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成約価格中央値:戸建・コンドミニアムともに減少傾向

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年11月〜2025年11月)
| 戸建 | コンドミニアム | |
| 11月の成約価格中央値 | $1,100,000 | $487,450 |
| 前月比 | $1,162,500(5.4%減) | $535,000(8.9%減) |
| 前年比 | $1,115,000(1.3%減) | $530,000(8.0%減) |
2025年11月期の成約価格中央値は、前月比・前年比ともに戸建とコンドミニアムの両方で減少しました。特に大きく下がったのはコンドミニアムで、前月比8.9%減となっています。これは2022年11月以来の低水準となりますが、ハワイ不動産市場全体で特段の要因があったわけではないため、一時的な数字のぶれと捉えるのが妥当かもしれません。
取引件数:戸建・コンドともに前月比は減少。戸建は前年比で18.7%増加!

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2022年11月〜2025年11月)
| 戸建 | コンドミニアム | |
| 11月の取引件数 | 241件 | 316件 |
| 前月比 | 261件(7.7%減) | 443件(28.7%減) |
| 前年比 | 203件(18.7%増) | 341件(7.3%減) |
2025年11月期の取引件数は、戸建・コンドミニアムともに前月比で減少となりましたが、前年比では戸建が大幅な増加を記録しました。コンドミニアムの前月比での大幅減少については、先月が1年以上ぶりの最高値だった反動が要因として挙げられるでしょう。
2025年全体を通してみると、ハワイ不動産市場は例年どおり大きな上下動もなく、安定した緩やかな推移を維持した1年だったと言えます。過去2年間と比較すると、戸建の取引件数は順調に増加傾向が続いている一方、コンドミニアムは2025年にかけて2〜6%前後の減少が見られました。為替の変動や利下げの遅れといった外部要因が、投資家の判断に若干の影響を与えたことが考えられます。

市場の物件数:戸建・コンドともに前月比で減少

グラフ3:オアフ島不動産-市場在庫数(2022年11月〜2025年11月)
| 戸建 | コンドミニアム | |
| 11月の在庫物件数 | 724件 | 2,284件 |
| 前月比 | 775件(6.6%減) | 2,341件(2.4%減) |
| 前年比 | 749件(3.3%減) | 2,049件(11.5%増) |
2025年11月の市場物件数は、戸建・コンドミニアムともに前月からわずかに減少し、安定した水準に落ち着きつつあります。特に戸建は、前年比でも久しぶりの減少となりました。
今年半ばには在庫数が過多になるのではないかという懸念もありましたが、7月以降はその心配を払拭するように徐々に在庫が減少し、健全なバランスを保つ推移が続いています。
買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建は安定・コンドは上昇

グラフ4:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2022年11月〜2025年11月)
| 戸建 | コンドミニアム | |
| 11月の買い手が つくまでの日数中央値 | 27日間 | 40日間 |
| 前月比 | 26日間(3.9%増) | 44日間(9.1%減) |
| 前年比 | 24日間(12.5%増) | 32日間(25.0%増) |
2025年11月のDOMは、戸建・コンドミニアムともに前月から大きな変化は見られませんでした。コンドミニアムは前月比で9.1%減となり、前年比と比較するとやや遅れを取っているようにも見えますが、直近数ヶ月の中では良好な水準で推移しています。
2026年度に向けて注意すべき点として、まずコンドミニアムでは物件の維持コスト(管理費や保険料)の上昇が今年に引き続き懸念事項として顕在化しています。
また、今年開始された関税規制の影響により、建築資材や物件の改装・修繕に必要な在庫がすぐに確保できないケースが徐々に増えてきています。そのため、2026年度も工事や改装の遅延リスクを念頭に置き、余裕を持った計画を立てることが推奨されます。
2025年度ハワイ不動産まとめ!
早くも今年が終わりに近づいてきた中、2025年11月期の不動産データが出揃ったことで、2025年度全体の流れをあらためて俯瞰できるようになりました。今年1年を通して見ても、ハワイ不動産市場の底堅さと安定感がしっかりと確認できる年となりました。
一方で、アメリカ本土では、関税問題、政府一部閉鎖、LAでの大規模火災、移民問題など、政治・経済・社会情勢が大きく揺れ動いた1年でもありました。これらの出来事は、短期的には国内の物流や資材供給、建設スケジュールに影響する可能性があり、長期的にはアメリカ全体の投資環境や金利動向、移民政策、ビザ・永住権の発給プロセスなどにも波及することが想定されます。
特に、関税の見直しや移民政策の変化は2026年度以降も継続して大きなテーマとなる可能性が高く、そこから派生するであろう建築資材の価格上昇、物流遅延による建設・修繕工事のスケジュールへの影響投資家の動きやビザ規制問題といった要素は、ハワイ不動産を所有される皆さまにとっても無視できないポイントになってきます。
ハワイ市場は安定的である一方、地理的要因から外部環境への依存度とつながりも強いため、今後もこれらの政策や国際情勢の変化がどのように影響を与えるか、丁寧に注視していく必要があります。2026年に向けて、ハワイ不動産の長期的な価値そのものは揺るがず依然として高い水準を保っていますが、その一方で、世界的な情勢やアメリカ国内の政策動向がより複雑化していく中、これまで以上に「外部環境を見ながら柔軟に判断する力」が求められる1年になりそうです。
住宅ローン金利は2025年12月11日時点で6.22%となり、前月からわずか0.02%の低下が見られました。米政府による利下げ発表以降、急激な変動こそないものの、金利はゆるやかに下降基調を維持しており、市場全体としても慎重ながら安定した推移が続いています。こうした小幅な動きの積み重ねが、今後の購買意欲や投資判断にも徐々に影響をもたらしていく可能性があるため、引き続き注視していく必要があります。

グラフ5:Freddie Mac米国住宅固定ローン金利(2025年12月11日時点)
一方、為替については、皆様もご承知のとおり、今年も円安に悩まされる一年となりました。2025年は156円台前後でスタートし、その後は一時140円前半まで円高方向へ動く局面もあり、「このまま円高の流れに乗るのか」と期待を抱かせた初夏もありました。しかし最終的には再び円安基調が強まり、現状では155円台で年末を迎えそうな状況です。
2026年度についても、当面はトランプ大統領の経済施策が為替市場に大きく影響を与えることが予想されます。今後の推移をしっかりと見守りながら、適切なタイミングを見極めて判断していくことが求められそうです。

グラフ6:Trading View 米ドル・日本円為替チャート(2025年12月12日時点)
為替の動きについては、昨年からお伝えしている通り、今年の展開はある意味で「ドル建て資産を保有する意義」を裏付ける一年となりました。円安が続く局面では、お持ちのドル建て資産をそのまま安定運用として保持する理由になりますし、状況次第では「資産を現金化する絶好のタイミング」と捉えることもできます。
ハワイ不動産は、安定したドル建て資産であると同時に、オーナー自身が滞在して楽しめるという独自の魅力を持つ投資商品です。今年一年の堅調な市場動向や、来年も続く新築プロジェクトの勢いを見ていると、こうした特性を備えた資産はハワイにしかないと改めて強く感じるところです。
Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。
※グラフ1〜4、表1、表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ5はFreddie Macより引用。
※グラフ6はTrading Viewより引用。
