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成約価格中央値:戸建が昨年比・前月比ともに9.5%上昇
戸建 | コンドミニアム | |
11月の成約価格中央値 | $1,149,500 | $480,000 |
前月比 | $1,050,000(9.5%増) | $520,000(7.7%減) |
前年比 | $1,050,000(9.5%増) | $500,000(4.0%減) |
2022年11月、成約価格中央値は戸建てとコンドミニアムで対照的な数字となりました。戸建ては前年比・前月比ともに9.5%の上昇、コンドミニアムは前年比・前月比ともに4〜8%の下落です。どちらも緩やかに下がっていくと思われたところ、戸建ては10%近く上昇し、結果的に史上2番目の高値となりました。
上のグラフ2は直近3年間の成約価格中央値です。濃い線が下の年月に対応する数字、2020年11月〜2022年11月の薄い線は前年同月(2019年11月〜2021年11月)の数字を重ねたものです。戸建ては2年間常に前年同月を上回っていますが、コンドミニアムは2022年11月に初めて前年同月を下回る数字となりました。ハワイ不動産大手Locationsのシニア・バイス・プレジデントは、このまま新年に向けて価格は横ばいになっていくと予想しています。
取引件数:戸建・コンドともに昨年の約5〜6割まで減少
戸建 | コンドミニアム | |
11月の取引件数 | 192件 | 340件 |
前月比 | 222件(13.5%減) | 435件(21.8%減) |
前年比 | 371件(48.2%減) | 601件(43.4%減) |
成約件数は約半年間下がり続けており、下がり幅は月を追うごとに大きくなっています。10月は戸建てが前年比約4割減、コンドミニアムが約3割減だったところ、11月は戸建てが約6割減、コンドミニアムは約5割5分減まで落ち込みました。先月も書いた通り、年明けまでこのまま成約数が減少していく見込みです。
ただ、下のグラフ4から分かるように11月はエスクローにて取引手続き中のコンドミニアムがわずかながら増加しましたので、2〜3ヶ月後にはこの物件が成約し、成約数が少し上昇する見込みです。
市場の物件数:回復傾向ながら依然タイトな市場
戸建 | コンドミニアム | |
11月末日の在庫物件数 | 682件 | 1,244件 |
前月比 | 656件(4.0%増) | 1,194件(4.2%増) |
前年比 | 366件(86.3%増) | 1,033件(20.4%増) |
今年初旬から着実に市場の物件数は増え続け、少しずつ市場在庫数は回復してきました。ただ、かろうじて2021年を上回る程度で、2020年の水準にはまだまだ遠い数字です。
米国の住宅ローン金利上昇を受けて、新しく市場に出される物件は減少が続いていましたが、11月は10月とほぼ変わらない数の物件が新しく市場に出てきました。通常は年末のホリデーシーズンに向けて、新しく市場に出される物件数は減少していくのですが、一時期は7%を超えた住宅ローン金利が6%台に戻ってきたことによって、少し数字が回復したのかもしれません。住宅ローン金利は2023年はさらに落ち着いていくとの見方が多くありますので、来年はより多くの物件が市場に出回るようになりそうです。
買い手がつくまでの日数中央値:戸建・コンドともに18日間に
戸建 | コンドミニアム | |
11月の買い手が つくまでの日数中央値 |
18日間 | 18日間 |
前月比 | 19日間(5.3%減) | 19日間(5.3%減) |
前年比 | 11日間(63.6%増) | 9日間(100%増) |
物件を市場に出してから買い手がつくまでの日数中央値は、戸建・コンドミニアムともに18日間となりました。昨年と比較するとおおよそ倍程度の日数です。一方で、10月はどちらも19日間でしたので、戸建て・コンドミニアムともに1日の短縮です。昨年と比較すると倍増したとはいえ、販売物件の半数が1月も経たずに売れていくと考えると、まだまだスピード感のあるマーケットです。
一言まとめ!
2022年11月は、今年に入って続いているスローダウンの傾向が維持された一方で、住宅ローン金利上昇緩和の影響が所々感じられる結果となりました。下のグラフの通り、3%台から急激に上昇を続けていたアメリカの30年固定住宅ローン金利ですが、11月は僅かながら低下しました。また、多くの関係者が2023年はさらに金利が下がっていくと予想しています。新しく市場に出される物件数の減少に歯止めがかかり、買い手がつくまでの日数が1日短縮された影には、この金利の変化があるのかもしれません。
上記の通り一部で微かな変化が見られましたが、全体の状況は変わりません。価格は小さな上下を繰り返しながら横ばいとなり、成約数は大きく減少しています。購入可能な物件数も未だ少なく、競争は激しいと言えます。ただ、金利が多少下がったとは言え、まだ低いとは言えない数字ですので、2023年は購入者の予算に合わせて価格も下がってくると見る不動産エージェントがほとんどです。
まだ成約価格にははっきりとその兆候は現れていませんが、先月もお伝えしたように、成約に至るまでに価格変更をする物件数は明らかに多くなっています。ホノルル不動産協会によると、販売価格以上で成約した物件数は前年と比較して約7割減少しています。また、11月最終日の時点で市場に出ていた物件のうち、戸建ての46%、コンドミニアムの36%が過去に価格変更を経験していました。
この変化は、実際にCrossoverで売却をお手伝いしたタウンハウスでも感じられました。11月に市場に出したカネオヘのタウンハウスですが、これまではタウンハウスというだけで販売価格を上回る申し込みがいくつも入ったところ、こちらの物件には価格交渉込みの申し込みが入りました。状態の良い物件であれば現在も販売価格を上回る申し込みが殺到するようですが、こちらの物件は購入者のリフォームを前提とした物件だったため、シビアな申し込みが多かったようです。市場の風向きが変わったことを実感する出来事でした。
売却をお考えの方には好ましいとは言えないニュースですが、過熱した市場が正常に戻りつつあるというのは、太極的には喜ばしいことです。何十年ぶりというレベルの円安も一時期よりは落ち着きを見せ、いよいよ購入を検討しても良いタイミングが来たと言えるでしょう。Crossoverのお客様も、年末年始のハワイ滞在時に久しぶりに物件を回って検討を開始するという方々がいらっしゃいます。円高の時に決断できず、空前の売り時を逃してしまった方がいらっしゃるように、不動産はタイミングがとても重要です。2023年を良い不動産yearにするために、今から是非ご準備ください。
物件の売却・購入をお考えの方は、まずはお気軽にCrossoverまでご相談ください。個々のお客様のご事情に合わせて、丁寧にサポートさせていただきます。現地での物件案内も承ります。
売却をご検討中の方にお読みいただきたい「ハワイ不動産売却のススメ!」シリーズ
Vol.1 今は空前のハワイ不動産売却のチャンス!?
※グラフ1〜7と表の数字はHonolulu Board of Realtors公表のデータを引用しています。