2021年10月ハワイ不動産市場動向 – ホリデーシーズンへ向けて市場に変化?

成約件数:ピーク時より減少

2021年10月、ハワイ州全体で戸建ての成約件数は381件コンドミニアムの成約件数は611件でした。戸建てが前月比10.1%減・昨年同月比10.4%増、コンドミニアムが前月比0.7%減・昨年同月比27.3%増です。どちらも昨年よりは高いものの、9月より低いという結果になりました。

下の図1は2018年10月〜2021年10月の3年間の成約件数を表したグラフです。各年の10月に丸印をつけ、今年1〜10月を青で覆いました。今年に入って成約件数が大きく伸び、10月もピークとなった今夏と比較すると下がってはいるものの、パンデミック以前を含む過去3年間よりも、高い数字を記録したことが分かります。

図1:2018年10月から2021年10月の成約数推移

このまま勢いを失ってしまうのか

今年6月をピークに成約件数が徐々に下がってきており、ハワイ不動産市場このまま勢いを失ってしまうのか、ご不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。でもその心配はなさそうです。ハワイ不動産の成約件数には1年間の周期があります。通常春から夏にかけて成約数が伸び、秋口から落ち着きはじめ、翌年1・2月に年間で1番低い数字となります。2020年はイレギュラーな年であり、その周期が乱れましたが、図1を見ると2019年はその周期に沿った動きをしていたことがお分かりいただけるでしょう。

秋口から米国のホリデーシーズンとなるため、不動産売買の動きが一時的に停滞することや、ホテルコンドミニアムや短期賃貸に出している物件はホリデーで稼働が上がり、内見が難しくなることがこの周期を作り出していると考えられます。一般に不動産の成約(引き渡し完了)には1〜2ヶ月かかりますので、11月、12月に停滞した動きが1月の成約数の落ち込みとして現れます。

よって今年もおそらく、来年初旬まで緩やかに数字が落ちて行き、春先からまた大きく伸びていくと考えられます。

平均成約価格:緩やかな上昇が継続

新型コロナ発生以来、高価格帯の物件が人気であることは最早周知の事実ですが、2021年10月もその傾向に変化はありませんでした。平均成約価格は戸建てが$1,335,171で昨年同月比25.3%増、コンドミニアムが$582,509で昨年同月比21.4%増となりました。平均価格が1年で1/5〜1/4も上がるというのは素晴らしい伸びです。

図2は2018年10月〜2021年10月の3年間の平均成約価格を表したグラフです。成約件数ほど大幅な変化ではありませんが、緩やかに上昇し続けていることがわかります。

図2:2018年10月から2021年10月の平均成約価格推移

高価格帯物件購入の動機に変化?

平均成約価格上昇の背景にはいくつか要因がありますが、需要が大きいため売主の希望価格で成約するケースが多いこと、高価格帯の物件成約が多くなっていることが影響していると言えるでしょう。

図3:戸建て-価格帯別成約数2020年10月と2021年10月比較
図4:コンドミニアム-価格帯別成約数22020年10月と2021年10月比較

上の図3、図4はそれぞれ戸建てとコンドミニアムの価格帯別成約件数です。図中の色が濃いグラフが今年10月、薄いグラフが昨年10月を示しています。戸建ては$900,000以上、コンドミニアムは$600,000以上の成約数が昨年を超え、それ以下の価格帯ではどちらも成約数が下がっていることがわかります。コンドミニアムに関しては$150,000〜$299,999のリーズナブルな価格帯も増加が見られますが、高価格帯の伸びの方が大きいため、平均成約価格は上へ引っ張られました。

昨年は「自宅で過ごす時間が増えたために、より良い家へ住み替えたい」という動機が多く聞かれましたが、今年に入ってからは「移動や活動の制約によってお金を使う機会が限られ、その分を不動産に回す」形で、コロナ以前に検討していた価格帯よりもワンランク上の物件を購入する人が増えているようです。富裕層が超高価格帯の物件を購入して平均価格を釣り上げているというよりも、全体的に一つ上の価格帯へシフトしている様子がグラフからも読み取ることができます。

販売中物件数:これまでと変わらず限られた供給

需要が高く供給が低い状況は相変わらずです。10月最終日に販売中(購入可能)であった物件は、戸建てが401件で昨年同月比23%減コンドミニアムが1039件で39.4%減となりました。

成約件数の段でご説明した通り、ホリデーシーズンは不動産売買に関する活動が停滞します。来年1、2月まで、新しく市場に出される物件はさらに少なくなる見通しです。

図5:2018年10月から2021年10月の販売中物件数推移

成約までの日数:引き続き(ほぼ)史上最短をキープ

戸建てが「市場に出てから成約するまでの日数」は今年1月以来常に10日未満となっていましたが、10月に10ヶ月振りに10日間となり、今年初めて2桁となりました。一方コンドミニアムは先月と変わらず、11日間となっています。戸建て・コンドミニアム共に、人気の物件は市場に出る側からオファーが入り、良い条件で話がまとまるというスピーディな流れに変化はありません。

図r:2018年10月から2021年10月の成約までの日数推移

2021年10月:売れたコンドミニアムはココ!

2021年10月、オアフ島で成約件数が多かったコンドミニアムTop 10をご紹介します。10件中4件がホテルコンドミニアム、かつほとんどがホノルルに立地する物件となりました。ハワイがお好きな方には馴染みのある物件も多いのではないでしょうか。

表1:2021年10月オアフ島で成約したコンドミニアムTOP10

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※図1〜6:Honolulu Board of Realtors提供資料より引用
※表1:Title Guaranty Hawaii提供資料より作成