金利が6%に戻ったため、タイミングを逃さないよう成約を急ぐ購入者の動きがあったのかもしれません。
ただ、以下のグラフ4から分かるように、手続き中物件数は12月も減少していますので、おそらく成約件数の上昇は一時的なものであり、年明けはまた減少・停滞傾向に戻ると思われます。
市場の物件数:戸建・コンドともに約1年振りに減少
戸建 | コンドミニアム | |
12月末日の在庫物件数 | 597件 | 1,170件 |
前月比 | 682件(12.5%減) | 1,244件(5.9%減) |
前年比 | 309件(93.2%増) | 946件(23.7%増) |
2022年に入って少しずつ増加していた市場の在庫物件数ですが、12月は戸建・コンドミニアムともに減少となりました。増加が続いていた期間は、「新しく売りに出される物件が減少、成約する物件も減少、結果として市場に残された物件が少しずつ増えていく」という形でした。12月は新しく売りに出された物件数がこれまで以上に減少した一方、成約件数は半年振りに増加したため、購入可能な物件数が1年振りに減少したようです。
12月に販売を開始した物件が少ないのは毎年のことです。ホリデーシーズンはの忙しさや、特に短期賃貸をしている物件は書き入れ時で内見を入れづらく、戸建・コンドミニアムともに新規のリスティングが減る時期です。1年のサイクルを外れて成約件数が増加した事が、市場の物件数に影響を与えたと言えるでしょう。
買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに20日間以上に
戸建 | コンドミニアム | |
12月の買い手が つくまでの日数中央値 |
25日間 | 21日間 |
前月比 | 18日間(38.9%増) | 18日間(16.7%増) |
前年比 | 11日間(127.3%増) | 13日間(61.5%増) |
物件を市場に出してから買い手がつくまでの日数中央値は、2022年12月、大きく増加しました。とくに戸建は昨年同月の二倍以上となり、マーケットの過熱が始まる前の水準に戻ったと言えます。下のグラフは上と同じ内容ですが、期間を広げ、過去51ヶ月(4年3ヶ月)分を表示したグラフです。2020年から2022年にかけて飛ぶような速さで物件が売れ、今年に入って徐々に買い手がつくまでの日数が伸びてきたことがよく分かります。
もう1点目を引くのは、2020・2021年は常にコンドミニアムよりも戸建が早く売れていたということです。2018・2019年は特にどちらが早いということもありませんでしたが、2020・2021年の2年間は明らかに戸建が早く売れ、2022年に入ってまたその差がなくなってきた、という流れです。コロナが恐れられていた時期は、人との接触が少ない戸建が好まれましたが、コロナへの恐怖が薄れた2022年はコンドミニアムの人気も戻ってきたということでしょう。この面においては、購入者の感覚はコロナ前に戻ってきていると言えそうです。
一言まとめ!
12月は、2022年の半ばから続いていた傾向に小さな変化が見られた月でした。価格はこれまで通り小さな変動にとどまりましたが、おそらくは金利上昇が抑えられた影響で、戸建・コンドミニアムともに成約件数が前月比約5%の増加となりました。約半年間加速度的に成約件数が減少してきた中、通常は成約数が落ち込む12月に逆に増加するという珍しい事態となりました。ただ、流れを返るほどの大きな変化とは言えず、関係者の多くは2023年も(少なくとも前半は)取引件数が大幅に上昇することはないと見込んでいます。
12月の数字で目を引くのは、買い手がつくまでの日数です。これまで少しずつ日数が増えてきいていましたが、12月は戸建もコンドミニアムも中央値が20日を超え、コロナ以前の水準にだいぶ近づきました。市場に出ている物件数がまだまだ少ないですので、買い手市場であることに変わりありませんが、多くの物件が市場に出て10日程度で買い手がついていた頃と比較すると、余裕をもって検討できるようになりました。
また、本記事公開時点(2023年1月13日)で為替は約128円/米ドルとなっており、日本人にとっては買い時を迎えつつあります。販売価格を下回っての成約も増えており、これまでと比較して価格交渉の余地もあります。コロナ流行から約3年、これまでになく遠く感じられたハワイ不動産でしたが、今年はいよいよ手の届く距離に戻ってきそうな予感です。2023年を華々しいハワイ不動産デビューの年、またはハワイ不動産復帰の年とするために、まずはお気軽にCrossoverまでご相談ください。個々のお客様のご事情に合わせて、適切な物件をご紹介させていただきます。
※グラフ1〜8と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。