2023年9月ハワイ不動産市場 – 簡単まとめ!

※記事内の図は全てクリックで拡大します。

成約価格中央値:戸建ては下落も高価格維持、コンドは大きく上昇

グラフ1:オアフ島不動産-成約価格中央値(1987年〜2023年)
戸建 コンドミニアム
9月の成約価格中央値 $1,050,000 $532,500
前月比 $1,110,000(5.4%減) $515,000(3.4%増)
前年比 $1,100,000(4.5%減) $502,500(6.0%増)

2023年9月期のオアフ島の戸建て価格中央値は前年同月比4.5%減だったのに対して、コンドミニアムは6.0%増となりました。コンドミニアムは統計史上最高値の$536,000-とほぼ同等の数字まで上昇してきております。

戸建て物件の約9%が売却希望価格での取引、約38%は希望価格を上回る金額での取引となり、コンドミニアムは約22%が希望価格、約20%が希望価格以上で取引がされたということです。

取引件数:戸建・コンドともに減少

グラフ2:オアフ島不動産-取引件数(2020年9月〜2023年9月)
戸建 コンドミニアム
9月の取引件数 232件 376件
前月比 252件(7.9%減) 422件(10.9%減)
前年比 278件(16.5%減) 496件(24.2%減)

2023年9月期の取引件数は戸建て・コンドミニアム市場ともに大きく減少しました。
戸建て市場はなんとか12ヶ月移動平均を維持しましたが、コンドミニアム市場は2021年1月期以来初めて取引件数が400件を下回りました。

戸建てマーケットの内訳としては、$700,000〜$999,999の価格帯の取引が全体の36%を占め、ほとんどがエヴァ地域のものとなっています。
コンドミニアムマーケットでは、低価格帯の物件よりも高価格帯の物件取引数が大きく増加傾向にあります。$900,000〜$1,999,999の高価格帯の物件取引件数が31%を占めるなど、大きく増加しております。逆に$200,000〜$599,999の低価格帯の物件取引件数は30.2%急落しています。

市場の物件数:戸建・コンドともに横ばい

グラフ5:オアフ島不動産-市場在庫数(2020年9月〜2023年9月)
戸建 コンドミニアム
9月末日の在庫物件数 592件 1,194件
前月比 598件(1.0%減) 1,146件(4.2%増)
前年比 629件(5.9%減) 1,141件(4.6%増)

2023年9月期は戸建てが若干の減少、コンドミニアムは微増という結果となりました。

スポットで見る在庫物件数の動きだけだと分かりにくいところがありますが、新規のListing物件数の動きを見ていくとマーケットの動向が見えてきます。

グラフ6:オアフ島不動産-新規物件数(2020年9月〜2023年9月)

新規で販売に出てくる物件数は、戸建もコンドミニアムも大きく減少しています。これは米国の金利の上昇を受け、低金利時代に取得をしたオーナーがその金利で保有を継続することを選択し、現在の住居を売却し新たに資金調達をして購入することには積極的ではないことを意味します。
その結果として、市場に出回る物件数が限定され、供給が制限されることで価格が高価格帯を維持していくこととなっています。

買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに微増

グラフ7:オアフ島不動産-成約までの日数中央値(2020年9月〜2023年9月)
戸建 コンドミニアム
9月の買い手が
つくまでの日数中央値
20日間 21日間
前月比 18日間(11.1%増) 18日間(16.7%増)
前年比 18日間(11.1%増) 14日間(50.0%増)

2023年9月期の物件が市場に出されてから買い手がつくまでの日数は戸建て・コンドミニアムともに前月から微増し、それぞれ20日間・21日間となりました。
先月お伝えしたとおり、一旦の調整に入った形になり、買い手がつくまでの日数は約3週間程度、ということになっております。

上記でもお伝えしたとおり、新規物件の供給が減少している中では、ここから大きくこの日数が増加していく形ではなく、ある程度の範囲内で動くことになるのではないかと思っております。

一言まとめ!

直近で米国の住宅ローン金利がさらなる上昇傾向にあります。30年固定金利では約7.5%ということで、20年ぶりの高金利状態が継続しております。

グラフ8:米国住宅固定ローン金利(2023年10月05日時点)

この金利上昇が低金利時代に購入をした方々の「売り」を抑制し、供給が減少することで価格が維持・上昇する原因となっているようです。今手放すと現在の7%を超える金利で再度ファイナンスを受けなければならなくなるわけですので、「売り控え」が起きてしまうのも納得です。

グラフ9:米ドル/日本円為替(2023年10月12日時点)

一方でドル円の為替相場は先月期にお伝えしたとおり、節目である150円台にトライしてきました。

いわゆる為替介入の水準ということで、直近は様子見のムードが漂っていますが、昨年のようにここから大きく円高に振れる状況になっていないことが大きな違いかと思います。当面はこの為替水準にてマーケットが動いていくことになりそうですね。

Crossoverではハワイ不動産歴20年以上の不動産ブローカーと日米の不動産を経験した代表を含む全社で、お一人おひとりをサポートいたします。ハワイ不動産の購入・売却・管理についてご興味、ご質問、ご不安等ある方はお気軽にご相談ください。

※グラフ1〜7と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用。
※グラフ8はFreddie Macより引用。
※グラフ9はTrading Viewより引用。