※記事内の図は全てクリックで拡大します。
Contents
成約価格中央値:戸建ては上昇、コンドは下落
戸建 | コンドミニアム | |
3月の成約価格中央値 | $1,100,000 | $500,000 |
前月比 | $1,075,000(2.3%増) | $512,500(2.4%減) |
前年比 | $1,083,750(1.5%増) | $536,000(6.7%減) |
2024年3月期の成約価格中央値ですが、戸建ては上昇したものの、コンドミニアムは減少となりました。
コンドミニアムは昨年3月期が最高値になっている関係で、前年比では大きく減少している形になっておりますが、それでも長期的に見ると高価格帯は維持していると言って良い水準です。
取引件数:戸建・コンドともに前月比増
戸建 | コンドミニアム | |
3月の取引件数 | 230件 | 344件 |
前月比 | 179件(28.5%増) | 334件(3.0%増) |
前年比 | 236件(2.5%減) | 444件(22.5%減) |
2024年3月期の取引件数は、前月比で見ると戸建て・コンドミニアムともに増加という結果となりました。例年3月期は1月2月のスローな時期の反動で大きく伸びるのですが、コンドミニアムに関しては大きな伸びがなかったことは若干気掛かりです。
取引の傾向として、高価格帯の取引件数の減少が顕著です。特にコンドミニアムでは100万ドルを超える物件取引が前年同月比で51.9%減少しております。
市場の物件数:戸建は微減、コンドは大幅増
戸建 | コンドミニアム | |
3月末日の在庫物件数 | 581件 | 1,493件 |
前月比 | 599件(3.0%減) | 1,388件(7.6%増) |
前年比 | 541件(7.4%増) | 1,152件(29.6%増) |
2024年3月期の市場物件数ですが、戸建てはほぼ横ばいで推移したのに比べ、コンドミニアムは大きく増加した形となりました。
特にコンドミニアムでは全ての価格帯での在庫数が上昇し、過去3年間で最も在庫数が多くなりました。購入者にとっては選択肢が多くなり、ヘルシーなマーケット環境になってきたということでもありますが、売却をしようとする売主側では競合物件が増加することとなり、買主側からのさまざまな交渉を持ちかけられてくる可能性が高くなることを意味します。
新規販売開始物件数もコンドミニアムに関しては大きく上昇していることが分かります。
昨年までの供給不足が一旦の終わりを見せている可能性もありますので、それに伴い取引価格にどの程度影響を及ぼすのか、今後注目されます。
買い手がつくまでの日数(Days on Market)中央値:戸建・コンドともに約1ヶ月
戸建 | コンドミニアム | |
3月の買い手が つくまでの日数中央値 |
31日間 | 29日間 |
前月比 | 30日間(3.3%増) | 39日間(25.6%減) |
前年比 | 36日間(13.9%減) | 24日間(20.8%増) |
2024年3月期のDOMは、戸建て・コンドミニアムともに約1ヶ月となり、過去3年間の不動産の加熱した環境は一定の落ち着きを見せてきた感があります。
マーケットに出してから買い手がつくまでの日数が増加しているということは、需要<供給の方向に傾いてきていることを意味します。(語弊がないようにお伝えすると、現時点で供給過多になっている、ということではなく、あくまでも傾向として一時期の需要が圧倒的に上回っていた環境からは脱却しつつある、という意味合いです。)
一言まとめ!
2024年3月期の不動産データでは、2月期に引き続き、ハワイ不動産マーケットの各種指標がマーケットの過熱感が落ち着いてきていることを感じさせるものとなりました。
ただし、3月期の米国雇用統計の数値は非常に力強いもので、米国のインフレが収まっているとは言い難い状況です。それに伴い不動産価格も最高値圏から下がるような環境にはなく、現状維持を継続している形です。
FRBによる利下げの時期は想定よりも遅くなると考えた方が現実的な状況で、住宅ローン金利も同様に高止まりする形になっております。
先月お伝えしたとおり、市場に供給される物件数は増加傾向にありますが、不動産価格と住宅ローン金利の高止まりにより、高価格帯の物件の動きが鈍ってきていることは注視していく必要があるかと思います。
為替については、3月上旬の円高の動きはやはり一時的なもので、トレンドラインまでタッチすることもありませんでした。
ついに4月には下記の通り153円台まで突入しました。為替介入があるのか、あったとしてもどの程度の効果があるのか不明な状況ですが、今後の動向を見極めていくことが重要です。
日本人のオーナー様はこのタイミングでの売却を検討される方が圧倒的に多くなっております。現状不動産マーケットは過熱感が落ち着いてきているところにはなりますので、売却をされる際にはある程度の時間軸を念頭において動かれることをお勧めいたします。
Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。
※グラフ1〜5と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ6はFreddie Macより引用。
※グラフ7はTrading Viewより引用。