2021年5月ハワイ不動産市場動向 – アツいエリアとコンドを分析!

戸建てもコンドミニアムも相変わらずの好調!

2021年5月も、ご覧の通り順調な伸びを見せたハワイ不動産市場。戸建て・コンドミニアムともに成約件数、成約価格は上昇し、買い手がつくまでの日数と市場在庫数は減少しています。

パンデミックの影響から完全な復活を果たし、これまでの記録を塗り替えるほど好調な現在、異常事態であった昨年の数字との単純な比較はあまり意味のないものになってきました。特に昨年5月はハワイ州での外出規制を受け、不動産市場が最も落ち込んだ時期ですので、今年5月との差は非常に大きくなっています。

2021年5月オアフ島戸建て

2021年5月オアフ島コンドミニアム

Honolulu Board of Realtors発行資料引用

更に加速するマーケット

物件が市場に出てから買い手がつくまでの日数中央値は、更に短くなりました。戸建ては8日間、コンドミニアムは12日間です。これは物件がMLS(日本のレインズのように、ハワイの全ての売り物件が登録されているシステム)に掲載されてから希望者が内覧、オファー(購入希望の書面)を提出し、売主が複数のオファーの中から1件に決定するまでの日数ですので、大変なスピード感であることが分かります。

特に戸建ては時差と物理的な距離の問題で、日本人のお客様には購入が非常に難しくなっていることは否めません。需要が供給を上回っている状態ですので、買い手は購入希望金額だけでなく、現金払いであること、現地で内覧できることなど、より良い条件を揃えなければ物件を購入することができなくなっています。

成約までの期間中央値推移(黄:コンド/緑:戸建て)

Honolulu Board of Realtors発行資料引用

ホノルル&コンドミニアムの人気が復活!

昨年はコロナの影響により、不動産が売れるエリアにも変化がありました。パンデミック以前は戸建てはリーワード、コンドミニアムはホノルルが圧倒的な人気エリアでした。しかしコロナの流行に伴い、オアフ島では人口密度が高いホノルルや、人との接触が多いコンドミニアムが敬遠された結果、ホノルルのコンドミニアムは他の地域と比較して大きな下げ幅を記録しました。

下の表は、エリア毎に戸建て、コンドミニアム、土地の取引件数をまとめたものです。2020年5月時点の資料で、棒グラフは該当年を含む直近4年間(2017〜2020年5月)の推移を表しています。ここから分かるように、2020年5月時点ではウィンドワードの戸建て以外全ての指標がマイナスとなっており、中でもホノルル全体とコンドミニアムの成約件数が顕著に減少しました。

2020年5月オアフ島エリア別成約件数

一方、下は2021年5月の数字です。昨年下がったエリアがしっかりと復活していることが分かります。ホノルル全体と、島の東側エリアのコンドミニアムの成約件数が大幅に増加しました。ワクチン接種が進み、人が多い場所や集合住宅を避ける気持ちが薄れたことと、昨年買い控えた海外の購入者が戻ってきたと推測できます。

ノースショアの戸建てが200%増加している点が目を引きますが、これはノースショアの取引件数が少ないので、他のエリアより小さな件数の上下が大きな割合の変化として表示されるということのようです。ただ、ノースショアの全取引件数29件中19件が$1M〜3M、1件が$3.1M超えであり、他のエリアと比較して高額物件の割合が非常に高くなっています。「ワーケーションをするメインランドの富裕層が静かなエリアの高額物件を購入する」という、コロナ禍で生まれたトレンドを反映している可能性がなきにしもあらずです。

2021年5月オアフ島エリア別成約件数

Title Guaranty Hawaii発行資料引用

外国人バイヤーが戻ってきた

コロナによって人気のエリアが影響を受けたことと同様に、昨年は売れたコンドミニアムも例年とは少し傾向が異なりました。以下は2020年1年間のコンドミニアム取引件数TOP10です。日本人を含む外国人バイヤーの購入が低調になったことで、ローカルの人が好むコンドミニアムの取引件数の割合が相対的に大きくなったようです。

投資や賃貸収入を目的とした購入ではなく、居住目的の物件購入の割合が増えたことで、短期レンタルやバケレン不可の物件が多くランクインしました。また、ランキング10位のMakakilo Cliffsはコンドミニアムではなくタウンハウスです。コンドミニアムとタウンハウスを1つのカテゴリーとして集計しているので、タウンハウスがランクインしてもおかしくはないのですが、パンデミック以前の数年はランクに入ることは稀でした。

2020年オアフ島コンドミニアム成約数ランキング

以下は今年1〜5月の合計です。順位に「※」がついているものは去年のランキングと重複する物件です。10件中6件が昨年と重複しており、コロナに左右されない根強い人気を持つプロジェクトがあることが分かります。

一方、昨年との違いは短期レンタルやホテルとしてレンタルできる物件の割合が増えたこと、リーワードの物件が減り、ホノルルの物件が増えたことでしょう。これはどちらも外国人バイヤーに好まれる条件であり、外国人バイヤーがしっかりとハワイに戻ってきていると言えそうです。

2021年1-5月オアフ島コンドミニアム成約数ランキング

※成約件数:Title Guaranty Hawaiiが発表した各月売上上位10件の件数を合計したものです。
※価格帯:MLSに掲載された過去6ヶ月間の成約事例を参考としたおおよその数字です。


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4月のランキングでも1位となったHale Ka Laeを画像付きでご紹介しました。
2021年4月ハワイ不動産市場動向 – 売れたコンドミニアムTOP10!


外国人バイヤーによる取引件数は昨年第二四半期に底を打ち、2020年後半から徐々に回復していましたが、こうして売れるコンドミニアムの傾向にもそれは表れているようです。近々今年第一四半期の外国人バイヤーの動向まとめが発表される予定ですので、より具体的な数字をお届けします。