2025年3月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

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成約価格中央値:戸建ては前月比下落、コンドは増加

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年3月〜2025年3月)

戸建コンドミニアム
2025年3月の成約価格中央値$1,160,000$500,000
前月比$1,185,000(2.1%減)$494,000(1.2%増)
前年同月比$1,070,000(7.5%増)$505,000(1.0%減)

2025年3月期の成約価格中央値は、戸建てが前月比2.1%減と若干下落した一方、コンドミニアムは前月比1.2%増の$500,000という結果になりました。

しかし前年比では、戸建は7.5%増と増加傾向にあり、コンドミニアムは1.0%減にとどまっており、目立った変化はなく安定した動きを見せています。

取引件数:戸建とコンドともに大幅上昇

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2022年3月〜2025年3月)

戸建コンドミニアム
2025年3月の取引件数206件369件
前月比167件(23.4%増)293件(26.0%増)
前年同月比230件(10.4%減)344件(7.3%増)

2025年3月期の取引件数は、戸建・コンドミニアムともに前月比で大幅増加、特にコンドミニアムは前年比でも7%以上の増加となりました。一方で戸建ての前年比は約10%の減少となりましたが、2025年に入ってから1番の数字となります。

累計取引件数を見ると、戸建てはこの2年間で多少の増減を経ながらも着実に増加しています。一方、コンドミニアムは2年間で6.7%減少しましたが、1年間で見ると微増し、0.4%の増加となっています。

表1:オアフ島不動産-取引件数(’23-’25年累計比較)

市場の物件数:戸建とコンドは増加傾向継続

グラフ4:オアフ島不動産-市場在庫数(2022年3月〜2025年3月)

戸建コンドミニアム
2025年3月の在庫物件数773件2,302件
前月比728件(6.2%増)2,160件(6.6%増)
前年同月比581件(33.0%増)1,493件(54.2%増)

2025年3月期の市場物件数では、戸建てとコンドミニアムともに前月から約6.0%増加しました。前年同月比では、戸建てが33.0%増、コンドミニアムが54.2%増となっており、昨年から1.5倍から2倍に近い数の物件が供給されています。

このような状況が続いている中、今後の米国の経済政策が市場にどのような影響を与えるか、注意が必要な数字となっています。

買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建とコンドともに激減

グラフ5:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2022年3月〜2025年3月)

戸建コンドミニアム
3月の買い手がつくまでの日数中央値15日間20日間
前月比23日間(34.8%減)48日間(58.3%減)
前年同月比31日間(51.6%減)29日間(31.0%減)

2025年3月期のDOM(成約までの日数中央値)は、戸建て・コンドミニアムともに大幅に減少し、好調な結果となりました。前年比でも30〜50%の減少となっており、市場が大きく動いた1ヵ月であったことがうかがえます。

先月に引き続き在庫数の増加ペースが非常に速いため、今後の動向には引き続き注意が必要ですが、今月は取引件数・DOMともに大きく回復した結果となりました。

一言まとめと今後の経済見通し

2025年3月期の不動産市場は、2月期に続き需要回復が求められる状況ではあるものの、戸建およびコンドミニアムの取引件数が大幅に増加し、非常に活発な1ヶ月となりました。

一方で、世界経済に広範な影響を及ぼすと見られるトランプ政権による本格的な関税政策が発表された月でもありました。アメリカ市場へのアクセスコストが上昇することで、輸出国は価格競争力を失い、貿易量の減少や製造業の停滞につながる可能性があります。また、各国が保護主義的な措置を取る動きが強まれば、グローバルなサプライチェーンの混乱が加速し、企業のコスト構造や利益率にも深刻な影響を与える恐れがあります。その結果、インフレ圧力が続く一方で、消費や投資が抑制され、世界的な景気後退リスクが高まることも懸念されます。

アメリカ国内では株式市場の下落に加え、2月より始まった消費者主導のボイコット運動「Economic Blackout Tour」がさらに勢いを増しています。4月から5月にかけては、Walmartやマクドナルドなど大手企業を対象としたボイコットが計画されており、SNSを通じて特に若年層の間で注目が集まっています。

加えて、アメリカではイーロン・マスク氏が主導する「政府効率化省(DOGE)」によって政府機関の大規模な縮小が進行中であり、これに伴い連邦職員の人員削減も加速しています。この影響はハワイ州にも波及しており、これまで地元経済を支えてきた軍関係者や政府職員が守りの姿勢に入ることで、不動産市場の需要減退が懸念されています。

こうした動きから、米国の関税政策が長期化した場合、世界経済はより分断的かつ不安定な局面に突入し、各国が自国経済の防衛に奔走する「ブロック経済」的な状況へと移行する可能性も否定できません。

とはいえ、私たち消費者にとって今もっとも避けるべきは、過剰な不安による混乱です。米国では、生活必需品や電子機器の買い溜めを控えるよう呼びかけが行われており、どこかコロナウイルス感染拡大初期の空気感を想起させる状況でもあります。振り返れば、あのときも冷静な対応さえあれば避けられた混乱が多くあったと感じます。

住宅ローン金利は、2025/4/3時点で6.64%となっており、先月からほとんど変動はありませんが、この経済状況を踏まえると今後の動向には注意が必要です。

グラフ5:Freddie Mac米国住宅固定ローン金利(2025年4月03日時点)

2025年3月期のUSD/JPY為替は、先月と同様に円安でありながらも、円高傾向が続いています。しかし、自動車関税や相互関税が発表されてからは、特に145円台前後を行き来する状況が続いています。

日本は長期間にわたって円安ドル高に悩まされており、ある意味、抜けられない沼にハマっていた部分もあります。そのため、今後この経済政策が吉と出るのか凶と出るのかは、皆様の個々の状況にもよるかと思いますが、どちらに転んでもすぐに軌道修正できるよう、慎重に取引を進めることが重要です。

グラフ6:Trading View 米ドル・日本円為替チャート(2025年4月09日時点)

今月は、先週ご紹介したワードビレッジの新プロジェクト「メリア&イリマ」の先行販売が開始され、引き続き新築プロジェクトの購入や買い替えが活発に行われている印象です。現在、不動産市場は供給過多の状態ですが、経済の動きに合わせて市場動向を慎重に観察していけば、上手に資産形成を進めることができる1年になると考えています。ぜひ、共に注視していきましょう!

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜4、表1、表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ5はFreddie Macより引用。
※グラフ6はTrading Viewより引用。