2025年5月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

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成約価格中央値:戸建て、コンドともに前年比で上昇、前月比では僅かな変動

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年5月〜2025年5月)

戸建コンドミニアム
2025年5月の成約価格中央値$1,175,000$500,000
前月比$1,170,000(0.4%増)$505,000(1.0%減)
前年同月比$1,085,000(8.3%増)$495,000(1.0%増)

2025年5月期の成約価格中央値は、戸建てとコンドミニアムともに前年比において、上昇傾向が見られました。一方で、前月比については戸建で0.4%の微増、コンドミニアムで1.0%の減少と若干の変化が見られます。

引き続き目立った変動は見られず、2025年も中盤に差し掛かった現在においても、安定した動きを維持しています。

取引件数:戸建とコンドともに前月比微減

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2022年5月〜2025年5月)

戸建コンドミニアム
2025年5月の取引件数235件374件
前月比241件(2.5%減)395件(5.3%減)
前年同月比249件(5.6%減)478件(21.8%減)

2025年5月期の取引件数は前月と比べてやや減少したものの、戸建・コンドミニアムともに今年に入ってからは引き続き高水準を維持しています。前年比ではコンドミニアムの取引件数が大幅に減少していますが、これは昨年5月の取引件数が過去2年半で最も多かったことが要因と考えられます。

累計取引件数については、戸建・コンドミニアムともに昨年と比べてやや減少傾向にあります。2025年に入り、アメリカの政権交代や経済の不透明感が続いていることから、投資家に加えて実需で購入を検討している層においても、より慎重な姿勢が見られるようになってきています。

表1:オアフ島不動産-取引件数(’23-’25年累計比較)

市場の物件数:戸建とコンドともに増加傾向継続

グラフ4:オアフ島不動産-市場在庫数(2022年5月〜2025年5月)

戸建コンドミニアム
2025年5月の在庫物件数818件2,556件
前月比805件(1.6%増)2,512件(1.8%増)
前年同月比640件(27.8%増)1,651件(54.8%増)

2025年5月期の市場物件数は、戸建・コンドミニアムともに前月からさらに増加し、過去3年のデータと比較しても過去最多の在庫数となりました。

2022年5月の物件数は、戸建で471件、コンドミニアムで939件だったため、この3年間で2〜3倍の物件が市場に出ていることになります。コロナ禍で停滞していた新築プロジェクトやリセール物件が、ここにきて一気に動き出してきた印象です。

数字だけを見ると、供給過多に見える部分もありますが、現時点では市場に大きな悪影響が出ているという実感はありません。今後の動向を慎重に見守る必要がありそうです。

買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建とコンドともに前月比減少

グラフ5:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2022年5月〜2025年5月)

戸建コンドミニアム
5月の買い手がつくまでの日数中央値21日間39日間
前月比29日間(27.6%減)43日間(9.3%減)
前年同月比14日間(50.0%増)25日間(56.0%増)

2025年5月期のDOM(成約までの日数中央値)は、戸建て・コンドミニアムともに前月比で減少する結果となりました。

一方で、前年同月比では引き続き50%以上の増加が見られており、市場の成約スピードは前年に比べて鈍化していることがわかります。これは需要と供給のバランス変化や、買い手の慎重な動きが影響している可能性があります。

一言まとめ

2025年5月期の不動産市場は、引き続き回復基調を維持しており、成約中央値価格や取引件数においても目立った変動はなく、安定した動きを見せています。

ただし、市場在庫数に関しては引き続き増加傾向にあり、注意が必要です。これは売り手にとって、市場調査をしっかり行い、適正な価格設定を行うことがこれまで以上に重要であることを意味します。価格設定を誤ると、通常よりも成約までに時間がかかる可能性がある点にも留意が必要です。

一方で、買い手にとっては選択肢が増えることで、条件に合った物件を見つけやすくなり、価格交渉の余地が生まれる可能性もあります。

アメリカ国内では、今月も激動の1ヶ月となっています。2025年に入り、関税問題に大きな注目が集まっていましたが、今月はトランプ氏とイーロン・マスク氏の決裂や、移民の強制送還を巡る抗議デモの激化により、人々の関心はさまざまな方向へと向かっているようです。

特に移民デモについては、ロサンゼルスで海兵隊が配置されたのは、1992年のロサンゼルス暴動以来初めてのことであり、事態の深刻さがうかがえます。

ハワイでも、米国移民・関税執行局(ICE)によって逮捕された人々が、ホノルルの連邦拘留センターに収容されるケースが増加しています。対象は不法移民にとどまらず、学生ビザ保持者やグリーンカード保持者など、あらゆる非米国市民に及んでいるようです。渡航の際は、十分にご注意ください。

なお、2025年6月5日時点の住宅ローン金利は6.85%と、前月から上昇傾向にあります。トランプ氏は6月に入り、自身のSNSアカウントで「Too Late(もう手遅れだ)」と発信しつつ、改めてFRB(米連邦準備制度理事会)の議長に対し利下げを強く求めています。

グラフ5:Freddie Mac米国住宅固定ローン金利(2025年6月05日時点)

2025年5月期のUSD/JPY為替は、先月から大きな変動は見られず、145円台前後を行き来する状況が続いています。
一時は148円台まで上昇し、「このまま150円台に戻るのか」と思われた時期もありましたが、5月後半からは再び145円をわずかに下回る水準で落ち着いています。

グラフ6:Trading View 米ドル・日本円為替チャート(2025年6月12日時点)

さまざまな動きが続くアメリカ情勢の中でも、ハワイ不動産市場は今月も売買ともに堅調な動きを見せています。

Crossoverでは、ハワイ不動産歴20年以上のベテランブローカーや、日米両国の不動産事情に精通した代表をはじめ、経験豊富なスタッフがチーム一丸となって、お客様一人ひとりに寄り添ったサポートを行っております。ハワイ不動産の購入・売却・管理に関してご興味・ご質問・ご不安などございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜4、表1、表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ5はFreddie Macより引用。
※グラフ6はTrading Viewより引用。