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成約価格中央値:戸建ては前月比より減少、コンドは僅かに上昇

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年6月〜2025年6月)
戸建 | コンドミニアム | |
2025年6月の成約価格中央値 | $1,125,000 | $510,000 |
前月比 | $1,175,000(4.3%減) | $500,000(2.0%増) |
前年同月比 | $1,120,000(0.4%増) | $530,000(3.8%減) |
2025年6月期の成約価格中央値は、前年比において、戸建が減少、コンドミニアムは僅かに上昇する結果となりました。一方で、前年比については戸建で0.4%の微増、コンドミニアムで3.8%の減少と若干の変化が見られます。
引き続き大きな変動は見られず、2025年も後半に向かう6月時点においても、安定した推移が続いています。
取引件数:戸建とコンドともに前年比上昇、戸建は前月比も大幅上昇

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2022年6月〜2025年6月)
戸建 | コンドミニアム | |
2025年6月の取引件数 | 289件 | 358件 |
前月比 | 235件(22.98%増) | 374件(4.28%減) |
前年同月比 | 258件(12.0%増) | 355件(0.8%増) |
2025年6月期の取引件数は、前年同月比で戸建・コンドミニアムともに増加する結果となりました。特に戸建については、前月比で約23%の大幅な増加を記録しており、過去2年間で最多の取引件数となっています。
一方で、累計取引件数については、戸建・コンドミニアムともに昨年と比較してやや減少傾向にあります。特にコンドミニアムは、2023年度と比較して10%以上の減少が見られます。現時点では、この数字が市場に直接的な影響を及ぼしている様子は見られませんが、今後も引き続き注視していきたいと思います。

市場の物件数:全体の在庫物件数は過去3年間で最も多い水準

グラフ4:オアフ島不動産-市場在庫数(2022年6月〜2025年6月)
戸建 | コンドミニアム | |
2025年6月の在庫物件数 | 861件 | 2,542件 |
前月比 | 818件(5.2%増) | 2,556件(0.6%減) |
前年同月比 | 653件(31.9%増) | 1,729件(49.2%増) |
2025年6月期の市場物件数は、戸建・コンドミニアムともに引き続き上昇傾向が見られますが、コンドミニアムについては久しぶりに0.6%の減少となりました。一方、全体の在庫物件数は前月を上回り、過去3年間で最も多い水準に達しています。
買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建とコンドともに前月比前年比どちらも増加傾向

グラフ5:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2022年6月〜2025年6月)
戸建 | コンドミニアム | |
6月の買い手がつくまでの日数中央値 | 24日間 | 40日間 |
前月比 | 21日間(14.3%増) | 39日間(2.6%増) |
前年同月比 | 15日間(60.0%増) | 26日間(53.8%増) |
2025年6月期のDOM(成約までの日数中央値)は、戸建・コンドミニアムともに前月比で増加し、前年比でも先月に引き続き50%以上の増加を記録しています。
特に戸建の増加が顕著で、市場在庫数の拡大が止まらない中、需要と供給のバランスが保たれていないことが、この数字からも読み取れるのではないでしょうか。
一言まとめ
2025年6月期の不動産市場は、引き続き買い手にとって有利な「供給過多」の状況が続いています。
6月下旬には、アメリカが中東の核関連施設に対して大規模な軍事介入を実施し、これにより国際市場は一時的に強い緊張感に包まれました。
しかしハワイ不動産市場においては、成約中央値価格や取引件数に大きな変動は見られず、世界情勢の不安定さが続く中でも、比較的安定した動きを示しています。
リーマンショックやコロナ禍の時代にも見られたように、アメリカの一部でありながら外部の影響を受けにくいという、島ならではの独特な存在感が、世界が混乱する局面においてより一層際立つのがハワイ不動産の強みといえるでしょう。
2025年7月3日時点の住宅ローン金利は6.67%と、1ヶ月前の6.85%からは、やや低下傾向にあります。一方で、トランプ政権による利下げの要請に関しては依然として不透明な部分が多く、住宅購入希望者は高金利と価格上昇の圧力に直面しています。売り出し物件数が増加しているにもかかわらず、購入力の低下が取引の足かせとなっている様子がうかがえます。

グラフ5:Freddie Mac米国住宅固定ローン金利(2025年7月03日時点)
2025年6月期のUSD/JPY為替は、一時アメリカの中東情勢への介入を受けて148円に迫りましたが、その後142円台まで戻り、現在は145円前後で推移しています。揺れ動く世界情勢とアメリカの金融政策は、今後もしばらく為替の不安定要因として影響を与え続けそうですね。

グラフ6:Trading View 米ドル・日本円為替チャート(2025年7月10日時点)
激動するアメリカ情勢の中にあっても、ハワイの不動産市場は今月も売買ともに総合して安定した動きを維持しています。
Crossoverでは、ハワイ不動産歴20年以上のベテランブローカーや、日米両国の不動産事情に精通した代表をはじめ、経験豊富なスタッフがチーム一丸となって、お客様一人ひとりに寄り添ったサポートを行っております。ハワイ不動産の購入・売却・管理に関してご興味・ご質問・ご不安などございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
※グラフ1〜4、表1、表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ5はFreddie Macより引用。
※グラフ6はTrading Viewより引用。