2022年7月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:依然高価格ながら、コンドは前月より下落

図1:オアフ島不動産成約価格中央値(1987年〜2022年)
戸建 コンドミニアム
7月の成約価格中央値 $1,107,944 $500,000
前月比 $1,100,000(0.7%増) $534,000(6.4%減)
前年比 $992,500(11.6%増) $475,000(5.3%増)

5月、6月と2ヶ月連続で過去最高を更新したコンドミニアムの成約価格中央値ですが、7月は一転し、前月比6.4%の下落となりました。戸建は先月と比較して上昇ではありますが、増加率は1%に満たず、戸建・コンドミニアムともに価格の伸びは鈍化しています。ただ、戸建・コンドミニアムともに昨年比では上昇しており、未だ価格は高い水準にあります。

取引件数:戸建・コンドミニアムともに前年比22.8%減少

図2:オアフ島不動産取引件数(2019年7月〜2022年7月)
戸建 コンドミニアム
7月の取引件数 312件 518件
前月比 357件(12.6% 626件(17.3%
前年比 404件(22.8% 671件(22.8%

2022年7月の取引件数は戸建・コンドミニアムともに、前月比、昨年比どちらも大幅な減少となりました。6月はかろうじて戸建が前月と比較して増加しましたが、7月は全ての数字が減少となり、市場の風向きの変化が感じられます

昨月のまとめでもご説明した通り、現在エスクローに入っている物件数(取引中物件数)が2-3ヶ月後の成約件数に反映されます。7月は6月に引き続き取引中物件数が減少し、2022年4月から4ヶ月連続で減少傾向となっています。従って、8月以降も取引件数は減少していくものと思われます。

図3:オアフ島不動産取引中物件数(2019年7月〜2022年7月)

2022年6月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!
取引中物件数に関する説明は「2 取引件数:戸建・コンドミニアムともに減少」をご参照ください。


市場の物件数:戸建・コンドともに増加

図4:オアフ島不動産市場在庫数(2019年7月〜2022年7月)
戸建 コンドミニアム
7月末日の在庫物件数 576件 1,050件
前月比 527件(9.3% 998件(5.2%
前年比 415件(38.8% 969件(8.4%

2022年7月、市場の物件数は戸建・コンドミニアムどちらも前年比、前月比ともに増加となりました。ただ、下の表から分かるように新しく市場に出された物件数自体は昨年同月よりも減少しており、「新しく市場に出される物件数が増えたから市場在庫数が増えた」ということではなく、「取引件数が減少したために市場在庫数が増えた」ということのようです。

図5:オアフ島不動産新しく市場に出された物件数(2019年7月〜2022年7月)

買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに前月より1日延長

図6:オアフ島不動産成約までの日数中央値(2019年7月〜2022年7月)
戸建 コンドミニアム
7月の買い手がつくまで
の日数中央値
11日間 12日間
前月比 10日間(10.0% 11日間(9.1%
前年比 9日間(22.2% 11日間(9.1%

物件を市場に出してから買い手がつくまでの日数中央値は、戸建・コンドミニアムでそれぞれ先月から1日延長し、戸建が11日間、コンドミニアムが12日間となりました。昨年同月と比較しても日数は1-2日延長しており、わずかながら市場が落ち着いてきたことが分かります。

一言まとめ!

2022年7月は、ほぼ全ての指標が市場の平常化への方向転換を示す結果となりました。どの数字も依然として高いものの、価格上昇の鈍化、取引件数の減少、市場物件数の増加、買い手がつくまでの日数が延長となり、明らかにこれまでの過熱状態から様相が変化しつつあることが分かります。

ではここから買い手市場になるのでしょうか。とても気になる点ですが、それはまだ先のようです。Honolulu Board of Realtors(ホノルル不動産協会)の会長は「住宅ローン金利の上昇を受けて7月も需要は引き続き減少傾向だったが、取引件数が減少している一方で、物件の動きは依然として早い」とコメントしています。また、American Enterprise Institute(米国企業研究所)のディレクターは現在の状況を「とんでもない売り手市場から適度な売り手市場に移行しただけ」と要約しています。これは米国全体の不動産市場について話したものですが、ハワイ不動産市場はまだ「とんでもない売り手市場」寄りではあるものの、同じ傾向にあると言えるでしょう。

アメリカの不動産市場において売り手市場と買い手市場を見分ける一般的な物差しの1つとして、成約件数と市場在庫数を比較する方法があります。市場の物件数を成約件数で割り、数字が7を超えた場合は買い手市場、5を下回る場合は売り手市場、5-7は中立の状態と判断します。7月のオアフの数字で計算すると以下の通りです。

戸建
市場の物件数(576件)÷ 成約件数(312件)= 1.85
コンドミニアム
市場の物件数(1,050件)÷ 成約件数(518件)= 2.03

※どちらも小数点第3位以下四捨五入

戸建もコンドミニアムも売り手市場の目安となる5を大幅に下回っており、ハワイ不動産はまだ完全な売り手市場と言えます。この数字が7を上回るにはまだまだ先のこととなりそうですが、少しずつ買い手市場に向かって変化していることは確実ですので、物件の売却をお考えの方はできるだけ早く動いた方が良さそうです。まずはお気軽にCrossoverまでご相談ください。

動画

上記の内容を動画にしました。文字より音声派の方はこちらをどうぞ。


売却をご検討中の方にお読みいただきたい「ハワイ不動産売却のススメ!」シリーズ
Vol.1 今は空前のハワイ不動産売却のチャンス!?


※図1〜6と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。