現金で購入するのに必要なこととは?
契約書5ページ目、6ページ目を見ていきましょう。
H-1:No Contingency on Obtaining Cash Funds
(資金調達を条件としない)
現金でハワイ不動産を購入する場合の条項がこちら。H-1は、100%手元にある自己資金で購入するという意味になります。この場合は、実際にその資金を保有していることを証明する必要があります。証明とは、銀行に依頼して英文で残高証明書を作成してもらうのがベストですが、そこまで厳密なものでは無くとも証明ができればOKなので、直近の通帳記帳のコピー(表紙のページ+最終残高が確認できる状態のページ)や、証券会社から毎月送られてくる保有資産レポートのコピーのようなものでも使用可能です。
この資産証明の提出は、売買契約成立日から5日前後で必要になりますので、オファーを入れる前にご用意をしておくことをお勧めします。
H-2:Contingency on Obtaining Cash Funds
(資金調達を条件とする)
こちらも現金購入であることは変わらないですが、まだ手元に100%現金がない場合、こちらの条項が必要になります。
これから現金を確保する方法として、1)買主が所有する不動産を売却、2)親や親族からの贈与、3)投資からの引き出し、4)ホーム・エクイティ・ローン、5)その他(この場合具体的な方法を記入)から選択して、それに対する証明を提出する期日も指定します。その未確定状態の解消ができない場合、また期日までに実際に資金が用意できない場合には解約となります。
ホーム・エクイティ・ローンは日本ではなじみがないかもしれませんが、アメリカではよく見かけます。ローンで購入した家の、返済済みの金額分を担保に融資を受けるというものです。
ローンを利用する場合に必要な書類とは?
H-3:Financing Contingency(ローン条項)
日本でいう「ローン条項」に相当するのがこの項目になります。取引を進めるためには、購入するに足りる融資が実行される旨が記載されている「コミットメントレター(Commitment Letter)」金融機関から入手し、次のH-4に記載した期日までに提出する必要があります。入手できない場合は、もちろんその時点で解約が可能です。
金融機関から「コミットメントレター」を入手したにも関わらず、期日までに融資が実行されない場合にも解約可能となります。また、ローンを申請したものの条件が合わなかった場合等は、(1)ローン条項を免責し現金購入に切り替える、(2)現金比率を上げて金融機関の融資条件を満たすかどうかを選択し、速やかにその旨を証明書と共に書面で売主へ通知する必要があります。
日本の銀行から所有している株などの金融資産を担保に融資を受ける場合、売主からすると「現金購入」となります。また、東京スター銀行などが提供している、購入物件担保で融資を受ける場合はH-3もチェックが必要になります。
H-4: Buyer’s Obligations (買主の義務)
ローンを利用する場合に買主が提出しなくてはならない書類とその期日が記載されます。まずは、H-3で述べたコミットメントレターよりも前に、まずは「プレ・クオリフィケーション・レター(Pre-Qualification Letter)」を入手する必要があります。これはローンオフィサーか銀行のローン担当者に、収入や資産を証明する書類を提出し作成してもらいます。この時点ではまだ購入物件が決まっていなくても作成してもらえます。いわゆる机上審査のみのレターになります。このレターを契約日から何日後提出するかを記載します。通常は5営業日くらいでしょうか。
実際にオファーが通ってから具体的な購入物件の審査も入り「コミットメントレター」を入手していくことになります。その期限もここの項目で決めます。
強いオファーとは?
人気の高い物件になると何人もの買手からオファーが入ることも珍しくありません。そんな時売主は、一番魅力的なオファーを選ぶことが出来ます。もちろん金額が一番高いというのが重要な条件ですが、仮に同じ金額のオファーであれば、現金購入なのかローンを使うのかでオファーの「強さ」が違います。ローンが条件になっている場合は、契約手続きが進んでいって途中で解約という危険が増します。そのため通常は現金バイヤーが選択されるのです。そのため、物件購入がより具体的になってきた段階で、先に金融機関で事前審査をしてもらい、プレ・クオリフィケーション・レターを先に入手しておくのも良いでしょう。「ローンを使うが既に事前審査は通っている」と伝えてオファーをすることが可能になります。
ローンの事前審査をご検討の場合も、当社までいつでもご相談くださいませ。日本語ができるローン担当者またはローンオフィサーをご紹介いたします。