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成約価格中央値:戸建・コンドともに上昇
戸建 | コンドミニアム | |
11月の成約価格中央値 | $1,115,000 | $530,000 |
前月比 | $1,100,000(1.4%増) | $535,000(1.0%増) |
前年比 | $1,100,055(1.4%増) | $516,179(2.7%増) |
2024年11月期の成約価格中央値は、戸建て・コンドミニアムともに若干の上昇となりました。
戸建て物件は90万ドルから120万ドルまでの価格帯の物件取引が全体の3分の1を占め、最も件数が多いのは90万ドル台の取引となっています。2023年度は70万ドル台が最も大きなボリュームゾーンとなっていたのに比べ、動く価格帯が大きく上昇していることがわかります。
コンドミニアムは30万ドルから60万ドルの価格帯がボリュームゾーンとなりますが、2023年度は30万ドル台が最も件数が多かったのに対し、2024年度は50万ドル台が最大取引の価格帯となっており、戸建て同様に上昇していることがはっきりとしてきました。
取引件数:戸建・コンドともに前月比大幅減少
戸建 | コンドミニアム | |
11月の取引件数 | 203件 | 341件 |
前月比 | 261件(22.2%減) | 405件(15.8%減) |
前年比 | 180件(12.8%増) | 310件(10.0%増) |
2024年11月期は、戸建て・コンドミニアムともに前月比では大きく減少となりましたが、前年同月比では上昇傾向です。
年度の累計を見ていくと、昨年度と比較しても徐々に取引件数は増加傾向となり、戸建ては増加幅を大きくし、コンドミニアムは減少幅が縮小してきた形となり、大きな政治・経済のイベントを経てマーケットが安定してきたように思います。
市場の物件数:戸建は安定、コンドは2,000件突破
戸建 | コンドミニアム | |
11月末日の在庫物件数 | 749件 | 2,049件 |
前月比 | 672件(11.5%増) | 1,337件(53.3%増) |
前年比 | 741件(1.1%増) | 1,957件(4.7%増) |
2024年11月期の市場物件数ですが、戸建ては非常に安定しているものの、コンドミニアムはついに2,000件の大台を突破しました。
2年前の2022年度と比較すると、単純に当時の倍の物件数がマーケットに放出されている状態、ということになります。本来供給が増加しているので価格は落ちて行ってもおかしくないのですが、価格自体は安定して最高値付近から動く気配はなく、いかに今の米国の景気が底堅く、インフレが根強いかがわかります。
新規にマーケットに出てきた物件の傾向を見ていくと、100万ドル以上の価格帯のコンドミニアム物件数が前年同月比の倍程度となっておりましたが、こちらはおそらくWard VillageのVictoria Placeの竣工引渡が11月にあり、その直後にリセールマーケットが動き始めたことに起因すると思われます。
買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建・コンドともに上昇
戸建 | コンドミニアム | |
10月の買い手が つくまでの日数中央値 |
24日間 | 32日間 |
前月比 | 16日間(50.0%増) | 26日間(23.1%増) |
前年比 | 29日間(17.2%減) | 23日間(39.1%増) |
2024年11月期のDOMは、戸建てが大幅に上昇となっておりますが、まだ24日ですので堅調であると言えます。コンドミニアムも32日と上昇しましたが、大きく問題がある数字ではなく、許容範囲内の数字と言えます。
ただし上記に記載の通り、コンドミニアムだけで2,000件を超える在庫となった今、DOMは減少よりも増加傾向にある、と考えた方が無難かと思います。
一言まとめ!
2024年11月期の不動産データは、米国経済の強さを、不動産マーケットを介して再確認するようなものとなりました。
「不動産在庫の増加」「住宅ローン金利の上昇」により、【需要<供給】の図式が成立し、不動産マーケットは下落をすると考えるのがセオリーかと思いますが、実際には取引件数自体は減少し、在庫は上昇しているにもかかわらず価格は高止まり、むしろ上昇傾向にあるという現状です。
住宅ローン金利は2024/12/5時点で6.69%となっており、高金利状態が維持されています。
直近で予定されている各種米国経済指標をもとに12月に利下げがあるのかどうか、注目されますね。
また、為替もある意味安定してきている状態で、先月お伝えしたとおり150円を中心に多少の上下が継続している状態ですね。
現在大きく変化してきているのは日本人投資家のマインドです。
この為替を受け入れ始めている日本人の方々が非常に増えてきたと感じており、実際に不動産の購入を検討している方からの内見依頼が数多く入ります。
一時期は、日本人は所有物件の売却、買い手はアメリカ人、という取引がメインでしたが、現在は再び日本人が購入側に回り始めている形です。この為替環境が一時的なものではなく、将来的に考えたとしても米ドル建ての資産に切り替えておこうという考えの表れと考えられますね。
Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。
※グラフ1〜4、表1、表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ5はFreddie Macより引用。
※グラフ6はTrading Viewより引用。